こんにちは。最近は集合知としての5chの在り方に関心のある硫化西部です。
先日入手したほぼ無料DAW "Waveform 10 Free" が超良かった(当社比)のでこちらで共有しようという趣旨の記事です。
2020/05/20追記:現在は新たにWaveform 11 Freeが登場し、Computer Music誌関係なく誰でも無料で使えるようになったそうです。よほどのコレクターでもなければそちらを導入するのが丸いでしょう。
2020/12/05追記:Waveform 11 Freeは、10 Freeと比べると若干安定性が向上したほか、以下の機能が追加されています
1. プラグインをサンドボックス環境で動作させられるように(プラグインがDAWを巻き込んで落ちなくなる。ただし、サンドボックスに入っている他のすべてのプラグインは巻き込まれて落ちるので使い勝手は微妙)
2. オーディオクリップそのものに直接エフェクトをかけられるように(普通に良い)
3. オーディオクリップは、フェードイン・フェードアウトの代わりにテープスタート・テープストップをかけられるように(フェードするときに引っ張る小さな白四角を右クリック!)
2021/02/24追記:Waveform 11 Freeは2021年に大幅なアプデが入りました。変更された内容はこちら。小さい点から大きな点まで色々あります
____以下古い情報____
1. 入手方法
i) 英Computer Music誌274号を買う(Apple StoreまたはGoogle PlayまたはZinio。700円くらい)
ii) それっぽい記事があるので読む
iii) ダウンロード先のURLが書いてあるのでアクセスし、指示に従う
……これは面倒ですね。
もともとTracktion T7を使っていて、かつそれ以上の機能拡充を望む一部のフリーDAWマニアしか導入したくはならないでしょう。まず海外の雑誌を電子版で買うことのハードルも高い。むしろ、だからこそこうやってブログで共有しとかないと日本人誰もダウンロードしなくなるでしょう。そういう記事なんです。日本で使ってんの50人いるかも怪しいと思いますよ。
ところで先日、Tracktion社よりWaveform 11のトレーラーが発表されたようですが、その中にはFree版への言及も含まれていたとのこと(又聞きですが)。今後の入手手段の緩和は図られるのでしょうか?
20200303追記:最近Google Playでの雑誌の取り扱いが終了したようで、現在はほかの何らかの手段で入手する必要があるようです。
2. 従来のT7 DAW(無料版)との主な違い
i) 名前
ii) UIデザイン
iii) 独立MIDIエディターが付いた
iv) MIDIパターンジェネレータが付いた
v) ミキサーウィンドウが登場した
vi) 別タブでミキサーを開けるようになった
vii) 同梱プラグインがちょっぴりパワーアップ
とまあこんなもんです。個人的に特にうれしいのはiii)の独立MIDIエディターですね。このためだけに700円払っても安いです。
3. UIデザインに関する比較
機能が増えた分UIは若干複雑化しています。この点、人によっては劣化と感じられるかもしれません。本来もっと機能の多い製品版Waveform10用のデザインなので、操作の手数の割には……と思われることも。
とはいえ機能制限版ソフトに有りがちな、上位版限定の機能は表示するけどグレーアウト、みたいな余計なことはしません。Tracktionはその辺サバサバしていて良いですね。
4. MIDIエディターに関する比較
編集機能の貧弱さは相変わらずです。5連符すら打ち込めない。イベントリストもない。MIDI打ち込み大好きな人にはお勧めできない。
と、あらかじめ叩いておきましたが、このWF10FreeはMIDIエディターがパネル内に独立させられるようになったという点で大きく進化しています。今までの小さすぎるMIDIエディターから一転、比較的スムーズに打ち込めるようになりました。
そして個人的目玉なのが、MIDIエディターに複数のクリップを同時に表示させられるようになったこと。和声進行に気を遣いながら打ち込むときなど、この機能があると無いのとでは大違いです。MIDIエディター右側のリストから編集するクリップを選択可能(フォトショのレイヤーみたいな感じ)。

また、打ち込む際の操作が変わり、MIDIノートを配置中にドラッグした際の動作がノートの位置変更からVelocity及び長さの変更になっています。これにより、より素早くニュアンスに変化を付けられるようになった一方、間違って置いたノートの位置修正が面倒になっています。これは好みが分かれるところか。
5. MIDIパターンジェネレータについて
実はこの記事を書いている途中に知ったのですが、WF10Freeには新機能"MIDI Pattern Generator"が付属します。MIDIクリップを選択した際の下パネルにタブが一つ追加されています。
アルペジオ・コード・ベースライン・メロディから一つ選び、適当なコード進行を与えると動作します。リズムはあらかじめプリセットされている中から選ぶみたいで、もっと直感的な方法が欲しい気もしますが。
普通に曲を作るうえでどの程度有効かは何とも言えませんが、スケッチには役立つかもしれません。コード進行が迷子にならないためのガイドとしては使えそう。
6. ミキサー画面にまつわる比較

要するに、こういう画面が登場したって話です。ショートカットはMキー。別タブで開くこともできます。

実際私はMixをガチったことなど無いのでこの画面の意義がよくわからないのですが、気分的にミックスに集中したいときとかに使えるかもしれません。レベルメーターがプラグイン扱いされているあたりTracktionらしいですね。ところでトラックにインサートされているボリューム&パンとの関連はどうなっているのだろう?
