(古い記事ですが、安定してアクセスがあるようなので、2024/09/17に簡易的に更新推敲をしました)
MeldaProduction(https://www.meldaproduction.com/)のフリープラグインバンドルについて、日本では結構過小評価されてるなあと感じたので、バンドルに含まれる全プラグインをここで簡単にご説明いたそうかなーと思いこの記事を書きました。
MeldaProduction(以降M社と表記)はまあまあの価格で超多機能なオタクプラグインを作ることで有名なメーカーです。以前は割安な製品が多かったのですが、最近は他社がもっと割安にプラグインを売るようになったので逆風気味です。が、Meldaのプラグインは何かと融通が利くので、代替不可能な魅力があるのは事実です。
私は単にM社のフリープラグインが便利だからM社推しなのであって、別にM社に一銭も金を落としたわけではないので、こんな記事を書いて、あまつさえ会社をアルファベット一文字に略してしまってもいいのだろうか…………。ごめんねM。
Mのプラグインに共通する特長
1.動作が非常に軽快
2.音は良いことが多い(正直リバーブは微妙だと思うが)
3.Mid/Sideのみの処理が可能(ただしMid/Sideに別設定を適用するにはプラグインが2つ必要)
4.AGC装備(要するに処理前と処理後の音量自動マッチ。音量変化によって音色そのものの変化に気づかなくなることを防止するための機能。便利なんですよこれが)
5.マルチパラメータ対応(マクロパラメータと呼ぶメーカーもありますね。Mのこれは設定が面倒な分高機能です。面倒だけど)
6.全製品で操作が共通化されている(難解なイメージに反し、一つのプラグインで操作を覚えれば、ほかに応用が利きます)
Mのプラグインに共通する弱点
1.ワークフローが練られておらず、微妙に使いにくいことがしばしば
2.パラメータの意味が分かるまでは難解に感じがち(とりあえず触ってみるくらいの姿勢がベストか)
3.見た目がダサい → 最近は見た目面で改良が入り、少しだけマシになりました
Meldaのフリープラグインは無料で使用可能ですが、6000円ほど(たまに半額になる)でProバージョンにアップグレード可能です。ウィンドウサイズが可変になったり、その他いろいろとProになるのですが、詳細についてはMeldaのサイトでご確認をお願いします。
以下思いついた順
・MEqualizer

つまらなそうな見た目ですが、普通に便利なイコライザーです。フリーでは若干貴重なアナライザー付き。もうアナライザーがないとEQできませんね。
まあ、普通のEQなんですが、とにかく扱いやすくて軽いんですよね。これがあると、「当面の間はデジタル系EQを金出して買わなくてもいいかな~」なんて気分になります。これは憶測ですが、こいつが無料なせいで世界中のプラグインEQの潜在的な需要が大分減ってます。それくらい便利なんです。音質についてはあまり評判を聞きませんが、5年使って「音が悪い」と感じたことはないです。そもそもEQの音質なんて大体全部一緒です。
無料で使えるアナライザー付きEQは、有名なNOVAや、リニアフェーズ機能の付いたQRange、最近はiZotope謹製のOzoneのEQもあるのですが、少なくとも動作の軽さ、UIの見易さ、ワークフローの速さという点において、MEqualizerは他のフリーEQの追随を許さないと思います。全トラックに挿せる無料のEQプラグインは、2024年9月時点ではMEqualizer一択だと思います。
マルチパラメータやMIDI入力でちょっと面白いこともできます。ワウペダルの再現や、入力されたMIDIの音高・ベロシティに合わせたEQなど。どれもこれも設定が難解かつ面倒ですが、手間に見合う価値はあります(特にBMS制作時など)。
・MCompressor

これもすごいですよ。
ということでどうすごいかを一枚の画像で伝えます。一見普通のコンプですが、RMS検知とCustom shape機能のおかげでかなり応用が利くんですね。あと軽い。
特に、Custom shape機能は非常に珍しい機能です。珍しいから使いにくいのかといえばそういうわけもなく、キックに合わせてベースの音量を引っ込める、いわゆる「ダッキング」を作る際に便利なのです。
通常のコンプレッサーを使ってダッキングを作ると、ベースが潰れすぎたり、コンプのリリースが不自然になったりと、良い結果がなかなか生まれません。しかし、MCompressorなら、自分で理想のカーブを描けますし、画像の通りメーターも付いているので視認性も良好です。(有料製品を含めた)世の中のコンプレッサーの中で、最も正確にダッキングのグルーヴを作れるコンプと言っても過言じゃないでしょう。
ここまで高機能なのになぜかDry/Wetパラメータがないことだけが残念です。
コンプの効き自体は良くも悪くも機械的なので、アナログコンプレッサーのようなスムーズな圧縮をお求めならば、TDR KotelnikovやFirCompがおすすめです。
