何の責任感もないメモ記事です。レビューと名の付くものが書けるほど詳しくはないんです。どうして素人の私がこういう記事を堂々と公開できるかというと、「たとえ無知な群衆の意見であっても大勢の平均をとればまあまあ正しい」という幾分好都合な個人的信条のおかげです。あともう試用期間切れてるんで記憶だけを頼りに書きます。
1. TRIADとは何? 何ができるの?
TRIADはマルチバンド・マルチエフェクターです。信号を3バンドに分割し、各帯域において個別に適当なエフェクトをかけることができます。モジュレーションも好きなだけかけられます。競合はKiloHeartsのMultipassあたりだと思いますが、セールなどを勘案するとTRIADのほうがかなり安いです。
2. バンドスプリッターについて
TRIADはマルチバンド構造ですが、逆にシングルバンドとして動作させることはできません。シングルバンドはBYOMEの領分、早い話が別売りです。その代わり、マルチバンド動作モードは複数選ぶことができ、M/S処理や3チャンネル並列処理などもできます。当然ながら、若干重くなることを許容するならば事実上シングルバンドとして動かすこと自体はできます。
TRIADのバンドスプリッターには、各バンドの分割位置を「音量バランスが等しくなるようにダイナミックに変動させる」という変わった機能が付いています。「で?」と言ってしまえばそれまでですが、まあ面白そうではあるので有るに越したことはないんじゃないでしょうか。くだらないと思えばくだらない、面白いと思えば面白い。人生も同じです。
3. 各エフェクターモジュールについて
TRIADには大量のエフェクターが内蔵されています。しょぼいのもありますが、普通に単品で製品になりうるようなものもあります。要するにUnfiltered Audio各製品のつまみ食いですね。ちょっと高級な弁当を食べてるみたいな気分になります。
4. ディレイモジュールについて
Glitch ShifterとInstant Delay、Pitch Delayなどと魅力的なものが出そろっています。特にInstant DelayはWet100%にしてタイムストレッチ風エフェクトにしてもいいですし、Jitterを調整すると空間を大きく広げることもできると万能。殆どそっくりそのまま単品で売られています。Stutterも入っているのが地味にうれしい。
5. ディストーションモジュールについて
ここに関してもボリュームは豊富で、Dent 2がほぼそのまま入っているだけでなく、ChebyshevやContrastのような嬉しい追加もあります。Saturationが8つもアルゴリズムがある割にどれもあまり差がないのはご愛敬。残念ながらオーバーサンプリング機能は無いようで(Dent 2にはある)、マルチバンド構造を活かして高音域には歪み系を置かないなどの工夫が求められることになりそうです。
6. ダイナミクスモジュールについて
TRIADのすごいところは、マルチバンドコンプとしての用途「程度」じゃ全然ポテンシャルを活かしきれないところですね。とはいえ、巨大なマルチエフェクトチェーンの中にコンプとゲートがあるのと無いのとでは大違いです。一応ZipとG8からつまみ食いする形になっているようで。
7. フィルターモジュールについて
普通のフィルターです。Combフィルターもあります。複数のコムフィルターを並べたレゾネーターバンクなるモジュールも用意されてますが、MIDI信号を受け取らないので楽器としては使えません。その辺はTRIAD・BYOMEのシンセ版であるLIONのレゾネーターバンクのほうが可能性を感じますね。
8. グラニュラーモジュールについて
割とちゃんとしたグラニュラーエフェクトがかけられます。Pitch Shiftはグラニュラーに基づいた比較的原始的なものなので、自然な処理には向きません。
9. ミキシングモジュールについて
ごく普通のツール類がそろっていますが、ステレオイメージャーに8種類もの異なるアルゴリズムが揃っている点は着目に値します。
10. モジュレーションモジュールについて
モジュレーターとは別です。コーラス、フェイザーなど。なんとなくMeldaのフリーエフェクトバンドルとラインナップが似ている気がします。
11. リバーブモジュールについて
ここまで見出し番号が大きくなったことに我ながら驚きを隠せないでいます。3種のリバーブと1種のディフューズです。Deep Reverbは超ロングリバーブに対応、Lo-fi Reverbは昔ながらのデジタルリバーブで、Renoun Reverbはなんかのエミュレーションらしいです。どれも生音向けではありませんが、地味に好きな質感です。
12. 各種モジュレーターについて
今まで取り上げたエフェクターモジュールと、バンドスプリッターの各項目、さらにはモジュレーター自体のパラメータも、すべてモジュレーターにより好きなだけ変調できます。TRIAD一番の売りですね。Unfiltered Audioのモジュレーションシステムは、それをメーカー独自の個性としているだけあって、明快で使いやすく、自由度も高いと思います。Meldaほど万能ではありませんが、Meldaより三倍速くモジュレーターをセットできます。誇張なしで。