7. 同梱プラグインに関する比較
地味に便利なのが、同梱プラグインを独立ウィンドウで開けるようになったことです。サンプラーなど軽いのでよく使っていましたが、いちいちパネルを開く操作が面倒だったので単純にありがたいです。
ほか、2つのシンセ(どちらも簡易なものですが)とMIDI Chord Player、最近のアプデではMicro Drum Sampler(標準のサンプラーと大差なし)なるものが追加されています。正直どれもオマケ程度です。
(2020-12-03追記:
実際に確認したわけではありませんが、同梱シンセの4OSCの出音、Biotekと同一ではないにしても相当似ていると思います。良い意味で。アナログっぽい音でも、太い音ではないけれど、スレンダーでスリム、空気の中に溶け込むような印象で、ある特定の用途(背景音?)にはかなり使えそう。
機能面は結構独特で、4つのオシレーターはすべてユニゾン可能、マルチモードフィルター1つと4ENV(ADSR)と2LFOを備えておきながらハードシンクもFMもできません。いやいや、機能面では4OSCと似たり寄ったりなSylenth1が13年間バーチャルシンセサイザー業界のトップランナーを走り続けてることを思えば……4OSCにも案外ポテンシャルあると思いますよ。ちなみにもう一つの同梱シンセFM Synthは、どうやらフリープラグインのGUI挿げ替えらしいのでそんなでもないです)
8. その他細かい新機能など
i) クリップがプリセットとして保存できるように
ii) 内蔵LFOのアサイン先を一覧する画面が登場(ただし見にくい)
iii) クリップ・トラックに自動で色が付けられるように
iv) MIDIエディターでルート音をもとにコードを組み立ててくれる機能が登場
v) ラックフィルター内のプラグインを自動接続してくれる機能が登場
その他いろいろありますが、全部挙げるのは面倒なので割愛。
9. Waveform 10製品版との差異
https://discuss.cakewalk.com/index.php?/topic/6845-waveform-10-free/
詳しくはここの7番目くらいのpostをご参考に。
付属プラグインと、いくつかの作曲支援機能などが削除されています。一方、最低限DTMに必要な機能はすべて残っているため、できることが制限されている感はないです。現状の私にはWaveform製品版を導入する意義があんまりありません。
10. バグ・問題
どの環境でも発生する問題かはわかりませんが、現状私が確認しているWF10の大きな不具合は以下のようなものです。一応ご留意のほどを。
i) 一部VST3インストゥルメントがMIDI信号を受け取らなくなる(該当多数。Thorn CMなど)。
ii) 一部Waves製プラグインのGUIを開くと落ちる(H-Reverbなど)
逆に、Tracktion T7の際には、サブミックスを入れ子にすると落ちやすくなったり、複数のMIDIクリップを結合した際一部ノートの長さがおかしくなったりのバグが存在しました。現状WF10Freeでは確認していません(バグが無くなった、と言いたいわけではない)。
(2020-12-03追記: Waveform 10では深刻だったバグ・クラッシュ問題ですが、Waveform 11 Freeに移行してからそれなりにマシになった体感があります。10でクラッシュレポート機能が追加された功でしょう。長らくWaveformは目新しい機能は多くとも肝心の安定性が……と言われがちなDAWだったようなので、その辺の打開を図ってきたのは素晴らしいことだと思います)
11. 総括
Tracktion T7を使っている方ならば、入手難度なりの価値があるかと思われます。もちろんT7から比べて劣化した部分もあって、その辺と折り合いが付けられるかどうかでしょう。私の場合はWF10Freeの方が明らかにヨシでした(主にMIDIエディター面で)。
いずれにせよ、Computer Music誌の付録プラグインには結構面白くて便利なものがあることですし(該当多数。Thorn CMなど)、最近のComputer Music誌を持っていないならば買って損はしないのでは?
