曲を作るのはだるいがシンセの音を作るのは楽しいので、そのことをアピールするためにこの記事を書いています。最近はシンセの音作りもだるくなってきましたが。
星の数ほどあるといわれるフリーシンセのうち、触ったことのあるものに長々と感想文を書いていきます。今回はその第四弾です。第四弾まで続いたよ!やったね
あんまりマイナーなプラグインばっか扱ってるとアクセス数が伸びないような気がするので、やはり今旬の最新フリーシンセを取り上げねばな~と思います。まずはつい先日リリースされたばかりのFury-800を取り上げつつ……後半はやっぱりマイナーなTR-303風プラグインをご紹介。
Fury-800(Full bucket music)
配布元:https://www.fullbucket.de/music/vst.html

Fury-800は2020年5月31日にリリースされた非常に新しいソフトシンセです。KorgのPoly-800のエミュレーションですね。割と難解な構造にされがちなFull Bucket Musicのプラグインですが、こいつもまた前時代的な操作性。というよりも操作性の悪さを楽しめる人向けなのでしょうね。私は好きです。
……で、そのKorg Poly-800とはなんなのよ? となるわけですが、DX7と同世代のデジタル・アナログハイブリッドシンセサイザーで、一見ポリフォニックですが実はパラフォニック、すなわちフィルターはモノフォニックです。独特な仕組みのDCOと、いかにもKorgらしい実直なフィルターが組み合わさった、これならではの出音が特徴。この時期のハイブリッドシンセサイザーは個性的な音が出ることが多いですね。
1.概略
・80's風のレトロなシンセサイザー
・実機の雰囲気を損なうことなく機能を追加
・ユニークなDCOとADBSSRエンベロープ
・決してオールラウンダーではないが、独特の世界観の音を出力できるかも
2.できることとできないこと
再現系プラグインなので、基本的に機能面はオリジナルのハードウェアに準じますが、Fury-800では以下に示すような機能追加が行われています。
・同時発音数を最大64音にできる
・パラフォニックではなく『本物の』ポリフォニックにできるGod modeを搭載
・オシレーターの倍音調整を連続的にできるように
・コーラスのステレオ化を切れるように
……まあ再現としては妥当な線なのではないでしょうか。
さて、Poly-800(そしてFury-800)のオシレーターですが、一つのオシレーターの中に、16フィート、8フィート、4フィート、2フィートという4オクターブ分の矩形波オシレーターが入っており、それらをミックスするというユニークなものです。実機ではミックスはオンオフ二段階のみですが、Fury-800では自由に混ぜ方を調整できるので音の幅が広がります。
オシレーター波形にはノコギリ波も選べるように見えますが、その実態は矩形波の混ぜ方を変えノコギリっぽくしただけのもの。そのため16倍音・32倍音が欠落していたり、倍音列が若干不ぞろいだったりと独特のローファイ感がある波形です。フィルターのレゾナンスで強調するとわかりやすくなるよ。
Fury-800にはこのオシレーターが二基搭載されており(ただし二基とも動かすと同時発音数が半減します)、デチューンしたりオクターブで重ねたりできます。ハードシンクとかはできません。加えてホワイトノイズ寄りなノイズオシレーターが付いています(フィルターとよく合います)。
もう一つユニークなのがエンベロープ。オシレーター1と2にそれぞれ専用のエンベロープがあり、加えてフィルター・ノイズ兼用のエンベロープがあります。オシレーター毎にエンベロープがあるおかげで、これ一台で、あたかもシンセ二台を重ねたような複雑な音色も作れるってもんです。また、このエンベロープは通常のADSRよりポイントを一つ増やした特殊なもので、いかにも80'sらしいと感じます。その後はあまり普及していないようですが、やはり複雑すぎる点が問題だったんでしょうかね。一応KorgのKronosは継承しているそうですが……。
フィルターはごく普通のローパスで、自己発振はしません。キートラッキングがあるので、ノイズと合わせてハモンドオルガンっぽい音も出せます。
3.音
こちら(https://www.youtube.com/watch?v=tSYozoIMUGY)の動画から見てもわかるように、プラグインとして音の再現度は結構高いと思います。VCOじゃない分デジタルでの再現もしやすくなってる印象があります。