・MAutopan, MFlanger, MPhaser, MTremoro, MVibrato

モジュレーション系を全部まとめました。
これらのエフェクトは基本LFOで駆動されるヤツですが、そのLFOの形状が非常に自由です。手書き可能。ステップシーケンサーも適用可能。その他諸々。……つまり、MTremoroはトランスゲートやダッキングの代用になりますし、MVibratoはステレオワイドナーの代用になります。
どれもそれなりに高機能で、無茶なセッティングでも音が破綻しません。しかも軽い。効き自体はベーシックで面白味もありませんが、モジュレーション系エフェクトが必要な時の第一候補になってくれると思います。
(良くも悪くも?)ユニークなプリセットが多数用意されているのも特徴で、飛び道具としての利用も楽しそうですね。MFlangerは3種類の質感が選べて楽しいのと、MVibratoはレコード風ワープ効果が得られて楽しいということも記しておきます。
・MComb
多機能コムフィルターです。
贅沢にも4つのフィルターを搭載しているので結構面白い音作りができそうです。内蔵モジュレーターは無料で使っていると編集できませんが、逆にこれが使えるようになるとさらに面白くなりそう。プリセットが超面白いです(実用性はともかく)。
設定可能な周波数帯域がかなり広いため、ディレイとしても使えなくないです。また、ユニークな空間系エフェクトとしても使え、そうしたプリセットもいくつか用意されています。
隠し味から大胆なサウンドデザインまで使える陰の功労者です。
・WWaveFolder
最初見たときはウェーブフォルダーって何だ? と思いました。波形を途中で折り返すタイプのデジタルディストーションの一種です。加減によってはFMシンセっぽい音になったり、モジュラーシンセっぽい音になったりします。使いどころが難しいですが、フリープラグインとしては貴重です。
Driveはアルゴリズムに突っ込む音量だろうし、Characterは歪みの激しさ、Symmetryは音の鋭さ、Non-linearityは音のブツブツ感を調整するのかな? プリセットを探ってみるとなかなか面白いです。
数あるMeldaのフリープラグインのうち、現時点で唯一無料版でもオーバーサンプリングが使えます。作者の愛でしょうか。DC Blockerをオンにしておかないと直流信号が発生してスピーカーを傷めることがあるので注意。
・MSaturator
クリッパーに近い動作をするサチュレーターです。
透明な歪みが得られることが特徴(透明っつってもAirwindowsのそれとは異なりラウドな方向性)。ハーモニクス調整とかいう謎機能まで備えています。Pro版にしないとオーバーサンプリングが不可で、エイリアシングが出るのが嫌なので私は使っていないです。
・MWaveShaper
自由に描けるウェーブシェイパーです。プリセットも面白い。少し前に、Oxford Inflatorを再現したプリセットが出回ったりしましたね。
無料で使っているとオーバーサンプリング不可能なので、繊細な用途には不向きです。クリエイティブなサウンドデザイン用としては十分楽しめるかと思いますが、私はDistocoreのDisto: FXの方が好きだったり……。
・MBitFun
まあ……その……ビットクラッシャーです。
ビットクラッシャーなのですが、オーディオシグナルのビット数を減らすだけでなく、どうやらそのビットを書き換えられるようなのです。何でしょうか。この……
メチャクチャな音になりますが、ディストーションによくあるクリッパー的な歪み方をさせないこともできるのでサウンドデザインに使えるかもしれません。基本、左にあるビットを書き換えた方が効果は大きいようです。
商用だと、United PluginsのBitPunkと近いです。
・MStereoExpander
ステレオイメージャーです。
簡単操作です。素朴にSideゲインを上げるだけのものではなく、完全モノラル対応なので安心安全。ただし最初からモノラルのソースを広げることはできません。
ちゃっかり指定した周波数帯域にのみ適用することが可能なので、低音を広げることなくステレオ幅を確保することができます。私はしばらく勘違いしていましたが、ステレオを狭めることはできない模様。
・MSpectralPan
フリーでは非常に珍しいのですが(商用ならbx_PanEQがある)、周波数帯域ごとにパンニングができるプラグインです。
応用次第では大変便利なことになると思います。ただし、原理上大きめのレイテンシーが発生します。
ちなみにフリーのAnarchy Sound SoftwareのSpectralAutoPan(64bit対応)が類似エフェクトとして存在します。こちらはオートパンなのでモジュレーションもできます。
・MFreqShifter
フリケンシーシフターはピッチシフターではありません!
