コスパソフトシンセという言葉、なんと3つの略語をそのまま複合語にしてしまったというすごい言葉です。略さず言えば、コストパフォーマンス・ソフトウェア・シンセサイザーですね。デュフフw 英語ではbang for the buckというらしい。う~ん博識ですなw
以下、思考のメモとしてなーんも考えずに書いた記事なので全然あてにしないでください。
注意
・ここでの『良コスパ』にはセールによる値引きも考慮されます
・サンプルベースのシンセサイザーは含みません
・私が持ってないプラグインも含まれています
・プラグイン名に下線が引かれてるやつは、私が見ず知らずの他人に面と向かっておすすめできるやつです。bx_oberhausenは教えたくない
・経験上、安いものには安いなりの理由があると思います。高いものに高いなりの理由があるとは限りませんが。
・DTMソフトは、多少割高でも「業界標準を使う価値」がある世界だと感じます。
ACE (u-he)
69ユーロ。セールはごく稀。持ってない。
セミモジュラー・ヴァーチャルアナログシンセサイザーで、機能的には平凡だがルーティングは非常に柔軟。オーディオ信号とコントロール信号は区別されない。u-heらしくフィルターの質感が素晴らしく、独特の密度感ある出音。マイクロチューニング対応。
欠点はやや重いこと、機能の割に若干高いこと。私の制作に取り入れる場所が思い当たらなかったのでスルー。
bx_oberhausen (Plugin Alliance)
定価249ドル。しかしセール時には、バウチャー併用で30ドル以下になることがある。持ってる(最安では買えなかった)。
Oberheim SEMの再現。この価格帯(30ドル以下)で「忠実なアナログエミュレーション」を名乗っていいのはこいつくらいでしょう。定価だと正直厳しいけれど、セール価格が30ドル切るのは明らかに割安。アナログの良さ、太さを見事に再現しつつ、決して押しつけがましくならないサウンドチューニングはまさに匠の技(だと思う)。個人的にSylenth1、Massiveと並びソフトシンセの出音で最も好みなんですよね。でもなぜか知名度低いんだよね。なんでだろうね。おかしいな~。
欠点はやたらめったら重いこと、フィルターやエンベロープの特性的に呑気な音ばかり出ること、年4回のセール以外ではやたら高い定価で売られていること。
実際使ってみると「呑気な音ばかり出る」というのが意外と制約だったので意識したほうがいいかも。
Codex (Waves)
定価199ドル。よく29ドル、そうでなくても49ドルくらいで売っている。持ってない。
EDMにフォーカスしたウェーブテーブルシンセ。ウェーブテーブルスキャンの仕方あたりにグラニュラーの要素を取り入れているとかなんとか。機能的には至ってベーシックだが、さすがにWavesなのでプリセットはツボを押さえていると思う。デモを試していないのでCPU負荷はわからないが、軽いわけでもなさそうだ。
欠点はWaves製なので同時に1台のマシンにしかインストールできず、メジャーアップデートが有償なこと。これ自体は悪くない製品だとは思うが、他社製品と比べて突出した強みに乏しいため、中途半端とみなされがちな印象がある(特にKVRで)。
DS Audio Thorn (Plugin Alliance)
定価199ドル。バウチャー併用で20~30ドルになるセールが年4回くらいある。持ってない。
立派に一線で戦えるEDMシンセ。素の出音が非常に現代的で奥行きがあり、それでいてやたらセール価格が安い。確かに普通に鋸波ベースを作ろうとするとボケた音しか出なかったりと尖ったところはあるけれど、独特の音作りアプローチに慣れていけば本格EDMサウンドを量産できるはず。普通のシンセで出せる音『以外』を担当させると強いんじゃないかな。知らんけど。
欠点は少し重いこと、ディストーションがヤケクソみたいな歪み方をすること、セール時以外は高いこと。いつか買いたい。
Elements 2 (Waves)
定価119ドル。よく29ドル、そうでなくても49ドルで売っている。持ってる。Codexの兄弟機のような位置づけで、UIもそっくり。
ヴァーチャルアナログシンセで、Wavesらしいスタンダードな音ながらも、本物のアナログのような重厚な質感、存在感も兼ね備えている。エンベロープが割とスピーディなのでEDMシーンでも役割を持てると思う。同梱プリセットは質・量ともに良く即戦力。平凡ゆえにあまり注目されないが、平凡ゆえに優秀。
