まあ、私はDTM7年やってきてマトモな曲と呼べる代物を生み出せたことがないのですが、機材の話ならできるぞ! ということでやります。番付。偏見と趣味だけで構成された番付。素人が番付書いたっていいじゃないの。全品Windows64bit VST対応のものを書いてます。
ちなみに私自身が非クラブミュージック系の人間なので、EDM寄りのシンセには疎いです。悪しからず。
※2021年9月時点でのフリーシンセ状況を見つつ、セレクションを若干見直しています。
全体的に偏り感を減らしています。
パワフル枠
客観的に見てマルチに多機能、かつ実用的と思われるフリーシンセの双璧です。制約らしい制約がないため、ある意味一番扱いが簡単なフリーシンセかもしれません。
Vital (Matt Tytel / Vital Audio)
2020年11月リリースのウェーブテーブル式シンセサイザー。Serumを意識したと思われる機能とUIが特徴で、機能面では業界スタンダードクラスの商用製品(Serum, Massiveなど)と同等と考えていいレベル。GUIに関してはもしかしたらそれらを上回る完成度かもしれません。
プリセットや波形収録数が格段に多い有償版・サブスク版もありますが、無料版でもほぼ機能制限なく使用可能。波形の少なさは、ネットに数多く転がってるSerum用の追加波形を追加することで多少緩和できます。プリセットだけはどうしても付いていないので、無料で使いたいならプリセットに頼らない覚悟と気合が必要。逆にプリセット使わない層にとっては天国みたいなシンセです。
出音はソリッドでドライな部類かな。華やかさやアナログ感は薄いですが、サウンドの解像度の良さはありていに言って「無料とは思えない」。ただCPU負荷だけはちょっと高いです。
Surge (Vember Audio / オープンソース)
2019年11月ごろに無料化・オープンソース化されたウェーブテーブル式シンセサイザー。かつて商用だった時期もありましたが、現在は完全フリー化しました。オープンソースゆえの開発の速さが特徴的で、結果的に00年代設計のシンセに2021年の感性で機能がゴテゴテ盛りつけられた全部乗せ系プラグイン。
プリセットは無駄に大量に収録され、ウェーブテーブル波形はSerum用のものも転用可能なのですばらしくボリューミーなシンセです。ただ私の所見では、シンセ素の出音にしても、プリセットにしても、『時代を感じる』ところが割とあるため、使う上ではこの辺のアンチエイジングが一番の肝になりそうな印象。音がゴツいので、ドラム系の音作りにはVitalよりも多分向いてると思います。
さらにバリエーションが欲しいならこの2つ
Odin 2 (The Wave Warden)
2021-01-20追記: 毒気の無い純粋無垢な音が出るハイブリッドシンセサイザーです。機能的には上記2つと比べると制約が多く、簡単と捉えるか縛りプレイと捉えるかは人によりけりな面がありますが、ともあれ比較的シンプルに音作りを行えるように配慮されていることが特徴。オシレーターユニゾンとフィルターが良い味出してます。邪悪な音はあんま出ませんが、自分のことを善良だと信じるユーザーたちのためにはどこまでも応えてくれると思います。
ModulAir (Full Bucket Music)
パッチケーブルは描画されないものの、立派なアナログモジュラー・セミモジュラーシンセです。しかもポリフォニック。CPU負荷がかなり低いのもポイント。
しかしUIが結構難解なうえ、随所に不親切な部分があることが否めないため、総じて上級者向け、脳内で信号の流れをすべて把握できる人向けのシンセといえます。いばらの道ですが、極めると相当深いと思いますよ。
昔ながらのヴァーチャルアナログ枠
フリーのヴァーチャルアナログにはそこそこ良いものが沢山出回っていますが、そう質感に大きな差があるわけでもないため、すべてを意識的に使い分けるのは正直難しいです。ここで取り上げたプラグインの選定にあたっては、知名度・実用性というよりも、『代用の効かなさ』に力点を置くことにしています。
Synth1 (Daichi)
おなじみ。どこかのサイトで「ヴィンテージプラグイン」などと称されていましたが、まったくその通りだと思います。リリースから18年を経て、いまだに多くの人に使われ続けているソフトウェアというだけで貴重(今普通に使われているVSTiでこれより古いのはWaldorf Attackくらい?)。リリース当時の様子は2chの過去ログとかから窺えたり窺えなかったり。
リリース当時から音が細いシンセと評されていたようですが、それでも独特の明るさを持つサウンドは代用がききません。超絶低負荷なのは言うまでもない。
Tyrell N6 (u-he)
実はこれ使ったことないんですよ。その、正直、u-heのシンセの音があんま好みじゃない……。
製造元のu-heは各所で評価の高いデベロッパーで、Diva、Hive、ReProなど比較的高価だけど定番化したようなソフトシンセをいくつも作ってます。フリーでは珍しく割と生気のある音を出してくれる上、とにかく音の存在感があるので、フリー環境では代用が効かない可能性があります。地味に珍しいSoftSync機能と、内部フィードバック機能付きなのもポイント高め(しかしどちらの機能も結構使い方が難しい)。負荷は若干高めですが、すごく高いわけではありません。
PG-8X (ML-VST)
うーん、これも使ったことないんですが、RolandのDCO時代のアナログシンセJX-8Pの再現らしいんです。実機にどの程度似ているかは知りませんが、PG-8Xのフィルターはレゾナンスを上げたときの応答が極めてスムースなのが特徴です。出音にはとにかく嫌味や癖がなく、ほかのシンセではtoo muchになりそうな場面でも投入しやすそう。いや実際投入しようとしたんですが、たまたまヴェロシティでフィルターを変調しないといけない場面だったもので投入しそびれました。