フリケンシーシフター+ディレイです。Valhallaもフリーで同様のものを出していて、そっちの方がつまみの応答が良い気がするのでそっちでいいかもしれないんですが、MeldaのほうがLFOの形状が自由です。
・MRingModulator
強力なオシレーターを2基搭載し、何も知らずに入ってくるオーディオ信号に情け容赦ないモジュレーションを掛けてめちゃくちゃにします。オシレーター同士で変調も可能なのが面白いです。好きな人は好きでしょう。
・MComvolutionEZ
ごくシンプルなコンボリューションリバーブです。フリーでもう少し高機能なものがいくつかありますが、付属のIRは割と面白いので使用価値はあります。やや軽いしね。
・MCharmVerb
V14.04より追加されたアルゴリズミックリバーブです。
暗く金属的な響きなので、個人的には好みに合わない音色なのですが、あまりリバーブプラグインを持っていない人なら選択肢にはなるかも。アルゴリズムをランダムに変えられるので、マグレで生まれ変わる可能性があるかもしれないです。
・MAutoPitch
Melda版オートチューンです。
この分野で有名なフリープラグインKeroVeeは64bit非対応ですが、MAutoPitchではある程度それを補完することができます。残念ながらピッチシフトはできませんが、フォルマントシフトやダブリングならできます。が、Auburn SoundsのInner PitchとGraillonを組み合わせても、近いことができそうです(Auburn Soundsのフリーものも非常に高品質です)。
・MBandPass
ローパスフィルタとハイパスフィルタのセットです。基本的にはMEqualizerの下位互換ですが、課金して(Pro版にして)モジュレーターをアンロックするとユニークなオートフィルターになります。まあ課金しない場合でもFlower Child FilterとTAL-Filter 2あたりでどうにかできますが。
・MRatio, MRatioMB
普通の入力とサイドチェーン入力をミックスし、任意の比率で出力するプラグイン。簡易ミックスバスにどうぞ。
MBが付くのはマルチバンド版で、ぐっと多機能になります。M社のマルチバンド系製品のうち唯一の無料製品なのですが、トランジェント成分のみを抽出できたりするなど、M社のバンドスプリッターの高性能さを垣間見ることができます。工夫次第ではクロスオーバーツールとして活用できるかも。
・MFreeFormPhase
最初目にした時にはマジで使い方が分からず、プリセットも一切入っていないので謎プラグインだったのですが、早い話周波数帯域ごとに微小なディレイをかけ、位相を調整するというもの。キックやベースを追い込む際に有用なようです。うまく使うと低音が綺麗に出るようになります。難しいプラグインですが、フリーでは貴重であることに間違いないですね。
・MAnalyzer
スペアナです。
VoxengoのSPANとかTDRのPrismとかのほうが視認性が高く、実用性もそちらが上だとは思いますが、MAnalyzerにはレファレンストラックと簡易的に比較するプリセットがあるので、そのために使うことになりそうですね。
・MOscilloscope
オシロスコープです。
内部にピッチ検知アルゴリズムが仕組まれていて、単音で楽音を鳴らすと一サイクルの波形をきれいに表示してくれます。これが出来るフリープラグインはおそらくほかに無いので、シンセサイザーのレビュー動画によく登場しているようです。
・MStereoScope
ステレオアナライザーです。
通常のステレオスコープのほか、左右の音量をヒストグラム的に表示するモードや、L,R,Mid,Sideチャンネルのみをリスニング出来るモードもあり、これがセンター定位でリスニング出来るので耳が疲れません(本来左からしか聞こえてこない音を真ん中から出してくれる)。
・MLoudnessAnalyzer
様々な規格に対応したラウドネスアナライザーです。
フリーではほかにYouleanのものが有名ですね。自動でターゲットラウドネスに調整する機能もありますが、当然リミッターなんてものはないので音は割れます。ああ無常。(一応右メニューにあるビルトインリミッターを使えば割れませんが、さすがにこういう用途は想定されてないと思います)
・MTuner
入ってきた音声のピッチを検出し、表示するだけのチューナープラグインです。
MIDIを吐かせられるので、後段に適当なシンセを置くことで目安となる音を出させることができたりします。マイクロチューニング対応しないかなあ。
最近のアップデートでなんとポリフォニックモードに対応したそうです。チューナーの常識を打ち破るなあ。
・MAGC