……もしかしたらこれの最大の長所は、Element 2にバージョンアップする前の初代Elementのエンジンも使うことができる点かもしれない(ワンクリックで切り替え!)。初代エンジンはElement 2のキャラクターはそのまま質感がサッパリする感じで、うまく使い分ければ実質シンセ1.5個分くらいの働きをする。
欠点は二代目エンジンが相当重いこと、Waves他製品にもありがちだが『アナログっぽさ』を出すための余計なヒスノイズが鳴ること(OFFにできない)、Wavesなので同時に1台のマシンしかインストールできず、メジャーアップデートが有償なこと。
Go2 (Rob Papen)
49ドル。セールはせいぜい2割引き。持ってない。
ウェーブテーブルをウネウネ動かすタイプのシンセサイザー。Rob Papen製なので安心品質。マイクロチューニング対応。独特の高機能シーケンサーも面白い。
欠点はGUI配置がややトリッキーなこと、使いどころが限られること。個人的にシーケンサーに馴染まないのでスルー。
Iris 2 (iZotope)
定価149ドル。セールで10ドルくらいまで下がったことがあるほか、二回ほど無料配布されたことがある。持ってる。
非常に特殊なサンプルベースシンセサイザーで、サンプルに対し動的かつ自由度の高いフィルタリング処理ができる。シンセサイザーとしても十分多機能な部類。用途はあまり広くなさそうだが、これが10ドルなら安いでしょ。
CPU負荷はかなり高く、環境によってはUIのレスポンスも重い。ギガバイト単位のサンプルが同梱されていてお得だがHDDにも重い。独特の出音のために頑張って使うシンセって感じ。
Pigments 3 (Arturia)
定価199ドル。セールで半額になる。持ってない。Arturiaは年末に製品を無償配布することがあるようだが、それを持っているとさらに値引きされる。
別に安くはないのだが、一台でできることが多いという意味でお得感がある。Arturiaの誇るアナログ名機再現製品群から持ってきたフィルターが使えるし、Arturiaの誇るデジタル名機再現製品群から持ってきたPDシンセシスとかウェーブフォールダーとかが使える。ウェーブテーブルもグラニュラーも使え、中でもウェーブテーブルにさらにPDをかける機能はソフトシンセ全体でみても希少価値。PD好きなんだよPD。わかりやすいUIも長所のひとつ。信頼のArturiaだし。
欠点は若干高いCPU負荷くらい。GUIが動きまくるのは人を選ぶかも。そもそもセール時99ドルという価格帯には良いシンセがいくらでもあるため、「無償配布製品を持っているだけでさらに値引き」がなければこの表に載せることはなかったかも。
SynthMaster (KV331 Audio)
定価99ドル。セールで4割引~半額になることも多く、一度Player版を経由することでさらに割安になることがあった気がする。学割はセール価格からさらに4割引。持ってる。
このページにいる他の有象無象どもとは違い(DS Audio Thorn, Pigmentsは例外として)、SynthMasterは紛うことなき一線級プロユースシンセサイザー……あるいは準一線級くらいか……? 「そのままプロのトラックに使ってもいい」クラスのプリセットが1800前後も収録されているのも大きい。とにかく多機能なので大体のことは全部出来る。SFZ再生もマイクロチューニングもできるが、ウェーブテーブルの作成・編集とグラニュラーだけはできない。でも持ってると何かと心強いよ。iPad版もある。
欠点はアップデートが遅いことと、UIが洗練されていないこと。多機能で器用ではあるが、求める音に近づけるまでのプロセスが長く、小回りが利きにくい。触るつまみ、触らないつまみを取捨選択できる判断力が必要。
SynthMaster One (KV331 Audio)
定価79ドル。こちらも4割引~半額常連。持ってない。
要するにSynthMasterのEDM特化版。機能的には原則下位互換だが、無印よりも早く各機能が実装されたり、収録ウェーブテーブルが多かったりする気がするので全体的には下位互換とはいえない。無印と出音が違うと主張する人もいるが、結局収録波形が違うからそう聞こえるだけで中身は全く同じだと思う。UIの操作性は無印よりだいぶ改善され、ダンスミュージックに特化したプリセットが1250個も入っている。アップデートは無印よりかは早い。iPad版もある。