SyncやRingのおかげで、意外と出せる音の幅は狭くないです……というか普通にJX-8P実機で欲しいんだが。
さらにバリエーションが欲しいなら
OB-Xd (discoDSP)
有名なOB-Xのエミュレーション。各所で高く評価されています。無償なのは非商用目的に使う場合に限るので注意。
TAL NoiseMaker (Togu Audio Line)
これも有名。音自体は良いのだが、絶対これじゃないといけない、という場面があんまりないと思うのが正直なところ。LFO形状を自由に描ける点は大きな個性。
VK-1 (Blamsoft)
MiniMoog Voyegerの再現らしい。アナログ特有の揺れ動くオシレーターや、フィルターの挙動を再現したらしい。しかし重い。しかもモノフォニック。
しかしながら、『いかにもアナログ』な不安定かつ瑞々しい音が出るプラグイン、フリーでは地味に貴重です。扱いづらいせいであんまり起動したことがない……。ある特定の系統の音は、「Moog系」のシンセでないと出しにくいので、そういった使い分けができるのであれば導入するとよいかと思われます。
Fury800 (Full Bucket Music)
いつか使おう使おうと思いつついまだに使う機会が無いやつです。チープでザラついたDCOアナログシンセの音を出してくれます。
これに限らず、Full Bucket Musicさんでは数多くのKorg製品のエミュレーションをリリースしています。どれも音の方向性としては似通っていますが、初期デジタルシンセらしい音のWhispAirや、本格的なMono/Poly再現のMonoFuryなど魅力的なプラグインが満載です。
この枠に入れようか迷っているもの: Helm, OS-251
モダン枠
中の人はモダンな音を作ったことがないのでこのコーナーは完全に想像で書いてます。アナログ感というよりも派手な音の方が出しやすく、今風のサウンドに向いていると思います。
Vital (Matt Tytel / Vital Audio)
本日二回目。というかみんなが求めてるのは結局これでしょ。プリセットが無いこと以外は、無料版でもSerumとかと同等の使い方ができると思います。プリセットが欲しい人は有償版を買うか、あきらめてSynthMaster Oneでも導入するといいと思います(正直Vitalの前だとSynthMaster Oneすら見劣りするかも(主にUI面で……)。出音の好みにあわせて選ぶといいのでは)。
ToneZ (T0N0T0 RMX)
なんとCabbage製。ゆえになんとなく不安定な印象が拭えないんですが、それはそうと出音が意味不明なくらい派手な変態プラグイン。内蔵エフェクターもとんでもなく派手に効く。どちらかというと低音より高音が得意そうなシンセで、サウンドキャラクターがもっともSerumに近いフリーシンセといったら間違いなくこれになると思います。Serum持ってないけど。
ちなみにGUIとか操作性とかについては、辛口目に評すればフリー相応かな~という感じ。機能面ではSylenth1を手本にしたような印象でシンプルだけど実用的。波形が追加できればベストだったのだけど……。
GR-8 (Phuturetone)
シンプルな設計できれいなGUIのVA系シンセ。プリセットが割と全部ちゃんとした音なのが良い。ポリのユニゾンは出来ないのでEDM向けかというと疑問が残るが、どう操作しても良い音に仕上がる優等生キャラ。
T-Force Alpha Plus (Mastrcode Music)
みんな使ってる。少なくともToneZとVitalが登場する何年も前からあるフリーシンセ。でも私は使ったことがない。ゆえにすべては謎に包まれている。
Xhip Synthesizer (aciddose)
VA系だが、豊富なユニゾン機能を活かしたスーパーソー音色が素敵なのでこちらに掲載。アナログ風に攻めるのが常道だろうが、折り返しノイズ出まくりのウェーブシェーパーを駆使してハードコアなサウンドも作れる。操作が難しいので中級者以上向けか
古き良きデジタル枠
どちらかというと玄人好み? マニアック? なシンセたち。比較的珍しい合成方式を取ることが多いです。あえて時代遅れを愛でたいときもある。
Dexed (Digital Suburban)
YAMAHA DX7の忠実なエミュレーション。忠実な、というのは、実機譲りの難解さもそのままということ。ストイックなFMマニアはもちろんのこと、ネット上にクソみたいな数出回っているDX7用プリセットを読み込めるので、普通にFMプレイヤーとしても使えると思います。しかし、こう、何のひねりもないFM音源で思い通りの音を作るのってすっごい難しいんですよね……。
Digits (Extent of the Jam)
何か特定のハードウェアの再現というわけではないらしいのですが、Casio CZシリーズで知られるPD音源をフィーチャーしたシンセ。PDって名前は知ってても、実際どんな音なのかは知らない……という、我々の身近な疑問に応えてくれます。
PD音源ではフィルターの代わりに波形の変形でもって音を丸めるため、フィルターとは一味異なるヌルっとした倍音変化が大変魅力的です。PD音源自体が非常にレアなので、大切に使っていきたいところ。出力音量が異常にデカいことだけは注意。
Cobalt (Sanford)
使ったことないけど有名なので載せときます。私の環境ではGUI開くと落ちるんですが、これはインストールをミスったせいなので素直にインストールしたら普通に安定してると思います。
Exakt Lite (SonicBits)