明るめの音色で独特のオシレーター波形を活かすもよし、フィルター絞ってメロウにするもよしと色々想像が膨らみますね。ノイズもちょうどいい感じに混ざります。う~ん、シャッキリした表現も、スムースで陰のある表現もできる、と。音のキャラも立ってるし、何より個人的に好きです。色っぽさは無いかもしれませんが。
内蔵コーラスは『ステレオ』モードこそ微妙ですが、モノラルで出す分には割といい感じ。JUNOよりも控え目な分使いどころを選ばない感じです。ディレイは外部からかけるんで無くても十分でしょう。
この手のシンセって熟達するまでは音に変化がつけにくく、全部Fury-800で曲を作るとなるとマンネリ化との闘いになると思うんですが、世の中にはソフトシンセはごまんとあるわけですし、その中で一つのキャラクターを発揮できるという点では優秀なんじゃないかな~と。
4.使い勝手など

画面下部を占めるパラメーター表、実はコントロールを兼ねていて、マウスオンするとスライダーが表示され操作可能になります。逆に、マウスオンしないとスライダーは表示されません。これが意外と気が散らなくて悪くないのですが、とはいえ優れた操作性とは言いがたいでしょう。これでも2つのエンベロープを調整するたびに2クリック必要なページ切り替えを強制するSynthMasterよりはマシだと思う。
……一見すると短所のようですが、これでも実機のPoly-800と比べると素晴らしい進化です。何しろFury-800の説明書曰く、Poly-800の音色エディットは「まずテンキーでパラメーター番号を指定し、Down、Upキーを連打して実際のパラメーターを変更する」の繰り返しで行われるからです。このFury-800にも一応『実機同様の』パラメーター操作方法が実装されていますが(これぞFull Bucket Musicらしい点だと思いますが)、実際にそっちを使う人は流石にいないでしょう。これは予想ですが、開発者的には「すべてのパラメーターが一覧できないからこそ生まれてくる音作りのアプローチ」というのを大切にしたかったのではないんでしょうか。知らんけど。
ほか、シーケンサーとコードメモリー機能が搭載されてますが、『実機同様に』実際に鍵盤を弾くなりMIDI信号を突っ込むなりしてレコードする必要があります。プリミティブだね。
プリセットはFull Bucket Musicおなじみの64音色バンクを集めた単一ファイルをシステムダイアログ経由で保存・読み込みする方式。そこは使いにくくしなくてもいいじゃないかと毎回思う。こればかりはDAW側で保存安定でしょう。
私は低解像度モニター信者なので特に恩恵はありませんが、Fury-800のUIは自由に拡大縮小可能です。しかもウィンドウ右下をドラッグするだけで可能。おい聞いてるかSynthMaster。
CPU負荷はSynth1の倍程度(目測値)。まあ軽い部類でしょう。
某サイトで指摘されているように、初期リリース時にはGod mode時に音のリリースにノイズが乗る不具合がありましたが、現在では修正されています。
5.わたしの評価
おすすめ度:★★★★★★★★☆☆(8/10)
う~完成度としては素晴らしいと思うし個人的にこーいうの大好きなんですが、Korg Poly-800のエミュレーションと言って何割の人が「おおっ」と思うかというと……なわけで、その辺を鑑みて☆8個にしてみました。Full Bucket Musicのシンセの中でも割とキャラが立ってると思いますし好きな人は好きだと思いますね。
Junoと同世代のシンセで、しかもJunoとは別物が欲しいという方にはまさにぴったりでしょう。
Dolphin Bassline(SignalDust)
配布元:http://www.vst4free.com/index.php?dev=Signaldust(公式サイトリンク切れ)

……画像から小ささが伝わってきますね。Dolphin Basslineのコントロール項目はわずか7つです。
まあこのプラグイン名、つまみの少なさ、UIに描かれたスマイリーフェイスを見りゃ大体どんな音が出るかわかるってもんです。
作者自ら「まじめなエミュレーションではないよ」とか言ってしまっているのでそう厳密に実機に寄せているかは微妙なのですが、何も考えず使えるという点では実機以上なのかなと。303エミュのフリープラグインとしてはYooz Musicのが有名ですが、こちらのDolphinはより音が細い分、軽くディストーションをかけると却ってそれらしくなる気がします(低域が膨らみすぎないというか)。
1.概略
・隠れた名アシッドマシン?