欠点は、結局SynthMaster無印の下位互換に近いこと。設計の冗長さがない分ワークフローが速いのと、入っているプリセットがダンスに特化していることが価値。
TAL-Bassline-101 (TAL Software)
69ドル。ブラックフライデーには4割引になるらしい。持ってない。
RolandのSH-101の再現。明るく扱いやすい音。一見ごく普通のヴァーチャルアナログだが、Rolandらしさを良く捉えられているということで世界的に高い評価を得ているらしい。フリーシンセTAL-Basslineのリメイク版。
あとは普通のVAシンセに69ドル、あるいはその4割引を払うかどうか。SH-101好きなら買いでいいかもしれない。
TAL-U-NO-LX (TAL Software)
69ドル。ブラックフライデーには4割引になるらしい。持ってない。
RolandのJUNO-60あたりの再現。開発者が持ってるJUNO-60実機と聴き比べながら作ったらしい。これも実機JUNOらしさがよく出ているということで人気が高い。フリーシンセTAL-U-No-62のリメイク版。
まさしくJUNO以上でもJUNO以下でもないが、エミュレーションの質は一流。JUNOが好きならきっと。
近年はCherry Audioからセール時$29のJUNOが出ているらしいです。音の好みがあると思うので聴き分けたりするといいと思います。
V Collection 7 (Arturia)
これだけバンドル。定価499ドル。半額になったことがある(確か一回だけだが)。シンセと鍵盤楽器が23個入っているので、定価で買っても一個当たり22ドル。果たして23個を的確に使い分けられるか、そして23個を平等に愛せるかは置いておいて、まあ一通り揃う。
そんなこといったらKompleteだって良コスパじゃないか! という感じだが。バンドル系は一個当たりの価格が意外と安かったりするのよね。
また、様々な理由により積極的に推奨はできないものの、安価ながら素晴らしいサウンドを持つソフトシンセを紹介しておきます。
Hybrid 3 (Air Music Technology)
定価149ドル。セールでよく10ドル以下まで下がってる。無料配布されたことさえもある。持ってる。
スタンダードなウェーブテーブルシンセサイザー。フィルターFM対応なのが珍しい。出音は割と独特(好みが分かれる?)。ディストーションをかければ割とよく合うかも。内蔵エフェクターは無駄に豊富。
欠点はウェーブテーブルが古臭いのしかない上追加不可(おそらく)、若干鼻にかかったような出音あたり? 負荷は相当軽い。最近セールでの価値が上がり気味。
Loom Classic (Air Music Technology)
定価は知らんが今公式で39ドルで売っている。セール時に10ドル以下まで下がったことがある。持ってる。
セミモジュラーな加算合成式。出音がピンとこなかったので過小評価してきたが、冷静に考えてみれば面白いシンセだと思う。ただしどちらかというと脇役向け。パーシャルごとにピッチ変調がかけられるシステムが独特。ネットを眺める限り、この製品への賛否は非常に分かれる傾向にあると思う。私はどちらかというと「非」寄り。
個人的欠点は音作りが煩雑な割に似たような音しか出ないこと。
Vacuum Pro (Air Music Technology)
定価149ドル。こちらもセールで10ドル程度まで下がることが多く、無償配布されたことさえある。さっき見たらAir公式ページで9割引セールが行われていた。つまり、そういう扱われ方をされてる。持ってる。
真空管をオシレーターに使用したアナログ・シンセサイザーの再現として作られているが、Vacuum Proの発表当時真空管オシレーターシンセが実在したかどうかは知らん。Vacuum Proの(おそらく)発表後にKnifoniumとVolca nubassが発表されたことは知っているが……。
VAシンセのわりにユニゾンとか波形モーフとか意外と多芸。出音はVCOというよりサッパリしたDCOシンセを軽くサチュレーションさせた感じで、結果ミックスによく馴染みそこそこ使える感じに仕上がっている。フィルターの効きが妙に甘いのが賛否両論点か。
もしこの出音の質感が好みなら、10ドルはお買い得な気がする。