サイドチェーン入力に呼応するようにゲインを変化させるツール。いわば逆ダッカー。Speedをかなり高速にして前段に適当な音を置くことで、最近流行中?のノイズフォロワーっぽい動作をさせることができます。
本来は、エフェクトをかけてラウドネスが変化することを抑えるためのツールです。他のエフェクトの直後に挿して、エフェクト直前の音を何らかの形でサイドチェーン入力して使います。DAWをどう操作したらそういうことが出来るのか私は知らない。
・MOscillator
ただ音を鳴らすだけのオシレーターですが、一応MIDI信号を受け取るので楽器です。テルミンごっこなどにどうぞ。課金してモジュレーターをアンロックすることで、サブハーモニックジェネレーターに化けるはずです。
ここのオシレーターは形状が自由で、しかもエイリアスが少ないことがウリです。仕組み的には加算合成式なのでしょうが、その割にはCPU効率が良いです。不思議ですね。
・MNoiseGenerator
ノイズを出力するだけのプラグインです。
4タイプのノイズが選べます。イコライザーが内蔵されているので、オートメーションすればノイズスウィープがこれ一台で作れます。
とはいえこいつは課金するとモジュレーター付きになり、ドラムサウンドとかをノイズで補強する便利マンに化けます。一応プリセットのうちの一つがそうした使い方を想定したもので、マルチパラメーターを調整することで割と実用的なノイズフォロワーになるかと。
・MChannelMatrix
LとかRのチャンネルを通したり通さなかったりするやつです。音源のモノラル化をすることができます。それだけです。
・MUtility
小道具セットです。使い方を間違えるととんでもなく音量が大きくなったりDCオフセットが大量に発生したりする危険な道具箱ですが。
LRスワップからDSP数式打ち込み窓までいろいろ揃っております。数式窓とかロマン有りすぎてアリストテレスになってしまう。実用性のあるものもあれば、ないものもあります。好きな人は好きでしょう。私は好きです。くれぐれも音量にはご注意を……。
真面目な用途ではステレオ幅を狭めたり、DAWの再生を止めた時に音を絶対止めたりなどができますよ。ちなみに数式窓に関してはSocalabsのMathsのほうがより高機能な気がします。数式で音を変えたいならMathsがおすすめ。
・MCCGenerator
MIDIのコントロールチェンジ(CC)信号を吐き出すプラグインです。これを使うことで、DAWのオートメーション側でCCを書き込むことができるようになります。コントロールの自由度が低いプラグインの補助として使えますね。
課金するとモジュレーターが使えるようになり、かなり出来ることが増えます。事実上、あらゆるCC入力に対応したプラグインのエンベロープやLFOを外付けできるようになります。完全無料が良いなら、GSDSPのMMM、あるいはCCStepperやMidiShapeShifter(不安定)で似たようなことができますね。DAWによってはDAW側の機能で代用できる場合もありそう。
・MMetronome
ちっちゃな愛すべきメトロノームです。V14.00現在では一拍子のプロジェクトでGUIを開くとクラッシュするのですが、MeldaProductionの辞書に一拍子の文字は無いのでしょうか。
・MRecorder
音声入力をそのままWavファイルにするプラグインです。
DAWから音声を書き出す目的では、当然DAWのレンダリングや録音機能の方が良いです。MRecorderの用途としては、例えばDAWからオートメーション出来ないパラメーターをどうしてもライブで動かしたい場合とか、プラグインとの相性問題でどうしてもレンダリングがうまくいかない場合の応急処置とか……。
・MNotepad
メモ帳です。フォントスタイルが変えられるように見えますが、全体を一括で変えてしまうのでリッチテキストではありません。2バイト文字、すなわち日本語には非対応なので外国語で書いてください。なんだそれ。
・番外編:Monastery Grand
Melda版UVI FalconみたいなMSoundFactory(無料のPlayer版あり)というソフトで使えるフリーのピアノ音源です。ギガバイト単位のサンプルが含まれているほか、独特な音が出る「Creative版」も同梱されています。地味に豊富なフリーピアノ音源の中でも、複数マイクで収録されているものは地味に貴重です。一応今後個別記事のネタにすることにします。しました。
いかにもチェコのピアノって感じの音です。根拠はないですが
正直もう書くの疲れたわ みんなよろしくね
MeldaProduction(https://www.meldaproduction.com/)のフリープラグインバンドルについて、日本では結構過小評価されてるなあと感じたので、バンドルに含まれる全プラグインをここで簡単にご説明いたそうかなーと思いこの記事を書きました。