使いやすさに少し手心が加えられてる方のFMシンセ。VOPMとかは昔からありますけれど、2021年の今、FM音源を学習するならば普通にExakt Liteでアリなんじゃないかなと思います。機会が無くて使ったことはないのだけど。
Lynx (xenobioz)
今回のSynthEdit枠。2015年生まれの比較的新しいシンセで、手書き波形にPDがかけられるという変態仕様。やたらめったら収録プリセットが多いのも特徴的。まあ、あえて取り上げるほどのものでもないのかもしれないんですが、なんとなく印象に残ってるので。
異常枠
これこそがフリーシンセ界のうまみだと思います。変わった音が出るプラグインシンセはもちろん商用ソフトやその簡易版においても数多いですが、中には非商用、趣味の領域だからこそできる尖ったプラグインもあり、百花繚乱といったところ。
Tunefish4 (Brain Control)
こいつは出てくる音自体は至極まともですが、合成方式が加算合成式という時点で怪しいにおいがするシンセです。グロウルベースに使われていることもあります、が、個人的には高音の方が個性的で綺麗な音が出ると思います。後段にリミッターを挿すと割とEDMっぽい音にもなる。
一見シンプルそうですし、作れる音の幅自体は広くありませんが、もしかしたらTunefish4以外では出せない独特の空気感があるんじゃない?と思うのでこの枠に。リバーブを2重に掛けて金属感を出す裏技も面白い。有名なプラグインですが、私としてはまごうことなき超個性派で、もちろん実用的でもあるという、やはり有名なだけあるな~という感じの一品です。
Lith (Soda Devices)
こいつは普通に使えば普通に実力派なんですが、「あり得ないくらい音質を低く設定できる」および「ランダマイズボタンを押すと一瞬で意味不明な音が出せる」の二点をもって個性派判決を下させていただきました。いい加減な使い方してごめんなさい。
素の出音自体がしっとり系で良い感じだと思いますし、サブオシレーターを使ってFMなどできるため結構音作りの幅は広いと思われます。CPU負荷の高さ、GUIの小ささだけが難点か。もっと軽かったら沢山使ってたと思うのに。
Pendulate (Eventide / Newfangled Audio)
まったく、『二重振り子オシレーター』なんて文字列をタイプする日が来るとは思いませんでしたよ。しかもフィルターの代わりにローパスゲートが付いてるし、その前にはウェーブフォルダーが設置されているし、もうめちゃくちゃです。
自由なルーティングオプションも相まって、適当に触って深夜の寂しさを紛らわすには最適なシンセです。Eventideブランドということもありソフトウェアとしての品質は一流のものだと思いますが、しかしながらこれを一体どこに使えばいいのか、未だ私の中での結論は出ておりません。リバーブがよく合います。
Seismic (Syntonica)
このプラグインを紹介するためにこの番付を作ったといっても過言ではありません。もう悪夢のように難解なソフトシンセです。うん、良い意味で。
構造的にはモジュラーなのですが、オシレーターもフィルターもエンベロープも存在せず、ただ"Node"と呼ばれる2つの入力、1つの出力、2つのコントロールを持つ箱が15個並んでいるだけです。Nodeには様々な入力モードと出力モードが用意され、オシレーターやエンベロープはそれらの組み合わせによって『再発明』されます。そもそもGUIが不親切なのでマニュアルを読まないと何もできませんし、マニュアルを読んだところでNodeとNodeを組み合わせまくる脳トレみたいなパッチングが待ってるわけです。もうこの世の終わりです。
あまりの難解さゆえか日本でのユーザーはかなり少ないシンセだと思うのですが、とにかく変調オプションが豊富なので、うまく使えばトリッキーな倍音を奏でることができるようです。オシレーターはエイリアスするので高音には向かず、変態ベースやドローン、グリッチ調のパッドなどに適しているような気がします。ディストーションがよく合います。……なので誰か私の代わりにプリセットを組んでください。お願いします。
Harsh Digital Nose (Insert Piz Here)
ネタ枠。音の傾向的にはSeismicに近い、ノイズと楽音の中間みたいな音しか出せないシンセ。とにかくペイントソフト状のUIが衝撃的で、出てくる音もまた衝撃的。そのうちモジュレーション機能を強化したりマイクロチューニング対応したりした上位版が出ないか出ないかと待ってるのですが、たぶんもう開発停止されてます。残念。尋常じゃない方法で、尋常じゃない音を出したいあなたに是非おすすめしたい。是非。
一発ネタ枠
出せる音の幅は狭いけれど、そういう制約があるから面白い、という専門バカの世界。
Dolphin Bassline (Signaldust)
シンプルにTB-303の音が出ます。シーケンサーはついていません。作者本人が「似てない」と謙遜する割には似ています。用途はそのまんま、303が欲しいとき用。
JuceOPLVSTi (Plainweave Software)
昔のPCとかアーケードゲームとかに搭載されていたFM音源の再現。ADSRのパラメーターが逆方向に効くので注意(一番下が最大)。ちなみにSynth1よりもCPU負荷が小さい超軽量級シンセでもあって、これ以上軽いVSTiをちょっと私は知りません、ので、制作中の仮音源としても使えるんじゃないでしょうか。
LightPadSynth
加算合成に近いことをやってるらしいシンセ。ほかでは見ない独自パラメーターが多いため初見難解に見えますが、構造自体はシンプルです。動きのある音は苦手とする反面、ベル系の音色の透明感・立体感においては他を寄せ付けないのでは?
モジュラー枠
モジュラーと書いて沼と読む。基本モノフォニックの世界ですがエフェクターとしても使えるので使い方はあなた次第、なのか?