※Hybrid 3, Loom Classic, Vaccum Proの使用にはiLokドングルがあったほうが良いです。iLokドングルを買わなくてもアクティベーションして使えますが、突然ソフトが使えなくなる系の不具合が散見されるようです(2回ほど経験済)。通常であればこうした認証エラーはプラグインメーカーにメールすると解消してもらえるのですが、あろうことかAirのメールサポートはほぼ機能していないため泣き寝入りになる可能性が高いです。Airの製品自体は安定感あって好みですが、いつ使えなくなるか分からないものを勧めるわけにはいきません。
Unfiltered Audio LION (Plugin Alliance)
定価199ドル。セール時、バウチャー併用で20~30ドルになるセールが年4回くらいある。持ってる。
奇妙なオシレーターと豊富な内蔵エフェクターを備えたセミモジュラーシンセ。知名度・実用性に劣るがなんか面白そうに感じたので抜擢。プリセットにはかっこいいサウンドスケープと、微妙な電子音がないまぜになっている、というかこのシンセのスイートスポット自体割と狭いのかもしれない。
20~30ドルくらいでセールされていたとしたら、一発ネタ要員として導入してみるのも悪くないかもしれないが、その程度。私はこういうの好きだけどね。
Collective (Tracktion)
定価60ドル。同社のシンセBiotek 2の廉価版的な立ち位置で、サンプルを使ったFM合成と昔ながらのワークステーションっぽい音を得意とする。半額セールとかで最大30ドルくらいまで下がる。持ってる。
独特のしなやかな出音に加え、サンプラー機能と無制限のレイヤー機能が特徴。余程凝った音が必要でないのなら、Biotek 2を買うよりも安くて軽くて、出音の質は同等。なのにどうしてか不人気感が否めない微妙な音源。マイナー音源を愛せる人のために。
番外編: Computer Music誌付録プラグイン群
英Computer Music誌を一冊でも買うと(電子版でもよい)、かなりの数のプラグインが付録としてついてくる。中にはもちろんシンセサイザーも含まれている。原則すべて機能制限版だが、中には下手したら商用プラグイン並みに実用的なものもある。Computer Music誌は電子版なら大体500円で買えるのでお得である。原則アップデートは行われないが、Zebra CMなどは大型アップデートが入ったりした。ちなみにアップデートの適用方法は「Computer Music誌の最新号を買って最新号の付録をダウンロードする」という原始的なもの。
含まれているシンセサイザーの一例
・Alpha CM
有名なフリーシンセFreeAlphaの拡張版、あるいは商用版Alphaの簡易版。
・Bazille CM
u-heのセミモジュラーシンセBazilleの簡易版。見た目は製品版より小さいが、質感が良い音で、柔軟で、かつユニーク。効果音マシンとしては優秀だが、効果音マシンにしておくには重すぎる。バウンス前提?
・Curve 2 CM
CableguysのシンセCurve 2の簡易版。波形を自由に書けるシンセだが、その割には暖かく重厚な出音が出せるのが特徴。起動時にスプラッシュ画面が出るが、割と普通に使える。
・DUNE CM
Synapse AudioのDuneの簡易版。機能制限が緩く、普通に使える……が、初期化ボタンがないのが痛い。商用現行製品Dune 3と比べるとかなり古いので注意。ユニゾンサウンドの質は流石Dune。
・Fathom CM
セミモジュラーシンセFathomの簡易版。GUI描画にRAMを使いすぎること、出音が繊細な反面なんかヌメヌメしてること、微妙な操作性を除けば優秀。ただ自分の制作に使うビジョンは見えない。
・Phonec CM
Psychic Modulationのヴァーチャルアナログ?初期デジタル?なシンセPhonec2の簡易版。機能制限は緩く普通に使える。80'sの芋っぽいシンセ音を出すことに完全特化している。世の中、特化すると強いね。
・Thorn CM
上記したDS Audio Thornの簡易版。機能制限はあるものの普通に実用レベル。音が良いので製品版を買いたくなるが、別に買わなくてもこれだけで割と用が済んでしまうという。
・Xils 3 CM
EMSのVCS3というシンセにインスパイアされたというヴァーチャルアナログでセミモジュラー。意外にもポリフォニック対応。EMSシンセ特有のダークなキャラクターを見事に再現。どっかで使いたい。
……え? ピンと来たものがない? じゃあVitalでいいんじゃないかな
あとSERUMは高いけど『業界標準とまったく同一仕様』という点でメリットは大きいと思います