MeldaProduction(以降M社と表記)はまあまあの価格で超多機能なオタクプラグインを作ることで有名なメーカーです。以前は割安な製品が多かったのですが、最近は他社がもっと割安にプラグインを売るようになったので逆風気味です。が、Meldaのプラグインは何かと融通が利くので、代替不可能な魅力があるのは事実です。
私は単にM社のフリープラグインが便利だからM社推しなのであって、別にM社に一銭も金を落としたわけではないので、こんな記事を書いて、あまつさえ会社をアルファベット一文字に略してしまってもいいのだろうか…………。ごめんねM。
Mのプラグインに共通する特長
1.動作が非常に軽快
2.音は良いことが多い(正直リバーブは微妙だと思うが)
3.Mid/Sideのみの処理が可能(ただしMid/Sideに別設定を適用するにはプラグインが2つ必要)
4.AGC装備(要するに処理前と処理後の音量自動マッチ。音量変化によって音色そのものの変化に気づかなくなることを防止するための機能。便利なんですよこれが)
5.マルチパラメータ対応(マクロパラメータと呼ぶメーカーもありますね。Mのこれは設定が面倒な分高機能です。面倒だけど)
6.全製品で操作が共通化されている(難解なイメージに反し、一つのプラグインで操作を覚えれば、ほかに応用が利きます)
Mのプラグインに共通する弱点
1.ワークフローが練られておらず、微妙に使いにくいことがしばしば
2.パラメータの意味が分かるまでは難解に感じがち(とりあえず触ってみるくらいの姿勢がベストか)
3.見た目がダサい → 最近は見た目面で改良が入り、少しだけマシになりました
Meldaのフリープラグインは無料で使用可能ですが、6000円ほど(たまに半額になる)でProバージョンにアップグレード可能です。ウィンドウサイズが可変になったり、その他いろいろとProになるのですが、詳細についてはMeldaのサイトでご確認をお願いします。
以下思いついた順
・MEqualizer

つまらなそうな見た目ですが、普通に便利なイコライザーです。フリーでは若干貴重なアナライザー付き。もうアナライザーがないとEQできませんね。
まあ、普通のEQなんですが、とにかく扱いやすくて軽いんですよね。これがあると、「当面の間はデジタル系EQを金出して買わなくてもいいかな~」なんて気分になります。これは憶測ですが、こいつが無料なせいで世界中のプラグインEQの潜在的な需要が大分減ってます。それくらい便利なんです。音質についてはあまり評判を聞きませんが、5年使って「音が悪い」と感じたことはないです。そもそもEQの音質なんて大体全部一緒です。
無料で使えるアナライザー付きEQは、有名なNOVAや、リニアフェーズ機能の付いたQRange、最近はiZotope謹製のOzoneのEQもあるのですが、少なくとも動作の軽さ、UIの見易さ、ワークフローの速さという点において、MEqualizerは他のフリーEQの追随を許さないと思います。全トラックに挿せる無料のEQプラグインは、2024年9月時点ではMEqualizer一択だと思います。
マルチパラメータやMIDI入力でちょっと面白いこともできます。ワウペダルの再現や、入力されたMIDIの音高・ベロシティに合わせたEQなど。どれもこれも設定が難解かつ面倒ですが、手間に見合う価値はあります(特にBMS制作時など)。
・MCompressor

これもすごいですよ。
ということでどうすごいかを一枚の画像で伝えます。一見普通のコンプですが、RMS検知とCustom shape機能のおかげでかなり応用が利くんですね。あと軽い。
特に、Custom shape機能は非常に珍しい機能です。珍しいから使いにくいのかといえばそういうわけもなく、キックに合わせてベースの音量を引っ込める、いわゆる「ダッキング」を作る際に便利なのです。
通常のコンプレッサーを使ってダッキングを作ると、ベースが潰れすぎたり、コンプのリリースが不自然になったりと、良い結果がなかなか生まれません。しかし、MCompressorなら、自分で理想のカーブを描けますし、画像の通りメーターも付いているので視認性も良好です。(有料製品を含めた)世の中のコンプレッサーの中で、最も正確にダッキングのグルーヴを作れるコンプと言っても過言じゃないでしょう。
ここまで高機能なのになぜかDry/Wetパラメータがないことだけが残念です。
コンプの効き自体は良くも悪くも機械的なので、アナログコンプレッサーのようなスムーズな圧縮をお求めならば、TDR KotelnikovやFirCompがおすすめです。
・MAutopan, MFlanger, MPhaser, MTremoro, MVibrato