Reaktor 6 Player (Native Instruments)
よく自分の中で忘れられがちなのですが、Reaktor 6 PlayerにはReaktor Blocks Baseというモジュラーシンセが付属します。これが地味に、完全無料かつVST対応のモジュラーシンセの中で最も本格的な可能性が濃厚なのでここで紹介しておきます。あんま難しいことはできませんが、ステレオタイプなモジュラーサウンドは一通り得られますよ。音質もさすがのNative Instrumentsクオリティですが、Reaktor共通の弱点としてやたら操作の手数が多くトリッキーなので色々面倒です。
ちなみにReaktor Playerにはほかにも多くのミニシンセが付属しますが、こればかりは人によって合う・合わないがあると思うので何ともです。TRK-01 BASSはまあ使えると思います。
VeeSeeVSTRack (bsp804)
無償かつオープンソースのモジュラー環境として有名?なVCV Rackの派生版で、非公式でVST対応させたもの。普通にDAW上でシンセまたはエフェクトとして読み込める。ただしMac非対応、なはず。
VCV RackそのものではないのでサードパーティのVCV Rack拡張アドオン類は一切読み込めませんが、その代わり900個近い無償モジュール類が同梱されているため、さすがに飽きることはないと思います。……90個ではありません。900個です。逆に多すぎて困る。
一応VCV Rack公式から$99でVST版が販売されています。かなり競合していますが、こちらはVeeSeeVSTRackと異なり、拡張アドオンが読み込める、ポリフォニックである、サポートが受けられるなどという点で差別化しています。そもそもVeeSeeVSTRack自体が数年前のベータ版から派生したプロジェクトなので、当然公式VSTの方が機能は多いですし、これから追加されもするでしょう。とはいえ(ポリフォニック非対応なのは痛いですが)十分すぎるほど制作にも遊びにも使えるプラグインだと思います。音質も相当良い部類かと思いますが、CPU的には結構重いです。さすがに。あと音作りがしんどい。
※VeeSeeVSTRackにおいてもMIDI-4モジュールを使うと疑似的にポリフォニーで弾けますが、ボイス分だけモジュールを用意する必要があります。
2022年11月追記: 今完全無料でモジュラーシンセやるならVeeSeeVSTRackよりもCardinalがおすすめです。機能的に大体同じかそれ以上な上にポリフォニック対応ですので。ただしDAWや環境によって相性問題がある模様ではある
Q. 22+7種類も使い分けられないよ!
A. プリセット使わないならVital一個で大体のことは出来ると思いますよ。Vital一個で本一冊書けるくらい奥が深いです。プリセットが欲しい場合はSynth1、Surge、GR-8の導入も視野に。Vitalにも無料の追加プリセットが多少あるようです。
……ちなみに「高品質なプリセットが沢山付いていいて」、かつ「機能制限がないシンセ」をお求めであれば、正直フリーには期待しない方がよいです。
Q. じゃあお前はシンセに金払う意味って何だと思う?
A. 経験の浅い身で言うのもアレですが、商用シンセは「後処理無しでも音が安っぽくならない」「プリセットの分量が多く、高確率で良質」「出音のキャラが濃い(良い意味で)」の3点において、フリーを凌駕しているように思います。
CDやクラブで聴ける「あの音」が出したいのならば、商用シンセ(それも有名な奴)を買うのが圧倒的に早いと思っています。ちなみに私はSynthMasterだけセールで買ってお茶を濁しました。
Q. これ半分くらいネタで書いてない?
A. ぶっちゃけVital, Surge, Synth1, Tyrell N6, ToneZ, Dexed以外全部ネタ枠です。まともなリコメンド記事はMusicRadarさんとかBedroom Producers Blogさんとかが書いてるのでそっち読んでください。
Q. 逆にネタ枠フリーシンセをもっと教えてほしい
A.たとえば使う音源をこれらだけに縛って曲を作るというのも面白いかもしれません。
Autogun
Image Lineの贈る、言わずと知れたランダム専用シンセ。実用になるかどうかギリギリの線。
CollidingCombSynth
バイオリンを習って15分未満の人のみで構成された弦楽四重奏のような音しか出ないシンセ。時々とんでもない音量を出力するのでリミッター必須。ホラー映画の効果音だけには使えそう。
WaveCymbal
調理器具を木べらで擦ったときの音しか出ないシンセ。用途不明。
Noisetar
ノイズ専用シンセ。割と多様なノイズが出てくるため実用の余地がある。
Little Spiral Generator
めちゃくちゃなステレオ感の変態サウンドを出力する超個性派。変なベースやドローンなどに。
The Scrooo
フォルマント合成とかいう不思議な技術を使い、ものすごく安っぽい音を出せるシンセ。安っぽい音のために新たな合成方式を学ぶモチベーションのある方向け。
Diodow
基本は減算式シンセだが、UIが細かいうえ独特のコントロールが並ぶ玄人向けの一品。見た目によらず、きめが細かく高級感ある音。
Voc
人間の声のような、声じゃないような、「ンアェ~」という音を出すだけのシンセ。使いどころ不明。
SFX8
レトロゲーム風の効果音作成に特化したドラムシンセ。音楽にお手軽にチップチューンの風味を加えられるし、なんなら普通にゲーム制作目的で使ってもいい気がする。これは本当に使えるのでおすすめ。
RePro(Alpha)
アナログモデリングの最高峰としても知られるu-he ReProですが、実は試作機を無料で配布していた時期がありました。表向きではもう配布していないが、某所で検索するとまだダウンロード可能かもしれません(2020年時点の情報ですが)。無料だがロイヤリティーフリーかどうかは怪しいので利用規約をよく確認のこと。ちなみになぜ無料なのかはインストールして音を出して、DAWのCPUモニターを見れば大方察しが付くと思います。
ほかにもまああると思いますが、有名な奴は探せば出てくると思うので適当に探していただければと思います。
何を使うか迷ったときはこちら!
