
ババーン うそだろ、これがあのSynthMaster、なのか……?!
はい。出ましたね。数年ぶりに会った高校同期が髪染めてた並みの衝撃です。
2020-12-24追記: 2.9.9正式版、ついに出ました。まだインストールはしてませんが、いくつかのバグなどが潰されているようです。
2021-01-23追記: 2.9.9の追加アプデが来ています。エンベロープの"Lag"パラメータ(スムージングのことかな?)の追加、エンベロープがモノフォニックで動かせるようになったほか、バグの修正およびスキンの微調整がなされています。
-------------------以下古い情報-------------------
いやー長かったです。別にKV331 AudioさんをDisるつもりはないですが、実際2.9.9のリリースはめちゃくちゃ延期されてます。おそらくこれが2007年以来続いてきたSynthMaster2.x最後のアップデートになるので、気合が入ったというか、中途半端な状態でリリースするわけにはいかなかったのかもしれません(KV331運営は些細なバグを放置する傾向にあるため)。さすがに2年近く間が空いただけあって、アップデート自体は大規模なものです。
つい最近Vitalという"ほぼフリーシンセ"(無料版には音色数に制限がある)がリリースされ、私なんかはそのGUIの出来の良さに軽く衝撃を受けつつ「それに比べてSynthMasterは……」などと一人嘆息していたものですが、折しも今回のSynthMasterのアプデは主にGUI面での改善が目立つ内容です。以下、公式からのメールアナウンスを翻訳しつつ紹介してみます。
1. スキンが追加された
新たにダークブラウン基調のスキンが追加されました。SynthMasterらしからぬフラットなデザインです。個人的にSynthMasterには寒色の方が似合うと思っているので見てるとだんだん腹が立ってくるのですが、好きな方は好きでしょうから是非。もう陰キャGUIとは呼ばせません。
2. 画面下部に鍵盤を表示させられるようになった
これ地味に大きいんです。特に私のようなMIDIキーボードを常用しない層にとって、マウスだけで音が鳴らせるというのは非常に省力化に貢献します。
もちろんやる気にも関係してくる部分。「楽器を触ってる感」って重要だと思うんですよ。もちろんベロシティ対応。……ところで鍵盤のレンジってどこで変更できるんです……?
3. GUI各部がリアルタイムにアニメーションするようになった
ぶっちゃけこれが一番驚きました。お前誰だと。長らくアニメーションとは無縁だったSynthMasterのGUIですが、ここで一転、めちゃくちゃ動くようになりました。賛否両論あるでしょうが、やっぱり脳に入る視覚情報が多い方が音作りは早く進むと思いますね。もちろん「アニメーションは邪道」と考える硬派なファンのために、アニメーションを切る機能もしっかり用意されてます。
4. マイクロチューニング用スケールが付属するようになった。スケールのルートノートを設定できるようになった
実は割と前からSynthMaster Oneに搭載されていた要素。スケールのルートノートに関しては、むしろ今まで設定できなかった方がおかしいです(非平均律チューニングにおいてはほぼ必須の機能)。微分音マニア以外の方のためにも、たとえば教会旋法が読み込めたりするのでスケールを意識する必要がなくなり便利だと思います。
Analog Synthフォルダには、アナログ特有のピッチ狂いを再現した調律も収録されています。ナイスアイデアですが、SynthMaster自体の出音を考えると使ったところで「アナログっぽさ」が出るかは怪しいような……
5. MIDIラーンがすべてのコントロールに適用可能になった
MIDIラーンは使ったことがないのでよくわかりません
6. MSEGの操作性が改善された
以前のMSEGはそれなりに忍耐を要する操作性だったように記憶している(それゆえあまり使っておらず、記憶が薄い)ので、それが改善されたのは良いことじゃないかと思います。しかし実際使ってみるとノード追加を誤爆しまくったので、やっぱ慣れだと思います。ちなみにさりげなくMSEGの搭載数が4個に増やされています。
7. Global LFOとVoice LFOが統合された
地味に大きい点。後方互換性確保が面倒だっただろうなという案件です。Global LFO自体は無くなってしまいましたが、以前のGlobal LFOの効果を得るためには、LFOのトリガー設定を"Global"と指定すればよい、とのことです。
またこれに伴い、GUIにあったLFO専門ページが無くなっています。ところで以前はLayer1のLFOでLayer2を変調って出来てたんでしたっけ? 今のところ、モジュレーションマトリックスから直接選ぶことで、このような変調ができるようです(なぜかマクロ"を"変調先に選ぶことさえできる)。
8. 一方、ステップ波形のLFOはシーケンサーという新ジャンルに分離された
無駄に4つついています。摩訶不思議なポリリズムを組みたいとき用でしょうか?
