タイトルの通りです
新しいおもちゃが欲しくなったので、Hunble BundleでIK Multimedia製品をいくつか購入してきました。
ちゃんとしたレビューはまたの機会にやるとして、今(2025年11月)は10月のGroup Buyの引き換え先を迷っている方もいると思いますので、製品概要(主に公式ページには載っていない情報)と所感をメモだけしておきます。
免責:あくまでアマチュアが数十分触っただけの感想なので、この記事だけを見て、製品の品質や、実際の楽曲制作に役立つか否かのジャッジは行わないでください。
音質や実用性については素人の私からのコメントは控えますが、良いと思った点と注意点を整理します。
良いと思った点
音の均質性
これはSampleTank付属のピアノ音源よりも格段に優れています。弾きやすく、打ち込みもしやすい音源だと思います。
音のドライさ
元々のサンプルに部屋に由来する残響音がほとんど入っていないため、IRリバーブをかけた時の空気感が自然だと感じられます。
ソフトの多機能さと、それに由来するプリセットの使い勝手
EQコンプのみならず、リバーブ・コーラスも搭載されているので、プラグイン単体で音作りが完結します。私のようなMIX初心者にとってピアノに対するEQやコンプは難しいので、そこも含めてPianoverse内のプリセットで完結させられるのは嬉しい点だと思います。
同じIK製のSampleTank4には使いどころの無いプリセットが多い印象でしたが、Pianoverseはプリセット1個ごとにそれなりの発見がありました。質も担保されているかなと思います。
注意点
弦の共鳴の不正確さ
ダンパーペダルを踏むと弦の共鳴音は聞こえますが、倍音構成に基づいた厳密な再現ではありません。DTMの打ち込みで使う分には不自由ないと思いますが、電子ピアノの音源グレードアップ用として使う層からは海外フォーラムを中心に批判が散見されています。
音作りの自由度の小ささ
収録マイク数は2種類しかなく、どちらか片方を選ぶ方式のため、多数のマイクを自在にブレンドできる他社製ピアノ音源と比べると、決して音作りの幅が広くはありません。プリセットをざっと聴くと、全体的に近い距離感の音が得意そうでした。
容量の大きさ
ピアノ1機種あたり25GB前後という容量をどう捉えるかは人によるところでしょう。一般的な3.5インチHDDに入れると音源のロードに2分程かかります。
全モデルを入れると200GB前後になりますし、(こう言ってはなんですが)どのピアノもEQコンプをかけてしまえば似たり寄ったりな音にはなるので、こだわりがない方はある程度取捨選択した方が良いと思います。
手に入れたライブラリ2点について所感
Pianoverse Royal Upright
YAMAHAのアップライトピアノ「U5」のサンプリング。実は60年物のビンテージピアノです。当時のヤマハは戦前のハンドメイド路線からは脱しており大量生産メーカーだったらしいですが、適切にリストアされた当時のヤマハは中古市場でも評価が高いようですね(U5の中古相場が50万前後。高級ブランドでもないし、年式の古さも考えると相当な高評価だと感じます)。なんともマニアックなセレクション。
日本らしい明るい音色で、音の減衰は早め。スピーディーな雰囲気も感じられる一方、アップライトピアノのため低音域は軽めです。
アップライトピアノは音源としては見逃されがちな印象ですが、低音の軽さも相まってミックスはしやすそうですし、後述するBlack Pearlとどっちを自分の曲で使いたいかといえばこっちです。
Pianoverse Black Pearl B200
ベーゼンドルファーのセミコンサートピアノ「214VC」のサンプリング。これが泣く子も黙る超高級楽器でして、実機の中古市場での価格は「YAMAHA U5」の30倍は下らないでしょう(欧米産の手作りグランドピアノは大体どれも超高額なのですが)。横浜のベーゼンドルファーのショールームで新品の展示があると思いますが、現在は予約制となってしまったので物見遊山での入場は厳しい状態です。
ベーゼンドルファーは他社のピアノ(特にヤマハ・カワイやスタインウェイ)と比べるとアタックが遅く、中域の暖かい倍音が特徴であり、しかも強弱による音色変化にも鋭敏である、と語られます。その反面、わずかな力加減のミスで音が濁りやすく、ピアニストにとっては難しいピアノであるとも言われています。
クラシック界で人気のピアノですが、プリセットにはジャズを意識したものもあります。しかし最も多いのが、アンビエントやイージーリスニングを意識したロングリバーブのプリセットです。
Pianoverseには(なぜか)もう一台ベーゼンドルファーが収録されており、Black Diamond B280というフルコンサートピアノがあるのですが、それとの違いはよく分からないのでご自身の耳で判断ください。一般論として、ピアノは大型になるほど低域が出やすく、強弱による音色変化が大きくなりやすいと聞いたことがありますが、スペクトル幅もダイナミクスも広がった分、ミキシングは難しくなるのでは?と思ったりします。
ドラムは叩いたことが無いのでサラっと行きます。
良いと思った点