・見てのとおり303エミュ、というか303もどき
・もちろんアクセントとスライドも再現
・シーケンサーはない
2.できることとできないこと
機能的にはまあ完全にシーケンサーのない303です。
二つの音符を重ねて打ち込むとスライドになり、ベロシティを100以上にするとアクセントになります。
303もそうなのかは分かりませんが、音量エンベロープはおそらく固定で、音は緩やかに減衰します。
3.音
あんま303には詳しくないのですが、まあ雰囲気は似てるといっていいんじゃないでしょうか。303独特の矩形波もよく再現されています。
少なくとも私の手持ちの64bitフリーシンセ群のなかでは303に一番近いのはこれだと思ってますし、軽く実機のサウンドテスト動画を見てみても、本物……とまではいきませんが、Roland自らリリースするエミュレータTB-03と同じ土俵に立てるくらいの位置にはいると思います。確かに摘みとか細部の挙動は別物だと思いますが、作者自ら「ジョークと捏造の中間にある」と謙遜する割には完成度は高いと思います。ネットの海で見かけた某サイトにおいても、64bit対応のフリー303エミュの中では最高評価をされてました(32bit含めればVL-303の方が上、らしい)。
Dolphin Basslineで実機303のような「フィルター絞った時のドスの効いた感じ」を出すのは難しいと思うのですが、その辺はもはやデジタルでの再現は不可能に近いと思うので、フリーソフトとしてはまったく無問題の範疇でしょう。あとはディストーションの乗り方がどうなるかですが……その辺のご判断は読者の皆様に丸投げしようと思います。303エミュ界隈は怖いからね。あんま近づかんに越したことはないんですよ。
4.使い勝手など
もともとコントロールの少ないシンセですので操作性は良いでしょう。
難点はCPU負荷の高さで、こんなにシンプルなシンセなのにSynth1の10倍重いです(目測値)。内部でオーバーサンプリングしてたりするのかもしれませんが、それにしても重い。一台だけなら気になりませんが、何台も立ち上げて「色々なアシッド」を鳴らすような曲で使うとバウンスしたくなる時が来るかもしれません。
5.わたしの評価
おすすめ度:★★★★★★★☆☆☆(7/10)
さすがにここまでマイナーなシンセに大量に星をあげられるほど魂が太くないので☆7程度にしておきます。が、YoozのBL-303に次いで、無料のアシッド・マシンの第二候補として挙げられることには変わりありません。個人的にはむしろDolphin Basslineのほうが好きです。「アシッドベースなんてのは任意の減算式シンセのレゾナンスを上げさえすれば作れる」とか言う人のことなんか信じないでください
星の数ほどあるといわれるフリーシンセのうち、触ったことのあるものに長々と感想文を書いていきます。今回はその第四弾です。第四弾まで続いたよ!やったね
あんまりマイナーなプラグインばっか扱ってるとアクセス数が伸びないような気がするので、やはり今旬の最新フリーシンセを取り上げねばな~と思います。まずはつい先日リリースされたばかりのFury-800を取り上げつつ……後半はやっぱりマイナーなTR-303風プラグインをご紹介。
Fury-800(Full bucket music)
配布元:https://www.fullbucket.de/music/vst.html

Fury-800は2020年5月31日にリリースされた非常に新しいソフトシンセです。KorgのPoly-800のエミュレーションですね。割と難解な構造にされがちなFull Bucket Musicのプラグインですが、こいつもまた前時代的な操作性。というよりも操作性の悪さを楽しめる人向けなのでしょうね。私は好きです。
……で、そのKorg Poly-800とはなんなのよ? となるわけですが、DX7と同世代のデジタル・アナログハイブリッドシンセサイザーで、一見ポリフォニックですが実はパラフォニック、すなわちフィルターはモノフォニックです。独特な仕組みのDCOと、いかにもKorgらしい実直なフィルターが組み合わさった、これならではの出音が特徴。この時期のハイブリッドシンセサイザーは個性的な音が出ることが多いですね。
1.概略
・80's風のレトロなシンセサイザー
・実機の雰囲気を損なうことなく機能を追加
・ユニークなDCOとADBSSRエンベロープ
・決してオールラウンダーではないが、独特の世界観の音を出力できるかも
2.できることとできないこと
再現系プラグインなので、基本的に機能面はオリジナルのハードウェアに準じますが、Fury-800では以下に示すような機能追加が行われています。