モジュレーション系を全部まとめました。
これらのエフェクトは基本LFOで駆動されるヤツですが、そのLFOの形状が非常に自由です。手書き可能。ステップシーケンサーも適用可能。その他諸々。……つまり、MTremoroはトランスゲートやダッキングの代用になりますし、MVibratoはステレオワイドナーの代用になります。
どれもそれなりに高機能で、無茶なセッティングでも音が破綻しません。しかも軽い。効き自体はベーシックで面白味もありませんが、モジュレーション系エフェクトが必要な時の第一候補になってくれると思います。
(良くも悪くも?)ユニークなプリセットが多数用意されているのも特徴で、飛び道具としての利用も楽しそうですね。MFlangerは3種類の質感が選べて楽しいのと、MVibratoはレコード風ワープ効果が得られて楽しいということも記しておきます。
・MComb
多機能コムフィルターです。
贅沢にも4つのフィルターを搭載しているので結構面白い音作りができそうです。内蔵モジュレーターは無料で使っていると編集できませんが、逆にこれが使えるようになるとさらに面白くなりそう。プリセットが超面白いです(実用性はともかく)。
設定可能な周波数帯域がかなり広いため、ディレイとしても使えなくないです。また、ユニークな空間系エフェクトとしても使え、そうしたプリセットもいくつか用意されています。
隠し味から大胆なサウンドデザインまで使える陰の功労者です。
・WWaveFolder
最初見たときはウェーブフォルダーって何だ? と思いました。波形を途中で折り返すタイプのデジタルディストーションの一種です。加減によってはFMシンセっぽい音になったり、モジュラーシンセっぽい音になったりします。使いどころが難しいですが、フリープラグインとしては貴重です。
Driveはアルゴリズムに突っ込む音量だろうし、Characterは歪みの激しさ、Symmetryは音の鋭さ、Non-linearityは音のブツブツ感を調整するのかな? プリセットを探ってみるとなかなか面白いです。
数あるMeldaのフリープラグインのうち、現時点で唯一無料版でもオーバーサンプリングが使えます。作者の愛でしょうか。DC Blockerをオンにしておかないと直流信号が発生してスピーカーを傷めることがあるので注意。
・MSaturator
クリッパーに近い動作をするサチュレーターです。
透明な歪みが得られることが特徴(透明っつってもAirwindowsのそれとは異なりラウドな方向性)。ハーモニクス調整とかいう謎機能まで備えています。Pro版にしないとオーバーサンプリングが不可で、エイリアシングが出るのが嫌なので私は使っていないです。
・MWaveShaper
自由に描けるウェーブシェイパーです。プリセットも面白い。少し前に、Oxford Inflatorを再現したプリセットが出回ったりしましたね。
無料で使っているとオーバーサンプリング不可能なので、繊細な用途には不向きです。クリエイティブなサウンドデザイン用としては十分楽しめるかと思いますが、私はDistocoreのDisto: FXの方が好きだったり……。
・MBitFun
まあ……その……ビットクラッシャーです。
ビットクラッシャーなのですが、オーディオシグナルのビット数を減らすだけでなく、どうやらそのビットを書き換えられるようなのです。何でしょうか。この……
メチャクチャな音になりますが、ディストーションによくあるクリッパー的な歪み方をさせないこともできるのでサウンドデザインに使えるかもしれません。基本、左にあるビットを書き換えた方が効果は大きいようです。
商用だと、United PluginsのBitPunkと近いです。
・MStereoExpander
ステレオイメージャーです。
簡単操作です。素朴にSideゲインを上げるだけのものではなく、完全モノラル対応なので安心安全。ただし最初からモノラルのソースを広げることはできません。
ちゃっかり指定した周波数帯域にのみ適用することが可能なので、低音を広げることなくステレオ幅を確保することができます。私はしばらく勘違いしていましたが、ステレオを狭めることはできない模様。
・MSpectralPan
フリーでは非常に珍しいのですが(商用ならbx_PanEQがある)、周波数帯域ごとにパンニングができるプラグインです。
応用次第では大変便利なことになると思います。ただし、原理上大きめのレイテンシーが発生します。
ちなみにフリーのAnarchy Sound SoftwareのSpectralAutoPan(64bit対応)が類似エフェクトとして存在します。こちらはオートパンなのでモジュレーションもできます。
・MFreqShifter
フリケンシーシフターはピッチシフターではありません!