参考文献:https://www.kvraudio.com/forum/viewtopic.php?f=1&t=493059
以下、思考のメモとしてなーんも考えずに書いた記事なので全然あてにしないでください。
注意
・ここでの『良コスパ』にはセールによる値引きも考慮されます
・サンプルベースのシンセサイザーは含みません
・私が持ってないプラグインも含まれています
・プラグイン名に下線が引かれてるやつは、私が見ず知らずの他人に面と向かっておすすめできるやつです。bx_oberhausenは教えたくない
・経験上、安いものには安いなりの理由があると思います。高いものに高いなりの理由があるとは限りませんが。
・DTMソフトは、多少割高でも「業界標準を使う価値」がある世界だと感じます。
ACE (u-he)
69ユーロ。セールはごく稀。持ってない。
セミモジュラー・ヴァーチャルアナログシンセサイザーで、機能的には平凡だがルーティングは非常に柔軟。オーディオ信号とコントロール信号は区別されない。u-heらしくフィルターの質感が素晴らしく、独特の密度感ある出音。マイクロチューニング対応。
欠点はやや重いこと、機能の割に若干高いこと。私の制作に取り入れる場所が思い当たらなかったのでスルー。
bx_oberhausen (Plugin Alliance)
定価249ドル。しかしセール時には、バウチャー併用で30ドル以下になることがある。持ってる(最安では買えなかった)。
Oberheim SEMの再現。この価格帯(30ドル以下)で「忠実なアナログエミュレーション」を名乗っていいのはこいつくらいでしょう。定価だと正直厳しいけれど、セール価格が30ドル切るのは明らかに割安。アナログの良さ、太さを見事に再現しつつ、決して押しつけがましくならないサウンドチューニングはまさに匠の技(だと思う)。個人的にSylenth1、Massiveと並びソフトシンセの出音で最も好みなんですよね。でもなぜか知名度低いんだよね。なんでだろうね。おかしいな~。
欠点はやたらめったら重いこと、フィルターやエンベロープの特性的に呑気な音ばかり出ること、年4回のセール以外ではやたら高い定価で売られていること。
実際使ってみると「呑気な音ばかり出る」というのが意外と制約だったので意識したほうがいいかも。
Codex (Waves)
定価199ドル。よく29ドル、そうでなくても49ドルくらいで売っている。持ってない。
EDMにフォーカスしたウェーブテーブルシンセ。ウェーブテーブルスキャンの仕方あたりにグラニュラーの要素を取り入れているとかなんとか。機能的には至ってベーシックだが、さすがにWavesなのでプリセットはツボを押さえていると思う。デモを試していないのでCPU負荷はわからないが、軽いわけでもなさそうだ。
欠点はWaves製なので同時に1台のマシンにしかインストールできず、メジャーアップデートが有償なこと。これ自体は悪くない製品だとは思うが、他社製品と比べて突出した強みに乏しいため、中途半端とみなされがちな印象がある(特にKVRで)。
DS Audio Thorn (Plugin Alliance)
定価199ドル。バウチャー併用で20~30ドルになるセールが年4回くらいある。持ってない。
立派に一線で戦えるEDMシンセ。素の出音が非常に現代的で奥行きがあり、それでいてやたらセール価格が安い。確かに普通に鋸波ベースを作ろうとするとボケた音しか出なかったりと尖ったところはあるけれど、独特の音作りアプローチに慣れていけば本格EDMサウンドを量産できるはず。普通のシンセで出せる音『以外』を担当させると強いんじゃないかな。知らんけど。
欠点は少し重いこと、ディストーションがヤケクソみたいな歪み方をすること、セール時以外は高いこと。いつか買いたい。
Elements 2 (Waves)
定価119ドル。よく29ドル、そうでなくても49ドルで売っている。持ってる。Codexの兄弟機のような位置づけで、UIもそっくり。
ヴァーチャルアナログシンセで、Wavesらしいスタンダードな音ながらも、本物のアナログのような重厚な質感、存在感も兼ね備えている。エンベロープが割とスピーディなのでEDMシーンでも役割を持てると思う。同梱プリセットは質・量ともに良く即戦力。平凡ゆえにあまり注目されないが、平凡ゆえに優秀。
……もしかしたらこれの最大の長所は、Element 2にバージョンアップする前の初代Elementのエンジンも使うことができる点かもしれない(ワンクリックで切り替え!)。初代エンジンはElement 2のキャラクターはそのまま質感がサッパリする感じで、うまく使い分ければ実質シンセ1.5個分くらいの働きをする。