・同時発音数を最大64音にできる
・パラフォニックではなく『本物の』ポリフォニックにできるGod modeを搭載
・オシレーターの倍音調整を連続的にできるように
・コーラスのステレオ化を切れるように
……まあ再現としては妥当な線なのではないでしょうか。
さて、Poly-800(そしてFury-800)のオシレーターですが、一つのオシレーターの中に、16フィート、8フィート、4フィート、2フィートという4オクターブ分の矩形波オシレーターが入っており、それらをミックスするというユニークなものです。実機ではミックスはオンオフ二段階のみですが、Fury-800では自由に混ぜ方を調整できるので音の幅が広がります。
オシレーター波形にはノコギリ波も選べるように見えますが、その実態は矩形波の混ぜ方を変えノコギリっぽくしただけのもの。そのため16倍音・32倍音が欠落していたり、倍音列が若干不ぞろいだったりと独特のローファイ感がある波形です。フィルターのレゾナンスで強調するとわかりやすくなるよ。
Fury-800にはこのオシレーターが二基搭載されており(ただし二基とも動かすと同時発音数が半減します)、デチューンしたりオクターブで重ねたりできます。ハードシンクとかはできません。加えてホワイトノイズ寄りなノイズオシレーターが付いています(フィルターとよく合います)。
もう一つユニークなのがエンベロープ。オシレーター1と2にそれぞれ専用のエンベロープがあり、加えてフィルター・ノイズ兼用のエンベロープがあります。オシレーター毎にエンベロープがあるおかげで、これ一台で、あたかもシンセ二台を重ねたような複雑な音色も作れるってもんです。また、このエンベロープは通常のADSRよりポイントを一つ増やした特殊なもので、いかにも80'sらしいと感じます。その後はあまり普及していないようですが、やはり複雑すぎる点が問題だったんでしょうかね。一応KorgのKronosは継承しているそうですが……。
フィルターはごく普通のローパスで、自己発振はしません。キートラッキングがあるので、ノイズと合わせてハモンドオルガンっぽい音も出せます。
3.音
こちら(https://www.youtube.com/watch?v=tSYozoIMUGY)の動画から見てもわかるように、プラグインとして音の再現度は結構高いと思います。VCOじゃない分デジタルでの再現もしやすくなってる印象があります。
明るめの音色で独特のオシレーター波形を活かすもよし、フィルター絞ってメロウにするもよしと色々想像が膨らみますね。ノイズもちょうどいい感じに混ざります。う~ん、シャッキリした表現も、スムースで陰のある表現もできる、と。音のキャラも立ってるし、何より個人的に好きです。色っぽさは無いかもしれませんが。
内蔵コーラスは『ステレオ』モードこそ微妙ですが、モノラルで出す分には割といい感じ。JUNOよりも控え目な分使いどころを選ばない感じです。ディレイは外部からかけるんで無くても十分でしょう。
この手のシンセって熟達するまでは音に変化がつけにくく、全部Fury-800で曲を作るとなるとマンネリ化との闘いになると思うんですが、世の中にはソフトシンセはごまんとあるわけですし、その中で一つのキャラクターを発揮できるという点では優秀なんじゃないかな~と。
4.使い勝手など

画面下部を占めるパラメーター表、実はコントロールを兼ねていて、マウスオンするとスライダーが表示され操作可能になります。逆に、マウスオンしないとスライダーは表示されません。これが意外と気が散らなくて悪くないのですが、とはいえ優れた操作性とは言いがたいでしょう。
……一見すると短所のようですが、これでも実機のPoly-800と比べると素晴らしい進化です。何しろFury-800の説明書曰く、Poly-800の音色エディットは「まずテンキーでパラメーター番号を指定し、Down、Upキーを連打して実際のパラメーターを変更する」の繰り返しで行われるからです。このFury-800にも一応『実機同様の』パラメーター操作方法が実装されていますが(これぞFull Bucket Musicらしい点だと思いますが)、実際にそっちを使う人は流石にいないでしょう。これは予想ですが、開発者的には「すべてのパラメーターが一覧できないからこそ生まれてくる音作りのアプローチ」というのを大切にしたかったのではないんでしょうか。知らんけど。
ほか、シーケンサーとコードメモリー機能が搭載されてますが、『実機同様に』実際に鍵盤を弾くなりMIDI信号を突っ込むなりしてレコードする必要があります。プリミティブだね。