ちなみに私自身が非クラブミュージック系の人間なので、EDM寄りのシンセには疎いです。悪しからず。
※2021年9月時点でのフリーシンセ状況を見つつ、セレクションを若干見直しています。
全体的に偏り感を減らしています。
パワフル枠
客観的に見てマルチに多機能、かつ実用的と思われるフリーシンセの双璧です。制約らしい制約がないため、ある意味一番扱いが簡単なフリーシンセかもしれません。
Vital (Matt Tytel / Vital Audio)
2020年11月リリースのウェーブテーブル式シンセサイザー。Serumを意識したと思われる機能とUIが特徴で、機能面では業界スタンダードクラスの商用製品(Serum, Massiveなど)と同等と考えていいレベル。GUIに関してはもしかしたらそれらを上回る完成度かもしれません。
プリセットや波形収録数が格段に多い有償版・サブスク版もありますが、無料版でもほぼ機能制限なく使用可能。波形の少なさは、ネットに数多く転がってるSerum用の追加波形を追加することで多少緩和できます。プリセットだけはどうしても付いていないので、無料で使いたいならプリセットに頼らない覚悟と気合が必要。逆にプリセット使わない層にとっては天国みたいなシンセです。
出音はソリッドでドライな部類かな。華やかさやアナログ感は薄いですが、サウンドの解像度の良さはありていに言って「無料とは思えない」。ただCPU負荷だけはちょっと高いです。
Surge (Vember Audio / オープンソース)
2019年11月ごろに無料化・オープンソース化されたウェーブテーブル式シンセサイザー。かつて商用だった時期もありましたが、現在は完全フリー化しました。オープンソースゆえの開発の速さが特徴的で、結果的に00年代設計のシンセに2021年の感性で機能がゴテゴテ盛りつけられた全部乗せ系プラグイン。
プリセットは無駄に大量に収録され、ウェーブテーブル波形はSerum用のものも転用可能なのですばらしくボリューミーなシンセです。ただ私の所見では、シンセ素の出音にしても、プリセットにしても、『時代を感じる』ところが割とあるため、使う上ではこの辺のアンチエイジングが一番の肝になりそうな印象。音がゴツいので、ドラム系の音作りにはVitalよりも多分向いてると思います。
さらにバリエーションが欲しいならこの2つ
Odin 2 (The Wave Warden)
2021-01-20追記: 毒気の無い純粋無垢な音が出るハイブリッドシンセサイザーです。機能的には上記2つと比べると制約が多く、簡単と捉えるか縛りプレイと捉えるかは人によりけりな面がありますが、ともあれ比較的シンプルに音作りを行えるように配慮されていることが特徴。オシレーターユニゾンとフィルターが良い味出してます。邪悪な音はあんま出ませんが、自分のことを善良だと信じるユーザーたちのためにはどこまでも応えてくれると思います。
ModulAir (Full Bucket Music)
パッチケーブルは描画されないものの、立派なアナログモジュラー・セミモジュラーシンセです。しかもポリフォニック。CPU負荷がかなり低いのもポイント。
しかしUIが結構難解なうえ、随所に不親切な部分があることが否めないため、総じて上級者向け、脳内で信号の流れをすべて把握できる人向けのシンセといえます。いばらの道ですが、極めると相当深いと思いますよ。
昔ながらのヴァーチャルアナログ枠
フリーのヴァーチャルアナログにはそこそこ良いものが沢山出回っていますが、そう質感に大きな差があるわけでもないため、すべてを意識的に使い分けるのは正直難しいです。ここで取り上げたプラグインの選定にあたっては、知名度・実用性というよりも、『代用の効かなさ』に力点を置くことにしています。
Synth1 (Daichi)
おなじみ。どこかのサイトで「ヴィンテージプラグイン」などと称されていましたが、まったくその通りだと思います。リリースから18年を経て、いまだに多くの人に使われ続けているソフトウェアというだけで貴重(今普通に使われているVSTiでこれより古いのはWaldorf Attackくらい?)。リリース当時の様子は2chの過去ログとかから窺えたり窺えなかったり。
リリース当時から音が細いシンセと評されていたようですが、それでも独特の明るさを持つサウンドは代用がききません。超絶低負荷なのは言うまでもない。
Tyrell N6 (u-he)
実はこれ使ったことないんですよ。その、正直、u-heのシンセの音があんま好みじゃない……。
製造元のu-heは各所で評価の高いデベロッパーで、Diva、Hive、ReProなど比較的高価だけど定番化したようなソフトシンセをいくつも作ってます。フリーでは珍しく割と生気のある音を出してくれる上、とにかく音の存在感があるので、フリー環境では代用が効かない可能性があります。地味に珍しいSoftSync機能と、内部フィードバック機能付きなのもポイント高め(しかしどちらの機能も結構使い方が難しい)。負荷は若干高めですが、すごく高いわけではありません。
PG-8X (ML-VST)
うーん、これも使ったことないんですが、RolandのDCO時代のアナログシンセJX-8Pの再現らしいんです。実機にどの程度似ているかは知りませんが、PG-8Xのフィルターはレゾナンスを上げたときの応答が極めてスムースなのが特徴です。出音にはとにかく嫌味や癖がなく、ほかのシンセではtoo muchになりそうな場面でも投入しやすそう。いや実際投入しようとしたんですが、たまたまヴェロシティでフィルターを変調しないといけない場面だったもので投入しそびれました。
SyncやRingのおかげで、意外と出せる音の幅は狭くないです……というか普通にJX-8P実機で欲しいんだが。