フリケンシーシフター+ディレイです。Valhallaもフリーで同様のものを出していて、そっちの方がつまみの応答が良い気がするのでそっちでいいかもしれないんですが、MeldaのほうがLFOの形状が自由です。
・MRingModulator
強力なオシレーターを2基搭載し、何も知らずに入ってくるオーディオ信号に情け容赦ないモジュレーションを掛けてめちゃくちゃにします。オシレーター同士で変調も可能なのが面白いです。好きな人は好きでしょう。
・MComvolutionEZ
ごくシンプルなコンボリューションリバーブです。フリーでもう少し高機能なものがいくつかありますが、付属のIRは割と面白いので使用価値はあります。やや軽いしね。
・MCharmVerb
V14.04より追加されたアルゴリズミックリバーブです。
暗く金属的な響きなので、個人的には好みに合わない音色なのですが、あまりリバーブプラグインを持っていない人なら選択肢にはなるかも。アルゴリズムをランダムに変えられるので、マグレで生まれ変わる可能性があるかもしれないです。
・MAutoPitch
Melda版オートチューンです。
この分野で有名なフリープラグインKeroVeeは64bit非対応ですが、MAutoPitchではある程度それを補完することができます。残念ながらピッチシフトはできませんが、フォルマントシフトやダブリングならできます。が、Auburn SoundsのInner PitchとGraillonを組み合わせても、近いことができそうです(Auburn Soundsのフリーものも非常に高品質です)。
・MBandPass
ローパスフィルタとハイパスフィルタのセットです。基本的にはMEqualizerの下位互換ですが、課金して(Pro版にして)モジュレーターをアンロックするとユニークなオートフィルターになります。まあ課金しない場合でもFlower Child FilterとTAL-Filter 2あたりでどうにかできますが。
・MRatio, MRatioMB
普通の入力とサイドチェーン入力をミックスし、任意の比率で出力するプラグイン。簡易ミックスバスにどうぞ。
MBが付くのはマルチバンド版で、ぐっと多機能になります。M社のマルチバンド系製品のうち唯一の無料製品なのですが、トランジェント成分のみを抽出できたりするなど、M社のバンドスプリッターの高性能さを垣間見ることができます。工夫次第ではクロスオーバーツールとして活用できるかも。
・MFreeFormPhase
最初目にした時にはマジで使い方が分からず、プリセットも一切入っていないので謎プラグインだったのですが、早い話周波数帯域ごとに微小なディレイをかけ、位相を調整するというもの。キックやベースを追い込む際に有用なようです。うまく使うと低音が綺麗に出るようになります。難しいプラグインですが、フリーでは貴重であることに間違いないですね。
・MAnalyzer
スペアナです。
VoxengoのSPANとかTDRのPrismとかのほうが視認性が高く、実用性もそちらが上だとは思いますが、MAnalyzerにはレファレンストラックと簡易的に比較するプリセットがあるので、そのために使うことになりそうですね。
・MOscilloscope
オシロスコープです。
内部にピッチ検知アルゴリズムが仕組まれていて、単音で楽音を鳴らすと一サイクルの波形をきれいに表示してくれます。これが出来るフリープラグインはおそらくほかに無いので、シンセサイザーのレビュー動画によく登場しているようです。
・MStereoScope
ステレオアナライザーです。
通常のステレオスコープのほか、左右の音量をヒストグラム的に表示するモードや、L,R,Mid,Sideチャンネルのみをリスニング出来るモードもあり、これがセンター定位でリスニング出来るので耳が疲れません(本来左からしか聞こえてこない音を真ん中から出してくれる)。
・MLoudnessAnalyzer
様々な規格に対応したラウドネスアナライザーです。
フリーではほかにYouleanのものが有名ですね。自動でターゲットラウドネスに調整する機能もありますが、当然リミッターなんてものはないので音は割れます。ああ無常。(一応右メニューにあるビルトインリミッターを使えば割れませんが、さすがにこういう用途は想定されてないと思います)
・MTuner
入ってきた音声のピッチを検出し、表示するだけのチューナープラグインです。
MIDIを吐かせられるので、後段に適当なシンセを置くことで目安となる音を出させることができたりします。マイクロチューニング対応しないかなあ。
最近のアップデートでなんとポリフォニックモードに対応したそうです。チューナーの常識を打ち破るなあ。
・MAGC
サイドチェーン入力に呼応するようにゲインを変化させるツール。いわば逆ダッカー。Speedをかなり高速にして前段に適当な音を置くことで、最近流行中?のノイズフォロワーっぽい動作をさせることができます。