先日入手したほぼ無料DAW "Waveform 10 Free" が超良かった(当社比)のでこちらで共有しようという趣旨の記事です。
2020/05/20追記:現在は新たにWaveform 11 Freeが登場し、Computer Music誌関係なく誰でも無料で使えるようになったそうです。よほどのコレクターでもなければそちらを導入するのが丸いでしょう。
2020/12/05追記:Waveform 11 Freeは、10 Freeと比べると若干安定性が向上したほか、以下の機能が追加されています
1. プラグインをサンドボックス環境で動作させられるように(プラグインがDAWを巻き込んで落ちなくなる。ただし、サンドボックスに入っている他のすべてのプラグインは巻き込まれて落ちるので使い勝手は微妙)
2. オーディオクリップそのものに直接エフェクトをかけられるように(普通に良い)
3. オーディオクリップは、フェードイン・フェードアウトの代わりにテープスタート・テープストップをかけられるように(フェードするときに引っ張る小さな白四角を右クリック!)
2021/02/24追記:Waveform 11 Freeは2021年に大幅なアプデが入りました。変更された内容はこちら。小さい点から大きな点まで色々あります
____以下古い情報____
1. 入手方法
ii) それっぽい記事があるので読む
iii) ダウンロード先のURLが書いてあるのでアクセスし、指示に従う
……これは面倒ですね。
もともとTracktion T7を使っていて、かつそれ以上の機能拡充を望む一部のフリーDAWマニアしか導入したくはならないでしょう。まず海外の雑誌を電子版で買うことのハードルも高い。むしろ、だからこそこうやってブログで共有しとかないと日本人誰もダウンロードしなくなるでしょう。そういう記事なんです。日本で使ってんの50人いるかも怪しいと思いますよ。
ところで先日、Tracktion社よりWaveform 11のトレーラーが発表されたようですが、その中にはFree版への言及も含まれていたとのこと(又聞きですが)。今後の入手手段の緩和は図られるのでしょうか?
20200303追記:最近Google Playでの雑誌の取り扱いが終了したようで、現在はほかの何らかの手段で入手する必要があるようです。
2. 従来のT7 DAW(無料版)との主な違い
i) 名前
ii) UIデザイン
iii) 独立MIDIエディターが付いた
iv) MIDIパターンジェネレータが付いた
v) ミキサーウィンドウが登場した
vi) 別タブでミキサーを開けるようになった
vii) 同梱プラグインがちょっぴりパワーアップ
とまあこんなもんです。個人的に特にうれしいのはiii)の独立MIDIエディターですね。このためだけに700円払っても安いです。
3. UIデザインに関する比較
機能が増えた分UIは若干複雑化しています。この点、人によっては劣化と感じられるかもしれません。本来もっと機能の多い製品版Waveform10用のデザインなので、操作の手数の割には……と思われることも。
とはいえ機能制限版ソフトに有りがちな、上位版限定の機能は表示するけどグレーアウト、みたいな余計なことはしません。Tracktionはその辺サバサバしていて良いですね。
4. MIDIエディターに関する比較
編集機能の貧弱さは相変わらずです。5連符すら打ち込めない。イベントリストもない。MIDI打ち込み大好きな人にはお勧めできない。
と、あらかじめ叩いておきましたが、このWF10FreeはMIDIエディターがパネル内に独立させられるようになったという点で大きく進化しています。今までの小さすぎるMIDIエディターから一転、比較的スムーズに打ち込めるようになりました。
そして個人的目玉なのが、MIDIエディターに複数のクリップを同時に表示させられるようになったこと。和声進行に気を遣いながら打ち込むときなど、この機能があると無いのとでは大違いです。MIDIエディター右側のリストから編集するクリップを選択可能(フォトショのレイヤーみたいな感じ)。

また、打ち込む際の操作が変わり、MIDIノートを配置中にドラッグした際の動作がノートの位置変更からVelocity及び長さの変更になっています。これにより、より素早くニュアンスに変化を付けられるようになった一方、間違って置いたノートの位置修正が面倒になっています。これは好みが分かれるところか。
5. MIDIパターンジェネレータについて
実はこの記事を書いている途中に知ったのですが、WF10Freeには新機能"MIDI Pattern Generator"が付属します。MIDIクリップを選択した際の下パネルにタブが一つ追加されています。
アルペジオ・コード・ベースライン・メロディから一つ選び、適当なコード進行を与えると動作します。リズムはあらかじめプリセットされている中から選ぶみたいで、もっと直感的な方法が欲しい気もしますが。
普通に曲を作るうえでどの程度有効かは何とも言えませんが、スケッチには役立つかもしれません。コード進行が迷子にならないためのガイドとしては使えそう。
6. ミキサー画面にまつわる比較

要するに、こういう画面が登場したって話です。ショートカットはMキー。別タブで開くこともできます。
実際私はMixをガチったことなど無いのでこの画面の意義がよくわからないのですが、気分的にミックスに集中したいときとかに使えるかもしれません。レベルメーターがプラグイン扱いされているあたりTracktionらしいですね。ところでトラックにインサートされているボリューム&パンとの関連はどうなっているのだろう?