さらにバリエーションが欲しいなら
OB-Xd (discoDSP)
有名なOB-Xのエミュレーション。各所で高く評価されています。無償なのは非商用目的に使う場合に限るので注意。
TAL NoiseMaker (Togu Audio Line)
これも有名。音自体は良いのだが、絶対これじゃないといけない、という場面があんまりないと思うのが正直なところ。LFO形状を自由に描ける点は大きな個性。
VK-1 (Blamsoft)
MiniMoog Voyegerの再現らしい。アナログ特有の揺れ動くオシレーターや、フィルターの挙動を再現したらしい。しかし重い。しかもモノフォニック。
しかしながら、『いかにもアナログ』な不安定かつ瑞々しい音が出るプラグイン、フリーでは地味に貴重です。扱いづらいせいであんまり起動したことがない……。ある特定の系統の音は、「Moog系」のシンセでないと出しにくいので、そういった使い分けができるのであれば導入するとよいかと思われます。
Fury800 (Full Bucket Music)
いつか使おう使おうと思いつついまだに使う機会が無いやつです。チープでザラついたDCOアナログシンセの音を出してくれます。
これに限らず、Full Bucket Musicさんでは数多くのKorg製品のエミュレーションをリリースしています。どれも音の方向性としては似通っていますが、初期デジタルシンセらしい音のWhispAirや、本格的なMono/Poly再現のMonoFuryなど魅力的なプラグインが満載です。
この枠に入れようか迷っているもの: Helm, OS-251
モダン枠
中の人はモダンな音を作ったことがないのでこのコーナーは完全に想像で書いてます。アナログ感というよりも派手な音の方が出しやすく、今風のサウンドに向いていると思います。
Vital (Matt Tytel / Vital Audio)
本日二回目。というかみんなが求めてるのは結局これでしょ。プリセットが無いこと以外は、無料版でもSerumとかと同等の使い方ができると思います。プリセットが欲しい人は有償版を買うか、あきらめてSynthMaster Oneでも導入するといいと思います(正直Vitalの前だとSynthMaster Oneすら見劣りするかも(主にUI面で……)。出音の好みにあわせて選ぶといいのでは)。
ToneZ (T0N0T0 RMX)
なんとCabbage製。ゆえになんとなく不安定な印象が拭えないんですが、それはそうと出音が意味不明なくらい派手な変態プラグイン。内蔵エフェクターもとんでもなく派手に効く。どちらかというと低音より高音が得意そうなシンセで、サウンドキャラクターがもっともSerumに近いフリーシンセといったら間違いなくこれになると思います。Serum持ってないけど。
ちなみにGUIとか操作性とかについては、辛口目に評すればフリー相応かな~という感じ。機能面ではSylenth1を手本にしたような印象でシンプルだけど実用的。波形が追加できればベストだったのだけど……。
GR-8 (Phuturetone)
シンプルな設計できれいなGUIのVA系シンセ。プリセットが割と全部ちゃんとした音なのが良い。ポリのユニゾンは出来ないのでEDM向けかというと疑問が残るが、どう操作しても良い音に仕上がる優等生キャラ。
T-Force Alpha Plus (Mastrcode Music)
みんな使ってる。少なくともToneZとVitalが登場する何年も前からあるフリーシンセ。でも私は使ったことがない。ゆえにすべては謎に包まれている。
Xhip Synthesizer (aciddose)
VA系だが、豊富なユニゾン機能を活かしたスーパーソー音色が素敵なのでこちらに掲載。アナログ風に攻めるのが常道だろうが、折り返しノイズ出まくりのウェーブシェーパーを駆使してハードコアなサウンドも作れる。操作が難しいので中級者以上向けか
古き良きデジタル枠
どちらかというと玄人好み? マニアック? なシンセたち。比較的珍しい合成方式を取ることが多いです。あえて時代遅れを愛でたいときもある。
Dexed (Digital Suburban)
YAMAHA DX7の忠実なエミュレーション。忠実な、というのは、実機譲りの難解さもそのままということ。ストイックなFMマニアはもちろんのこと、ネット上にクソみたいな数出回っているDX7用プリセットを読み込めるので、普通にFMプレイヤーとしても使えると思います。しかし、こう、何のひねりもないFM音源で思い通りの音を作るのってすっごい難しいんですよね……。
Digits (Extent of the Jam)
何か特定のハードウェアの再現というわけではないらしいのですが、Casio CZシリーズで知られるPD音源をフィーチャーしたシンセ。PDって名前は知ってても、実際どんな音なのかは知らない……という、我々の身近な疑問に応えてくれます。
PD音源ではフィルターの代わりに波形の変形でもって音を丸めるため、フィルターとは一味異なるヌルっとした倍音変化が大変魅力的です。PD音源自体が非常にレアなので、大切に使っていきたいところ。出力音量が異常にデカいことだけは注意。
Cobalt (Sanford)
使ったことないけど有名なので載せときます。私の環境ではGUI開くと落ちるんですが、これはインストールをミスったせいなので素直にインストールしたら普通に安定してると思います。
Exakt Lite (SonicBits)
使いやすさに少し手心が加えられてる方のFMシンセ。VOPMとかは昔からありますけれど、2021年の今、FM音源を学習するならば普通にExakt Liteでアリなんじゃないかなと思います。機会が無くて使ったことはないのだけど。