シンバル系を選ぶだけで音の雰囲気を大きく変えられる
シンバルって見た目同じでも全部音違うんですね
音作りが面白い
どちらかというと普段電子ドラムを使っているので、そういう感覚でアコースティックドラムの音作りもできるのは面白く感じます。
自由度、という点だと、もう少しドラスティックに音が変化できたほうが面白く感じたかもですが、リアリティを損なわない程度に抑えたのもIKの采配の範疇かなと。
注意点
素人目で見てもあまりリアルな音には聞こえない
主にアタック部分に「物理モデリングですよ」感があります。個人的には、まぁそれでも良いんじゃないという感じですが、ネット上を見ると出音を酷評する向きもありますし、「ドラムが肝」な楽曲を作る場合はもっと良い製品があるかもしれません。
まぁ、大幅に値引きされているのであれば、私のような電子系を主に作る層の手にも届きやすくなるでしょうし、そういう用途であれば音のリアルさよりも、音作りの自由度のほうが重要になるかもしれません。
持っていないライブラリが選択肢から消えない
IKの悪癖ですが、キットカスタマイズ時とかに、所持していないライブラリもいちいち選択肢に表示してきます。それで、こちらが誤ってクリックすると「購入しますか?」などとご丁寧に表示してくるのです。やめてほしいです。
シンバルが同梱されたキットとされてないキットがあり、後者を買っても使えるシンバルは増えない
IKのライブラリのページには、下のほうにContentsという項目がありますが、そこにCymbalsの記述がないキットにはシンバルが付属しない模様。たとえば無料版を使っていて、MODO DRUM Silverキットだけを単体で買った場合、おそらくシンバルの選択肢は増加しません(未検証)。
例: Brit Customには、Contentsの項目にシンバルへの言及があるので、付属するだろうと読み取れる
例: Sliverにはシンバルの記述がない。のでおそらく付属しない?
この手の音源には詳しくなく、なおかつ他サイトで評価が出尽くした製品だと思うので飛ばします。やっぱり丁寧に作られてるとは思います。
これもMODO DRUM同様、持ってないライブラリをリストに表示するのをやめてほしい。
P.S.
Group Buyの交換先商品に迷っている方向け
以前書いていたSampleTank4の拡張音源類を8割くらい触った所感記事を紹介しておきます。
新しいおもちゃが欲しくなったので、Hunble BundleでIK Multimedia製品をいくつか購入してきました。
ちゃんとしたレビューはまたの機会にやるとして、今(2025年11月)は10月のGroup Buyの引き換え先を迷っている方もいると思いますので、製品概要(主に公式ページには載っていない情報)と所感をメモだけしておきます。
免責:あくまでアマチュアが数十分触っただけの感想なので、この記事だけを見て、製品の品質や、実際の楽曲制作に役立つか否かのジャッジは行わないでください。
Pianoverse
ピアノ専門音源。音質や実用性については素人の私からのコメントは控えますが、良いと思った点と注意点を整理します。
良いと思った点
音の均質性
これはSampleTank付属のピアノ音源よりも格段に優れています。弾きやすく、打ち込みもしやすい音源だと思います。
音のドライさ
元々のサンプルに部屋に由来する残響音がほとんど入っていないため、IRリバーブをかけた時の空気感が自然だと感じられます。
ソフトの多機能さと、それに由来するプリセットの使い勝手
EQコンプのみならず、リバーブ・コーラスも搭載されているので、プラグイン単体で音作りが完結します。私のようなMIX初心者にとってピアノに対するEQやコンプは難しいので、そこも含めてPianoverse内のプリセットで完結させられるのは嬉しい点だと思います。
同じIK製のSampleTank4には使いどころの無いプリセットが多い印象でしたが、Pianoverseはプリセット1個ごとにそれなりの発見がありました。質も担保されているかなと思います。
注意点
弦の共鳴の不正確さ
ダンパーペダルを踏むと弦の共鳴音は聞こえますが、倍音構成に基づいた厳密な再現ではありません。DTMの打ち込みで使う分には不自由ないと思いますが、電子ピアノの音源グレードアップ用として使う層からは海外フォーラムを中心に批判が散見されています。
音作りの自由度の小ささ
収録マイク数は2種類しかなく、どちらか片方を選ぶ方式のため、多数のマイクを自在にブレンドできる他社製ピアノ音源と比べると、決して音作りの幅が広くはありません。プリセットをざっと聴くと、全体的に近い距離感の音が得意そうでした。
容量の大きさ
ピアノ1機種あたり25GB前後という容量をどう捉えるかは人によるところでしょう。一般的な3.5インチHDDに入れると音源のロードに2分程かかります。
全モデルを入れると200GB前後になりますし、(こう言ってはなんですが)どのピアノもEQコンプをかけてしまえば似たり寄ったりな音にはなるので、こだわりがない方はある程度取捨選択した方が良いと思います。
手に入れたライブラリ2点について所感
Pianoverse Royal Upright