7. 同梱プラグインに関する比較
地味に便利なのが、同梱プラグインを独立ウィンドウで開けるようになったことです。サンプラーなど軽いのでよく使っていましたが、いちいちパネルを開く操作が面倒だったので単純にありがたいです。
ほか、2つのシンセ(どちらも簡易なものですが)とMIDI Chord Player、最近のアプデではMicro Drum Sampler(標準のサンプラーと大差なし)なるものが追加されています。正直どれもオマケ程度です。
(2020-12-03追記:
実際に確認したわけではありませんが、同梱シンセの4OSCの出音、Biotekと同一ではないにしても相当似ていると思います。良い意味で。アナログっぽい音でも、太い音ではないけれど、スレンダーでスリム、空気の中に溶け込むような印象で、ある特定の用途(背景音?)にはかなり使えそう。
機能面は結構独特で、4つのオシレーターはすべてユニゾン可能、マルチモードフィルター1つと4ENV(ADSR)と2LFOを備えておきながらハードシンクもFMもできません。いやいや、機能面では4OSCと似たり寄ったりなSylenth1が13年間バーチャルシンセサイザー業界のトップランナーを走り続けてることを思えば……4OSCにも案外ポテンシャルあると思いますよ。ちなみにもう一つの同梱シンセFM Synthは、どうやらフリープラグインのGUI挿げ替えらしいのでそんなでもないです)
8. その他細かい新機能など
i) クリップがプリセットとして保存できるように
ii) 内蔵LFOのアサイン先を一覧する画面が登場(ただし見にくい)
iii) クリップ・トラックに自動で色が付けられるように
iv) MIDIエディターでルート音をもとにコードを組み立ててくれる機能が登場
v) ラックフィルター内のプラグインを自動接続してくれる機能が登場
その他いろいろありますが、全部挙げるのは面倒なので割愛。
9. Waveform 10製品版との差異
https://discuss.cakewalk.com/index.php?/topic/6845-waveform-10-free/
詳しくはここの7番目くらいのpostをご参考に。
付属プラグインと、いくつかの作曲支援機能などが削除されています。一方、最低限DTMに必要な機能はすべて残っているため、できることが制限されている感はないです。現状の私にはWaveform製品版を導入する意義があんまりありません。
10. バグ・問題
どの環境でも発生する問題かはわかりませんが、現状私が確認しているWF10の大きな不具合は以下のようなものです。一応ご留意のほどを。
i) 一部VST3インストゥルメントがMIDI信号を受け取らなくなる(該当多数。Thorn CMなど)。
ii) 一部Waves製プラグインのGUIを開くと落ちる(H-Reverbなど)
逆に、Tracktion T7の際には、サブミックスを入れ子にすると落ちやすくなったり、複数のMIDIクリップを結合した際一部ノートの長さがおかしくなったりのバグが存在しました。現状WF10Freeでは確認していません(バグが無くなった、と言いたいわけではない)。
(2020-12-03追記: Waveform 10では深刻だったバグ・クラッシュ問題ですが、Waveform 11 Freeに移行してからそれなりにマシになった体感があります。10でクラッシュレポート機能が追加された功でしょう。長らくWaveformは目新しい機能は多くとも肝心の安定性が……と言われがちなDAWだったようなので、その辺の打開を図ってきたのは素晴らしいことだと思います)
11. 総括
Tracktion T7を使っている方ならば、入手難度なりの価値があるかと思われます。もちろんT7から比べて劣化した部分もあって、その辺と折り合いが付けられるかどうかでしょう。私の場合はWF10Freeの方が明らかにヨシでした(主にMIDIエディター面で)。
いずれにせよ、Computer Music誌の付録プラグインには結構面白くて便利なものがあることですし(該当多数。Thorn CMなど)、最近のComputer Music誌を持っていないならば買って損はしないのでは?
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