Lynx (xenobioz)
今回のSynthEdit枠。2015年生まれの比較的新しいシンセで、手書き波形にPDがかけられるという変態仕様。やたらめったら収録プリセットが多いのも特徴的。まあ、あえて取り上げるほどのものでもないのかもしれないんですが、なんとなく印象に残ってるので。
異常枠
これこそがフリーシンセ界のうまみだと思います。変わった音が出るプラグインシンセはもちろん商用ソフトやその簡易版においても数多いですが、中には非商用、趣味の領域だからこそできる尖ったプラグインもあり、百花繚乱といったところ。
Tunefish4 (Brain Control)
こいつは出てくる音自体は至極まともですが、合成方式が加算合成式という時点で怪しいにおいがするシンセです。グロウルベースに使われていることもあります、が、個人的には高音の方が個性的で綺麗な音が出ると思います。後段にリミッターを挿すと割とEDMっぽい音にもなる。
一見シンプルそうですし、作れる音の幅自体は広くありませんが、もしかしたらTunefish4以外では出せない独特の空気感があるんじゃない?と思うのでこの枠に。リバーブを2重に掛けて金属感を出す裏技も面白い。有名なプラグインですが、私としてはまごうことなき超個性派で、もちろん実用的でもあるという、やはり有名なだけあるな~という感じの一品です。
Lith (Soda Devices)
こいつは普通に使えば普通に実力派なんですが、「あり得ないくらい音質を低く設定できる」および「ランダマイズボタンを押すと一瞬で意味不明な音が出せる」の二点をもって個性派判決を下させていただきました。いい加減な使い方してごめんなさい。
素の出音自体がしっとり系で良い感じだと思いますし、サブオシレーターを使ってFMなどできるため結構音作りの幅は広いと思われます。CPU負荷の高さ、GUIの小ささだけが難点か。もっと軽かったら沢山使ってたと思うのに。
Pendulate (Eventide / Newfangled Audio)
まったく、『二重振り子オシレーター』なんて文字列をタイプする日が来るとは思いませんでしたよ。しかもフィルターの代わりにローパスゲートが付いてるし、その前にはウェーブフォルダーが設置されているし、もうめちゃくちゃです。
自由なルーティングオプションも相まって、適当に触って深夜の寂しさを紛らわすには最適なシンセです。Eventideブランドということもありソフトウェアとしての品質は一流のものだと思いますが、しかしながらこれを一体どこに使えばいいのか、未だ私の中での結論は出ておりません。リバーブがよく合います。
Seismic (Syntonica)
このプラグインを紹介するためにこの番付を作ったといっても過言ではありません。もう悪夢のように難解なソフトシンセです。うん、良い意味で。
構造的にはモジュラーなのですが、オシレーターもフィルターもエンベロープも存在せず、ただ"Node"と呼ばれる2つの入力、1つの出力、2つのコントロールを持つ箱が15個並んでいるだけです。Nodeには様々な入力モードと出力モードが用意され、オシレーターやエンベロープはそれらの組み合わせによって『再発明』されます。そもそもGUIが不親切なのでマニュアルを読まないと何もできませんし、マニュアルを読んだところでNodeとNodeを組み合わせまくる脳トレみたいなパッチングが待ってるわけです。もうこの世の終わりです。
あまりの難解さゆえか日本でのユーザーはかなり少ないシンセだと思うのですが、とにかく変調オプションが豊富なので、うまく使えばトリッキーな倍音を奏でることができるようです。オシレーターはエイリアスするので高音には向かず、変態ベースやドローン、グリッチ調のパッドなどに適しているような気がします。ディストーションがよく合います。……なので誰か私の代わりにプリセットを組んでください。お願いします。
Harsh Digital Nose (Insert Piz Here)
ネタ枠。音の傾向的にはSeismicに近い、ノイズと楽音の中間みたいな音しか出せないシンセ。とにかくペイントソフト状のUIが衝撃的で、出てくる音もまた衝撃的。そのうちモジュレーション機能を強化したりマイクロチューニング対応したりした上位版が出ないか出ないかと待ってるのですが、たぶんもう開発停止されてます。残念。尋常じゃない方法で、尋常じゃない音を出したいあなたに是非おすすめしたい。是非。
一発ネタ枠
出せる音の幅は狭いけれど、そういう制約があるから面白い、という専門バカの世界。
Dolphin Bassline (Signaldust)
シンプルにTB-303の音が出ます。シーケンサーはついていません。作者本人が「似てない」と謙遜する割には似ています。用途はそのまんま、303が欲しいとき用。
JuceOPLVSTi (Plainweave Software)
昔のPCとかアーケードゲームとかに搭載されていたFM音源の再現。ADSRのパラメーターが逆方向に効くので注意(一番下が最大)。ちなみにSynth1よりもCPU負荷が小さい超軽量級シンセでもあって、これ以上軽いVSTiをちょっと私は知りません、ので、制作中の仮音源としても使えるんじゃないでしょうか。
LightPadSynth
加算合成に近いことをやってるらしいシンセ。ほかでは見ない独自パラメーターが多いため初見難解に見えますが、構造自体はシンプルです。動きのある音は苦手とする反面、ベル系の音色の透明感・立体感においては他を寄せ付けないのでは?
モジュラー枠
モジュラーと書いて沼と読む。基本モノフォニックの世界ですがエフェクターとしても使えるので使い方はあなた次第、なのか?