9. 同種のエフェクターを複数かけられるようになった
5つあるスロットすべてディストーションでもOKです。多分。この辺もSynthMaster Oneからの導入な気がします。
これに伴ってなのか、レイヤーFXの編集はFXページからのみ可能になりました。以前のようにシンセとエフェクターが一体に扱われてるUIも好きだったのですが、エフェクトの別ページ化は最近の流行かなんかなんでしょうか。
10. プリセットブラウザまわりの改善
プリセットのタグをNKS仕様に揃えたとか、プリセットのお気に入りをより素早く設定できるようにしたりとかです。ほか、ユーザーが自作パッチを共有できるシステムを整えたらしいのですが、どこにあるのかよくわかりません。
そのほか、おそらくSynthMaster Oneに収録されていた一部のWaveTableが追加で収録されるようになっていたり、LFOページが廃止されて空いたスペースにちゃっかりShopが開店していたりします(セール中ならセール価格、Academic版の場合はちゃんとAcademic価格で表示される。価格を表示する以上の機能はない)。
また、後方互換性にかかわりそうな変更点として、「デフォルトの基本波形の変更(SynthMaster Oneに近いものになった)」「Distortioinエフェクトの機能削減」があります。この辺の仕様は正式リリース時どうなるかわかりません。
また、以下の致命的なバグが修正されているそうです(もっと早く修正してほしかった気もしますが……)。
a. 新しいサンプルを読み込んだ際、古いサンプルに使っていたメモリを破棄していなかった
b. ノートオン中に波形を切り替えた際、音が鳴りっぱなしになることがあった
c. 特定の状況でサンプル・波形インポートが正常に動作していなかった
d. SFZ/WAVに設定されたループポイントの解釈が誤っていた
現環境において、私が2.9.9Beta(スタンドアロン)にて確認している不具合は以下の通りです。一部の不具合は環境依存かもしれません。
a. アルペジエーターをONからOFFにした際、OFFの挙動がRECモードと変わらない(アルペジエーターにMIDI入力が録音される状態になる)
b. エフェクターのオンオフまわりに不具合が多い気がする。コンプレッサーがまったく音を出力しなくなるなど
c. MSEGを高速で(500Hz以上?)ループさせると落ちる。モジュラーシンセの魂はいずこ。
d. 一部プリセットにて、ウェーブテーブルが読み込まれない
e. DistortionエフェクターのBias機能削減は仕様?
f. マイクロチューニングまわりの挙動が不審な気がする
とくにaとdは致命的だと思うので、正式リリースの折には是非とも改善しといてほしいところですね。
SynthMaster2.9.9、一応3.0リリース前最後のメジャーアップデートということにされているので、次はいよいよ大台の3.0、となるはずなんですが……まもなく延期が2年目に突入しようとしております。現在のリリース予報は2021年第二四半期らしい、が、断言はしていない。もうだめだ。終わりだ。
SynthMaster3.0は、従来のSynthMasterおよびSynthMaster Oneのパッチに両対応しており、既存のSynthMasterユーザーは$29にてアップグレードできるようです。多分この後方互換性こそが3.0の開発を難しくしているんだと思うんですけど、「そんなもん切り捨てちゃえよ」とは到底言えないほどSynthMaster2.xがビッグになってしまい。ところでDistortionのBias機能は切り捨てられた側なんでしょうか……???
追伸: 大丈夫、見た目は変わりましたが、出音はおなじみSynthMasterのままですよ
個人的には良アプデです。GUIの地味さはSynthMaster最大の惜しさだったので。
SynthMas……いや……? お前誰……??? pic.twitter.com/uBiujNTYm9
— RykSeb@硫化西部 (@RykSeb) November 27, 2020
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