YAMAHAのアップライトピアノ「U5」のサンプリング。実は60年物のビンテージピアノです。当時のヤマハは戦前のハンドメイド路線からは脱しており大量生産メーカーだったらしいですが、適切にリストアされた当時のヤマハは中古市場でも評価が高いようですね(U5の中古相場が50万前後。高級ブランドでもないし、年式の古さも考えると相当な高評価だと感じます)。なんともマニアックなセレクション。
日本らしい明るい音色で、音の減衰は早め。スピーディーな雰囲気も感じられる一方、アップライトピアノのため低音域は軽めです。
アップライトピアノは音源としては見逃されがちな印象ですが、低音の軽さも相まってミックスはしやすそうですし、後述するBlack Pearlとどっちを自分の曲で使いたいかといえばこっちです。
Pianoverse Black Pearl B200
ベーゼンドルファーのセミコンサートピアノ「214VC」のサンプリング。これが泣く子も黙る超高級楽器でして、実機の中古市場での価格は「YAMAHA U5」の30倍は下らないでしょう(欧米産の手作りグランドピアノは大体どれも超高額なのですが)。横浜のベーゼンドルファーのショールームで新品の展示があると思いますが、現在は予約制となってしまったので物見遊山での入場は厳しい状態です。
ベーゼンドルファーは他社のピアノ(特にヤマハ・カワイやスタインウェイ)と比べるとアタックが遅く、中域の暖かい倍音が特徴であり、しかも強弱による音色変化にも鋭敏である、と語られます。その反面、わずかな力加減のミスで音が濁りやすく、ピアニストにとっては難しいピアノであるとも言われています。
クラシック界で人気のピアノですが、プリセットにはジャズを意識したものもあります。しかし最も多いのが、アンビエントやイージーリスニングを意識したロングリバーブのプリセットです。
Pianoverse Black Pearl B200
— RykSeb@りゅうか (@RykSeb) November 1, 2025
音の距離感が近い pic.twitter.com/w4uGhtCFl3
Pianoverseには(なぜか)もう一台ベーゼンドルファーが収録されており、Black Diamond B280というフルコンサートピアノがあるのですが、それとの違いはよく分からないのでご自身の耳で判断ください。一般論として、ピアノは大型になるほど低域が出やすく、強弱による音色変化が大きくなりやすいと聞いたことがありますが、スペクトル幅もダイナミクスも広がった分、ミキシングは難しくなるのでは?と思ったりします。
MODO DRUM CS
ドラム専門音源。ドラムは叩いたことが無いのでサラっと行きます。
良いと思った点
シンバル系を選ぶだけで音の雰囲気を大きく変えられる
シンバルって見た目同じでも全部音違うんですね
音作りが面白い
どちらかというと普段電子ドラムを使っているので、そういう感覚でアコースティックドラムの音作りもできるのは面白く感じます。
自由度、という点だと、もう少しドラスティックに音が変化できたほうが面白く感じたかもですが、リアリティを損なわない程度に抑えたのもIKの采配の範疇かなと。
注意点
素人目で見てもあまりリアルな音には聞こえない
主にアタック部分に「物理モデリングですよ」感があります。個人的には、まぁそれでも良いんじゃないという感じですが、ネット上を見ると出音を酷評する向きもありますし、「ドラムが肝」な楽曲を作る場合はもっと良い製品があるかもしれません。
まぁ、大幅に値引きされているのであれば、私のような電子系を主に作る層の手にも届きやすくなるでしょうし、そういう用途であれば音のリアルさよりも、音作りの自由度のほうが重要になるかもしれません。
持っていないライブラリが選択肢から消えない
IKの悪癖ですが、キットカスタマイズ時とかに、所持していないライブラリもいちいち選択肢に表示してきます。それで、こちらが誤ってクリックすると「購入しますか?」などとご丁寧に表示してくるのです。やめてほしいです。
シンバルが同梱されたキットとされてないキットがあり、後者を買っても使えるシンバルは増えない
IKのライブラリのページには、下のほうにContentsという項目がありますが、そこにCymbalsの記述がないキットにはシンバルが付属しない模様。たとえば無料版を使っていて、MODO DRUM Silverキットだけを単体で買った場合、おそらくシンバルの選択肢は増加しません(未検証)。
例: Brit Customには、Contentsの項目にシンバルへの言及があるので、付属するだろうと読み取れる
例: Sliverにはシンバルの記述がない。のでおそらく付属しない?
MODO BASS 2 CS
エレキベース専門音源。(アップライトベースもある)この手の音源には詳しくなく、なおかつ他サイトで評価が出尽くした製品だと思うので飛ばします。やっぱり丁寧に作られてるとは思います。
これもMODO DRUM同様、持ってないライブラリをリストに表示するのをやめてほしい。
P.S.
Group Buyの交換先商品に迷っている方向け
以前書いていたSampleTank4の拡張音源類を8割くらい触った所感記事を紹介しておきます。
コメント