プリセットはFull Bucket Musicおなじみの64音色バンクを集めた単一ファイルをシステムダイアログ経由で保存・読み込みする方式。そこは使いにくくしなくてもいいじゃないかと毎回思う。こればかりはDAW側で保存安定でしょう。
私は低解像度モニター信者なので特に恩恵はありませんが、Fury-800のUIは自由に拡大縮小可能です。しかもウィンドウ右下をドラッグするだけで可能。
CPU負荷はSynth1の倍程度(目測値)。まあ軽い部類でしょう。
某サイトで指摘されているように、初期リリース時にはGod mode時に音のリリースにノイズが乗る不具合がありましたが、現在では修正されています。
5.わたしの評価
おすすめ度:★★★★★★★★☆☆(8/10)
う~完成度としては素晴らしいと思うし個人的にこーいうの大好きなんですが、Korg Poly-800のエミュレーションと言って何割の人が「おおっ」と思うかというと……なわけで、その辺を鑑みて☆8個にしてみました。Full Bucket Musicのシンセの中でも割とキャラが立ってると思いますし好きな人は好きだと思いますね。
Junoと同世代のシンセで、しかもJunoとは別物が欲しいという方にはまさにぴったりでしょう。
Dolphin Bassline(SignalDust)
配布元:http://www.vst4free.com/index.php?dev=Signaldust(公式サイトリンク切れ)

……画像から小ささが伝わってきますね。Dolphin Basslineのコントロール項目はわずか7つです。
まあこのプラグイン名、つまみの少なさ、UIに描かれたスマイリーフェイスを見りゃ大体どんな音が出るかわかるってもんです。
作者自ら「まじめなエミュレーションではないよ」とか言ってしまっているのでそう厳密に実機に寄せているかは微妙なのですが、何も考えず使えるという点では実機以上なのかなと。303エミュのフリープラグインとしてはYooz Musicのが有名ですが、こちらのDolphinはより音が細い分、軽くディストーションをかけると却ってそれらしくなる気がします(低域が膨らみすぎないというか)。
1.概略
・隠れた名アシッドマシン?
・見てのとおり303エミュ、というか303もどき
・もちろんアクセントとスライドも再現
・シーケンサーはない
2.できることとできないこと
機能的にはまあ完全にシーケンサーのない303です。
二つの音符を重ねて打ち込むとスライドになり、ベロシティを100以上にするとアクセントになります。
303もそうなのかは分かりませんが、音量エンベロープはおそらく固定で、音は緩やかに減衰します。
3.音
あんま303には詳しくないのですが、まあ雰囲気は似てるといっていいんじゃないでしょうか。303独特の矩形波もよく再現されています。
少なくとも私の手持ちの64bitフリーシンセ群のなかでは303に一番近いのはこれだと思ってますし、軽く実機のサウンドテスト動画を見てみても、本物……とまではいきませんが、Roland自らリリースするエミュレータTB-03と同じ土俵に立てるくらいの位置にはいると思います。確かに摘みとか細部の挙動は別物だと思いますが、作者自ら「ジョークと捏造の中間にある」と謙遜する割には完成度は高いと思います。ネットの海で見かけた某サイトにおいても、64bit対応のフリー303エミュの中では最高評価をされてました(32bit含めればVL-303の方が上、らしい)。
Dolphin Basslineで実機303のような「フィルター絞った時のドスの効いた感じ」を出すのは難しいと思うのですが、その辺はもはやデジタルでの再現は不可能に近いと思うので、フリーソフトとしてはまったく無問題の範疇でしょう。あとはディストーションの乗り方がどうなるかですが……その辺のご判断は読者の皆様に丸投げしようと思います。
4.使い勝手など
もともとコントロールの少ないシンセですので操作性は良いでしょう。
難点はCPU負荷の高さで、こんなにシンプルなシンセなのにSynth1の10倍重いです(目測値)。内部でオーバーサンプリングしてたりするのかもしれませんが、それにしても重い。一台だけなら気になりませんが、何台も立ち上げて「色々なアシッド」を鳴らすような曲で使うとバウンスしたくなる時が来るかもしれません。
5.わたしの評価
おすすめ度:★★★★★★★☆☆☆(7/10)
さすがにここまでマイナーなシンセに大量に星をあげられるほど魂が太くないので☆7程度にしておきます。が、YoozのBL-303に次いで、無料のアシッド・マシンの第二候補として挙げられることには変わりありません。個人的にはむしろDolphin Basslineのほうが好きです。
コメント