TRIADのモジュレーターにはADSRやコンパレータのような高度なものや、ZIPから持ってきたSpectral Followerのような革新的ななものなど、割とどんなものでもあります。コンプレッサーの各項目をInput Followerで変調するとコンプの性格を大きく変えられるので楽しいですし、リバーブをダッキングさせるテクニックも簡単です。
13. 負荷・安定性について
CPU効率はそこそこです。やってることの割には軽いと思いますが、例えばマルチバンドコンプ一個だと考えるにしても重いです。全トラックに挿すのは厳しい。
安定性に関して、私の環境(Waveform 11)ではGUIのサイズに関する小さな不具合があります。また、私の環境ではレイテンシーを一切DAWに報告しないという致命的な相性問題が確認されました。理論上対処が不可能というわけではありませんが、さすがに購入する気は失せました。
14. 見た目について
Unfiltered Audioは個人的にデザインセンスの絶妙さに定評があります。あのアナライザーの動きとか、よく見たらなんてことないですけれど、なんとなく眺めていて楽しくなりますね。実際に使いやすいかどうかは正直なんともです。
15. 思いついたレシピ
・ゲートリバーブ
・マルチバンドディレイ(このためだけに単品プラグインを買う気にはならないので)
・EDMでよくあるダッキングするリバーブ
・リバーブのテールにモジュレーション系エフェクターをかけるやつ
・マルチバンドコンプ+サチュレーション
・ビットクラッシャーの圧縮効果を利用した変なマルチバンドコンプ
・色々凝ってるステレオエンハンサー
・Instant Delayを使ったグリッチエフェクト
・その他ワンノブ系エフェクトの模倣
モジュレーターやM/S処理が揃っているため、割と強引なステレオ感演出が得意そうではあります。こういう系ってあんまり大量のエフェクトを繋ぐとみんな似たような音になるので、どういう目的でTRIADを使っているのか、ある程度意識しておく必要がありそうですね。
16. 個人的に惜しいところ
・MIDI入力ほしい
・歪み系のオーバーサンプリングほしい
・欲を言えば、インプットフォロワーの入力元をプレエフェクト・ポストエフェクトで選べるようにしてほしい
・もっと欲を言えば、CV信号とオーディオ信号の区別をなくしてほしい
うーん。MIDI入力以外はコスト(CPU負荷や開発リソース)に見合わなさそうではある。でもMIDI入力はほしいなあ。
17. まとめ
ちょっと一目で見渡すのが難しいくらい多彩な製品です。市場に出回っている殆どのマルチエフェクターは、機能的にはTRIADの下位互換でしかないようにも思えます。この通り何でもできますが、何かに特化しているわけでもありませんし、(取り回しやすさ・追い込み性能の点で)個別のプラグインの代替にはなりません。
セール時にはこの手のプラグインで(私の知る限りでは)随一の安さを誇ります。私も相性問題さえなければ手が滑って購入していたかもしれません。
1. TRIADとは何? 何ができるの?
TRIADはマルチバンド・マルチエフェクターです。信号を3バンドに分割し、各帯域において個別に適当なエフェクトをかけることができます。モジュレーションも好きなだけかけられます。競合はKiloHeartsのMultipassあたりだと思いますが、セールなどを勘案するとTRIADのほうがかなり安いです。
2. バンドスプリッターについて
TRIADはマルチバンド構造ですが、逆にシングルバンドとして動作させることはできません。シングルバンドはBYOMEの領分、早い話が別売りです。その代わり、マルチバンド動作モードは複数選ぶことができ、M/S処理や3チャンネル並列処理などもできます。当然ながら、若干重くなることを許容するならば事実上シングルバンドとして動かすこと自体はできます。
TRIADのバンドスプリッターには、各バンドの分割位置を「音量バランスが等しくなるようにダイナミックに変動させる」という変わった機能が付いています。「で?」と言ってしまえばそれまでですが、まあ面白そうではあるので有るに越したことはないんじゃないでしょうか。くだらないと思えばくだらない、面白いと思えば面白い。
3. 各エフェクターモジュールについて
TRIADには大量のエフェクターが内蔵されています。しょぼいのもありますが、普通に単品で製品になりうるようなものもあります。要するにUnfiltered Audio各製品のつまみ食いですね。ちょっと高級な弁当を食べてるみたいな気分になります。
4. ディレイモジュールについて
Glitch ShifterとInstant Delay、Pitch Delayなどと魅力的なものが出そろっています。特にInstant DelayはWet100%にしてタイムストレッチ風エフェクトにしてもいいですし、Jitterを調整すると空間を大きく広げることもできると万能。殆どそっくりそのまま単品で売られています。Stutterも入っているのが地味にうれしい。
5. ディストーションモジュールについて
ここに関してもボリュームは豊富で、Dent 2がほぼそのまま入っているだけでなく、ChebyshevやContrastのような嬉しい追加もあります。Saturationが8つもアルゴリズムがある割にどれもあまり差がないのはご愛敬。残念ながらオーバーサンプリング機能は無いようで(Dent 2にはある)、マルチバンド構造を活かして高音域には歪み系を置かないなどの工夫が求められることになりそうです。
6. ダイナミクスモジュールについて