欠点は二代目エンジンが相当重いこと、Waves他製品にもありがちだが『アナログっぽさ』を出すための余計なヒスノイズが鳴ること(OFFにできない)、Wavesなので同時に1台のマシンしかインストールできず、メジャーアップデートが有償なこと。
Go2 (Rob Papen)
49ドル。セールはせいぜい2割引き。持ってない。
ウェーブテーブルをウネウネ動かすタイプのシンセサイザー。Rob Papen製なので安心品質。マイクロチューニング対応。独特の高機能シーケンサーも面白い。
欠点はGUI配置がややトリッキーなこと、使いどころが限られること。個人的にシーケンサーに馴染まないのでスルー。
Iris 2 (iZotope)
定価149ドル。セールで10ドルくらいまで下がったことがあるほか、二回ほど無料配布されたことがある。持ってる。
非常に特殊なサンプルベースシンセサイザーで、サンプルに対し動的かつ自由度の高いフィルタリング処理ができる。シンセサイザーとしても十分多機能な部類。用途はあまり広くなさそうだが、これが10ドルなら安いでしょ。
CPU負荷はかなり高く、環境によってはUIのレスポンスも重い。ギガバイト単位のサンプルが同梱されていてお得だがHDDにも重い。独特の出音のために頑張って使うシンセって感じ。
Pigments 3 (Arturia)
定価199ドル。セールで半額になる。持ってない。Arturiaは年末に製品を無償配布することがあるようだが、それを持っているとさらに値引きされる。
別に安くはないのだが、一台でできることが多いという意味でお得感がある。Arturiaの誇るアナログ名機再現製品群から持ってきたフィルターが使えるし、Arturiaの誇るデジタル名機再現製品群から持ってきたPDシンセシスとかウェーブフォールダーとかが使える。ウェーブテーブルもグラニュラーも使え、中でもウェーブテーブルにさらにPDをかける機能はソフトシンセ全体でみても希少価値。PD好きなんだよPD。わかりやすいUIも長所のひとつ。信頼のArturiaだし。
欠点は若干高いCPU負荷くらい。GUIが動きまくるのは人を選ぶかも。そもそもセール時99ドルという価格帯には良いシンセがいくらでもあるため、「無償配布製品を持っているだけでさらに値引き」がなければこの表に載せることはなかったかも。
SynthMaster (KV331 Audio)
定価99ドル。セールで4割引~半額になることも多く、一度Player版を経由することでさらに割安になることがあった気がする。学割はセール価格からさらに4割引。持ってる。
このページにいる他の有象無象どもとは違い(DS Audio Thorn, Pigmentsは例外として)、SynthMasterは紛うことなき一線級プロユースシンセサイザー……あるいは準一線級くらいか……? 「そのままプロのトラックに使ってもいい」クラスのプリセットが1800前後も収録されているのも大きい。とにかく多機能なので大体のことは全部出来る。SFZ再生もマイクロチューニングもできるが、ウェーブテーブルの作成・編集とグラニュラーだけはできない。でも持ってると何かと心強いよ。iPad版もある。
欠点はアップデートが遅いことと、UIが洗練されていないこと。多機能で器用ではあるが、求める音に近づけるまでのプロセスが長く、小回りが利きにくい。触るつまみ、触らないつまみを取捨選択できる判断力が必要。
SynthMaster One (KV331 Audio)
定価79ドル。こちらも4割引~半額常連。持ってない。
要するにSynthMasterのEDM特化版。機能的には原則下位互換だが、無印よりも早く各機能が実装されたり、収録ウェーブテーブルが多かったりする気がするので全体的には下位互換とはいえない。無印と出音が違うと主張する人もいるが、結局収録波形が違うからそう聞こえるだけで中身は全く同じだと思う。UIの操作性は無印よりだいぶ改善され、ダンスミュージックに特化したプリセットが1250個も入っている。アップデートは無印よりかは早い。iPad版もある。
欠点は、結局SynthMaster無印の下位互換に近いこと。設計の冗長さがない分ワークフローが速いのと、入っているプリセットがダンスに特化していることが価値。
TAL-Bassline-101 (TAL Software)