本来は、エフェクトをかけてラウドネスが変化することを抑えるためのツールです。他のエフェクトの直後に挿して、エフェクト直前の音を何らかの形でサイドチェーン入力して使います。DAWをどう操作したらそういうことが出来るのか私は知らない。
・MOscillator
ただ音を鳴らすだけのオシレーターですが、一応MIDI信号を受け取るので楽器です。テルミンごっこなどにどうぞ。課金してモジュレーターをアンロックすることで、サブハーモニックジェネレーターに化けるはずです。
ここのオシレーターは形状が自由で、しかもエイリアスが少ないことがウリです。仕組み的には加算合成式なのでしょうが、その割にはCPU効率が良いです。不思議ですね。
・MNoiseGenerator
ノイズを出力するだけのプラグインです。
4タイプのノイズが選べます。イコライザーが内蔵されているので、オートメーションすればノイズスウィープがこれ一台で作れます。
とはいえこいつは課金するとモジュレーター付きになり、ドラムサウンドとかをノイズで補強する便利マンに化けます。一応プリセットのうちの一つがそうした使い方を想定したもので、マルチパラメーターを調整することで割と実用的なノイズフォロワーになるかと。
・MChannelMatrix
LとかRのチャンネルを通したり通さなかったりするやつです。音源のモノラル化をすることができます。それだけです。
・MUtility
小道具セットです。使い方を間違えるととんでもなく音量が大きくなったりDCオフセットが大量に発生したりする危険な道具箱ですが。
LRスワップからDSP数式打ち込み窓までいろいろ揃っております。数式窓とかロマン有りすぎてアリストテレスになってしまう。実用性のあるものもあれば、ないものもあります。好きな人は好きでしょう。私は好きです。くれぐれも音量にはご注意を……。
真面目な用途ではステレオ幅を狭めたり、DAWの再生を止めた時に音を絶対止めたりなどができますよ。ちなみに数式窓に関してはSocalabsのMathsのほうがより高機能な気がします。数式で音を変えたいならMathsがおすすめ。
・MCCGenerator
MIDIのコントロールチェンジ(CC)信号を吐き出すプラグインです。これを使うことで、DAWのオートメーション側でCCを書き込むことができるようになります。コントロールの自由度が低いプラグインの補助として使えますね。
課金するとモジュレーターが使えるようになり、かなり出来ることが増えます。事実上、あらゆるCC入力に対応したプラグインのエンベロープやLFOを外付けできるようになります。完全無料が良いなら、GSDSPのMMM、あるいはCCStepperやMidiShapeShifter(不安定)で似たようなことができますね。DAWによってはDAW側の機能で代用できる場合もありそう。
・MMetronome
ちっちゃな愛すべきメトロノームです。V14.00現在では一拍子のプロジェクトでGUIを開くとクラッシュするのですが、MeldaProductionの辞書に一拍子の文字は無いのでしょうか。
・MRecorder
音声入力をそのままWavファイルにするプラグインです。
DAWから音声を書き出す目的では、当然DAWのレンダリングや録音機能の方が良いです。MRecorderの用途としては、例えばDAWからオートメーション出来ないパラメーターをどうしてもライブで動かしたい場合とか、プラグインとの相性問題でどうしてもレンダリングがうまくいかない場合の応急処置とか……。
・MNotepad
メモ帳です。フォントスタイルが変えられるように見えますが、全体を一括で変えてしまうのでリッチテキストではありません。2バイト文字、すなわち日本語には非対応なので外国語で書いてください。なんだそれ。
・番外編:Monastery Grand
Melda版UVI FalconみたいなMSoundFactory(無料のPlayer版あり)というソフトで使えるフリーのピアノ音源です。ギガバイト単位のサンプルが含まれているほか、独特な音が出る「Creative版」も同梱されています。地味に豊富なフリーピアノ音源の中でも、複数マイクで収録されているものは地味に貴重です。一応今後個別記事のネタにすることにします。しました。
いかにもチェコのピアノって感じの音です。根拠はないですが
正直もう書くの疲れたわ みんなよろしくね
コメント
コメント一覧 (1)
とても勉強になりました
文章がとても面白くてときどき吹き出しそうになったり
>MeldaProductionの辞書に一拍子の文字は無い
ないんでしょうねー
そもそも1拍子の音楽自体存在しないのかもしれませんがw
他の記事も読ませていただきます
ありがとうございます!
RykSeb(硫化西部)
が
しました