TRIADのすごいところは、マルチバンドコンプとしての用途「程度」じゃ全然ポテンシャルを活かしきれないところですね。とはいえ、巨大なマルチエフェクトチェーンの中にコンプとゲートがあるのと無いのとでは大違いです。一応ZipとG8からつまみ食いする形になっているようで。
7. フィルターモジュールについて
普通のフィルターです。Combフィルターもあります。複数のコムフィルターを並べたレゾネーターバンクなるモジュールも用意されてますが、MIDI信号を受け取らないので楽器としては使えません。その辺はTRIAD・BYOMEのシンセ版であるLIONのレゾネーターバンクのほうが可能性を感じますね。
8. グラニュラーモジュールについて
割とちゃんとしたグラニュラーエフェクトがかけられます。Pitch Shiftはグラニュラーに基づいた比較的原始的なものなので、自然な処理には向きません。
9. ミキシングモジュールについて
ごく普通のツール類がそろっていますが、ステレオイメージャーに8種類もの異なるアルゴリズムが揃っている点は着目に値します。
10. モジュレーションモジュールについて
モジュレーターとは別です。コーラス、フェイザーなど。なんとなくMeldaのフリーエフェクトバンドルとラインナップが似ている気がします。
11. リバーブモジュールについて
ここまで見出し番号が大きくなったことに我ながら驚きを隠せないでいます。3種のリバーブと1種のディフューズです。Deep Reverbは超ロングリバーブに対応、Lo-fi Reverbは昔ながらのデジタルリバーブで、Renoun Reverbはなんかのエミュレーションらしいです。どれも生音向けではありませんが、地味に好きな質感です。
12. 各種モジュレーターについて
今まで取り上げたエフェクターモジュールと、バンドスプリッターの各項目、さらにはモジュレーター自体のパラメータも、すべてモジュレーターにより好きなだけ変調できます。TRIAD一番の売りですね。Unfiltered Audioのモジュレーションシステムは、それをメーカー独自の個性としているだけあって、明快で使いやすく、自由度も高いと思います。Meldaほど万能ではありませんが、Meldaより三倍速くモジュレーターをセットできます。誇張なしで。
TRIADのモジュレーターにはADSRやコンパレータのような高度なものや、ZIPから持ってきたSpectral Followerのような革新的ななものなど、割とどんなものでもあります。コンプレッサーの各項目をInput Followerで変調するとコンプの性格を大きく変えられるので楽しいですし、リバーブをダッキングさせるテクニックも簡単です。
13. 負荷・安定性について
CPU効率はそこそこです。やってることの割には軽いと思いますが、例えばマルチバンドコンプ一個だと考えるにしても重いです。全トラックに挿すのは厳しい。
安定性に関して、私の環境(Waveform 11)ではGUIのサイズに関する小さな不具合があります。また、私の環境ではレイテンシーを一切DAWに報告しないという致命的な相性問題が確認されました。理論上対処が不可能というわけではありませんが、さすがに購入する気は失せました。
14. 見た目について
Unfiltered Audioは個人的にデザインセンスの絶妙さに定評があります。あのアナライザーの動きとか、よく見たらなんてことないですけれど、なんとなく眺めていて楽しくなりますね。実際に使いやすいかどうかは正直なんともです。
15. 思いついたレシピ
・ゲートリバーブ
・マルチバンドディレイ(このためだけに単品プラグインを買う気にはならないので)
・EDMでよくあるダッキングするリバーブ
・リバーブのテールにモジュレーション系エフェクターをかけるやつ
・マルチバンドコンプ+サチュレーション
・ビットクラッシャーの圧縮効果を利用した変なマルチバンドコンプ
・色々凝ってるステレオエンハンサー
・Instant Delayを使ったグリッチエフェクト
・その他ワンノブ系エフェクトの模倣
モジュレーターやM/S処理が揃っているため、割と強引なステレオ感演出が得意そうではあります。こういう系ってあんまり大量のエフェクトを繋ぐとみんな似たような音になるので、どういう目的でTRIADを使っているのか、ある程度意識しておく必要がありそうですね。
16. 個人的に惜しいところ
・MIDI入力ほしい
・歪み系のオーバーサンプリングほしい
・欲を言えば、インプットフォロワーの入力元をプレエフェクト・ポストエフェクトで選べるようにしてほしい
・もっと欲を言えば、CV信号とオーディオ信号の区別をなくしてほしい
うーん。MIDI入力以外はコスト(CPU負荷や開発リソース)に見合わなさそうではある。でもMIDI入力はほしいなあ。
17. まとめ
ちょっと一目で見渡すのが難しいくらい多彩な製品です。市場に出回っている殆どのマルチエフェクターは、機能的にはTRIADの下位互換でしかないようにも思えます。この通り何でもできますが、何かに特化しているわけでもありませんし、(取り回しやすさ・追い込み性能の点で)個別のプラグインの代替にはなりません。
セール時にはこの手のプラグインで(私の知る限りでは)随一の安さを誇ります。私も相性問題さえなければ手が滑って購入していたかもしれません。
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