69ドル。ブラックフライデーには4割引になるらしい。持ってない。
RolandのSH-101の再現。明るく扱いやすい音。一見ごく普通のヴァーチャルアナログだが、Rolandらしさを良く捉えられているということで世界的に高い評価を得ているらしい。フリーシンセTAL-Basslineのリメイク版。
あとは普通のVAシンセに69ドル、あるいはその4割引を払うかどうか。SH-101好きなら買いでいいかもしれない。
TAL-U-NO-LX (TAL Software)
69ドル。ブラックフライデーには4割引になるらしい。持ってない。
RolandのJUNO-60あたりの再現。開発者が持ってるJUNO-60実機と聴き比べながら作ったらしい。これも実機JUNOらしさがよく出ているということで人気が高い。フリーシンセTAL-U-No-62のリメイク版。
まさしくJUNO以上でもJUNO以下でもないが、エミュレーションの質は一流。JUNOが好きならきっと。
近年はCherry Audioからセール時$29のJUNOが出ているらしいです。音の好みがあると思うので聴き分けたりするといいと思います。
V Collection 7 (Arturia)
これだけバンドル。定価499ドル。半額になったことがある(確か一回だけだが)。シンセと鍵盤楽器が23個入っているので、定価で買っても一個当たり22ドル。果たして23個を的確に使い分けられるか、そして23個を平等に愛せるかは置いておいて、まあ一通り揃う。
そんなこといったらKompleteだって良コスパじゃないか! という感じだが。バンドル系は一個当たりの価格が意外と安かったりするのよね。
また、様々な理由により積極的に推奨はできないものの、安価ながら素晴らしいサウンドを持つソフトシンセを紹介しておきます。
Hybrid 3 (Air Music Technology)
定価149ドル。セールでよく10ドル以下まで下がってる。無料配布されたことさえもある。持ってる。
スタンダードなウェーブテーブルシンセサイザー。フィルターFM対応なのが珍しい。出音は割と独特(好みが分かれる?)。ディストーションをかければ割とよく合うかも。内蔵エフェクターは無駄に豊富。
欠点はウェーブテーブルが古臭いのしかない上追加不可(おそらく)、若干鼻にかかったような出音あたり? 負荷は相当軽い。最近セールでの価値が上がり気味。
Loom Classic (Air Music Technology)
定価は知らんが今公式で39ドルで売っている。セール時に10ドル以下まで下がったことがある。持ってる。
セミモジュラーな加算合成式。出音がピンとこなかったので過小評価してきたが、冷静に考えてみれば面白いシンセだと思う。ただしどちらかというと脇役向け。パーシャルごとにピッチ変調がかけられるシステムが独特。ネットを眺める限り、この製品への賛否は非常に分かれる傾向にあると思う。私はどちらかというと「非」寄り。
個人的欠点は音作りが煩雑な割に似たような音しか出ないこと。
Vacuum Pro (Air Music Technology)
定価149ドル。こちらもセールで10ドル程度まで下がることが多く、無償配布されたことさえある。さっき見たらAir公式ページで9割引セールが行われていた。つまり、そういう扱われ方をされてる。持ってる。
真空管をオシレーターに使用したアナログ・シンセサイザーの再現として作られているが、Vacuum Proの発表当時真空管オシレーターシンセが実在したかどうかは知らん。Vacuum Proの(おそらく)発表後にKnifoniumとVolca nubassが発表されたことは知っているが……。
VAシンセのわりにユニゾンとか波形モーフとか意外と多芸。出音はVCOというよりサッパリしたDCOシンセを軽くサチュレーションさせた感じで、結果ミックスによく馴染みそこそこ使える感じに仕上がっている。フィルターの効きが妙に甘いのが賛否両論点か。
もしこの出音の質感が好みなら、10ドルはお買い得な気がする。
※Hybrid 3, Loom Classic, Vaccum Proの使用にはiLokドングルがあったほうが良いです。iLokドングルを買わなくてもアクティベーションして使えますが、突然ソフトが使えなくなる系の不具合が散見されるようです(2回ほど経験済)。通常であればこうした認証エラーはプラグインメーカーにメールすると解消してもらえるのですが、あろうことかAirのメールサポートはほぼ機能していないため泣き寝入りになる可能性が高いです。Airの製品自体は安定感あって好みですが、いつ使えなくなるか分からないものを勧めるわけにはいきません。