Reaktor 6 Player (Native Instruments)
よく自分の中で忘れられがちなのですが、Reaktor 6 PlayerにはReaktor Blocks Baseというモジュラーシンセが付属します。これが地味に、完全無料かつVST対応のモジュラーシンセの中で最も本格的な可能性が濃厚なのでここで紹介しておきます。あんま難しいことはできませんが、ステレオタイプなモジュラーサウンドは一通り得られますよ。音質もさすがのNative Instrumentsクオリティですが、Reaktor共通の弱点としてやたら操作の手数が多くトリッキーなので色々面倒です。
ちなみにReaktor Playerにはほかにも多くのミニシンセが付属しますが、こればかりは人によって合う・合わないがあると思うので何ともです。TRK-01 BASSはまあ使えると思います。
VeeSeeVSTRack (bsp804)
無償かつオープンソースのモジュラー環境として有名?なVCV Rackの派生版で、非公式でVST対応させたもの。普通にDAW上でシンセまたはエフェクトとして読み込める。ただしMac非対応、なはず。
VCV RackそのものではないのでサードパーティのVCV Rack拡張アドオン類は一切読み込めませんが、その代わり900個近い無償モジュール類が同梱されているため、さすがに飽きることはないと思います。……90個ではありません。900個です。逆に多すぎて困る。
一応VCV Rack公式から$99でVST版が販売されています。かなり競合していますが、こちらはVeeSeeVSTRackと異なり、拡張アドオンが読み込める、ポリフォニックである、サポートが受けられるなどという点で差別化しています。そもそもVeeSeeVSTRack自体が数年前のベータ版から派生したプロジェクトなので、当然公式VSTの方が機能は多いですし、これから追加されもするでしょう。とはいえ(ポリフォニック非対応なのは痛いですが)十分すぎるほど制作にも遊びにも使えるプラグインだと思います。音質も相当良い部類かと思いますが、CPU的には結構重いです。さすがに。あと音作りがしんどい。
※VeeSeeVSTRackにおいてもMIDI-4モジュールを使うと疑似的にポリフォニーで弾けますが、ボイス分だけモジュールを用意する必要があります。
2022年11月追記: 今完全無料でモジュラーシンセやるならVeeSeeVSTRackよりもCardinalがおすすめです。機能的に大体同じかそれ以上な上にポリフォニック対応ですので。ただしDAWや環境によって相性問題がある模様ではある
Q. 22+7種類も使い分けられないよ!
A. プリセット使わないならVital一個で大体のことは出来ると思いますよ。Vital一個で本一冊書けるくらい奥が深いです。プリセットが欲しい場合はSynth1、Surge、GR-8の導入も視野に。Vitalにも無料の追加プリセットが多少あるようです。
……ちなみに「高品質なプリセットが沢山付いていいて」、かつ「機能制限がないシンセ」をお求めであれば、正直フリーには期待しない方がよいです。
Q. じゃあお前はシンセに金払う意味って何だと思う?
A. 経験の浅い身で言うのもアレですが、商用シンセは「後処理無しでも音が安っぽくならない」「プリセットの分量が多く、高確率で良質」「出音のキャラが濃い(良い意味で)」の3点において、フリーを凌駕しているように思います。
CDやクラブで聴ける「あの音」が出したいのならば、商用シンセ(それも有名な奴)を買うのが圧倒的に早いと思っています。ちなみに私はSynthMasterだけセールで買ってお茶を濁しました。
Q. これ半分くらいネタで書いてない?
A. ぶっちゃけVital, Surge, Synth1, Tyrell N6, ToneZ, Dexed以外全部ネタ枠です。まともなリコメンド記事はMusicRadarさんとかBedroom Producers Blogさんとかが書いてるのでそっち読んでください。
Q. 逆にネタ枠フリーシンセをもっと教えてほしい
A.たとえば使う音源をこれらだけに縛って曲を作るというのも面白いかもしれません。
Autogun
Image Lineの贈る、言わずと知れたランダム専用シンセ。実用になるかどうかギリギリの線。
CollidingCombSynth
バイオリンを習って15分未満の人のみで構成された弦楽四重奏のような音しか出ないシンセ。時々とんでもない音量を出力するのでリミッター必須。ホラー映画の効果音だけには使えそう。
WaveCymbal
調理器具を木べらで擦ったときの音しか出ないシンセ。用途不明。
Noisetar
ノイズ専用シンセ。割と多様なノイズが出てくるため実用の余地がある。
Little Spiral Generator
めちゃくちゃなステレオ感の変態サウンドを出力する超個性派。変なベースやドローンなどに。
The Scrooo
フォルマント合成とかいう不思議な技術を使い、ものすごく安っぽい音を出せるシンセ。安っぽい音のために新たな合成方式を学ぶモチベーションのある方向け。
Diodow
基本は減算式シンセだが、UIが細かいうえ独特のコントロールが並ぶ玄人向けの一品。見た目によらず、きめが細かく高級感ある音。
Voc
人間の声のような、声じゃないような、「ンアェ~」という音を出すだけのシンセ。使いどころ不明。
SFX8
レトロゲーム風の効果音作成に特化したドラムシンセ。音楽にお手軽にチップチューンの風味を加えられるし、なんなら普通にゲーム制作目的で使ってもいい気がする。これは本当に使えるのでおすすめ。
RePro(Alpha)
アナログモデリングの最高峰としても知られるu-he ReProですが、実は試作機を無料で配布していた時期がありました。表向きではもう配布していないが、某所で検索するとまだダウンロード可能かもしれません(2020年時点の情報ですが)。無料だがロイヤリティーフリーかどうかは怪しいので利用規約をよく確認のこと。ちなみになぜ無料なのかはインストールして音を出して、DAWのCPUモニターを見れば大方察しが付くと思います。
ほかにもまああると思いますが、有名な奴は探せば出てくると思うので適当に探していただければと思います。
何を使うか迷ったときはこちら!
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