Unfiltered Audio LION (Plugin Alliance)
定価199ドル。セール時、バウチャー併用で20~30ドルになるセールが年4回くらいある。持ってる。
奇妙なオシレーターと豊富な内蔵エフェクターを備えたセミモジュラーシンセ。知名度・実用性に劣るがなんか面白そうに感じたので抜擢。プリセットにはかっこいいサウンドスケープと、微妙な電子音がないまぜになっている、というかこのシンセのスイートスポット自体割と狭いのかもしれない。
20~30ドルくらいでセールされていたとしたら、一発ネタ要員として導入してみるのも悪くないかもしれないが、その程度。私はこういうの好きだけどね。
Collective (Tracktion)
定価60ドル。同社のシンセBiotek 2の廉価版的な立ち位置で、サンプルを使ったFM合成と昔ながらのワークステーションっぽい音を得意とする。半額セールとかで最大30ドルくらいまで下がる。持ってる。
独特のしなやかな出音に加え、サンプラー機能と無制限のレイヤー機能が特徴。余程凝った音が必要でないのなら、Biotek 2を買うよりも安くて軽くて、出音の質は同等。なのにどうしてか不人気感が否めない微妙な音源。マイナー音源を愛せる人のために。
番外編: Computer Music誌付録プラグイン群
英Computer Music誌を一冊でも買うと(電子版でもよい)、かなりの数のプラグインが付録としてついてくる。中にはもちろんシンセサイザーも含まれている。原則すべて機能制限版だが、中には下手したら商用プラグイン並みに実用的なものもある。Computer Music誌は電子版なら大体500円で買えるのでお得である。原則アップデートは行われないが、Zebra CMなどは大型アップデートが入ったりした。ちなみにアップデートの適用方法は「Computer Music誌の最新号を買って最新号の付録をダウンロードする」という原始的なもの。
含まれているシンセサイザーの一例
・Alpha CM
有名なフリーシンセFreeAlphaの拡張版、あるいは商用版Alphaの簡易版。
・Bazille CM
u-heのセミモジュラーシンセBazilleの簡易版。見た目は製品版より小さいが、質感が良い音で、柔軟で、かつユニーク。効果音マシンとしては優秀だが、効果音マシンにしておくには重すぎる。バウンス前提?
・Curve 2 CM
CableguysのシンセCurve 2の簡易版。波形を自由に書けるシンセだが、その割には暖かく重厚な出音が出せるのが特徴。起動時にスプラッシュ画面が出るが、割と普通に使える。
・DUNE CM
Synapse AudioのDuneの簡易版。機能制限が緩く、普通に使える……が、初期化ボタンがないのが痛い。商用現行製品Dune 3と比べるとかなり古いので注意。ユニゾンサウンドの質は流石Dune。
・Fathom CM
セミモジュラーシンセFathomの簡易版。GUI描画にRAMを使いすぎること、出音が繊細な反面なんかヌメヌメしてること、微妙な操作性を除けば優秀。ただ自分の制作に使うビジョンは見えない。
・Phonec CM
Psychic Modulationのヴァーチャルアナログ?初期デジタル?なシンセPhonec2の簡易版。機能制限は緩く普通に使える。80'sの芋っぽいシンセ音を出すことに完全特化している。世の中、特化すると強いね。
・Thorn CM
上記したDS Audio Thornの簡易版。機能制限はあるものの普通に実用レベル。音が良いので製品版を買いたくなるが、別に買わなくてもこれだけで割と用が済んでしまうという。
・Xils 3 CM
EMSのVCS3というシンセにインスパイアされたというヴァーチャルアナログでセミモジュラー。意外にもポリフォニック対応。EMSシンセ特有のダークなキャラクターを見事に再現。どっかで使いたい。
……え? ピンと来たものがない? じゃあVitalでいいんじゃないかな
あとSERUMは高いけど『業界標準とまったく同一仕様』という点でメリットは大きいと思います
参考文献:https://www.kvraudio.com/forum/viewtopic.php?f=1&t=493059
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