0. 音源について
ピアノをサンプリングして音源を作ってみました。当該音源はPianobookのアカウントがあれば無料でダウンロード可能です。音源の使用にはDecent Samperが必要です。
ノイズが多く本番制作に使える音質ではありませんが、ベロシティ感度を意図的に鈍感にしているので、安いMIDIキーボードでコード進行を確認したり曲のアイデアを練るなど、作曲・学習用途には向いているはずです。基音成分が豊富な音色なので不協和音のチェックにも向いていますし、Lofiな音楽であれば場合によってはそのまま本番に使えるかもしれません。
1. 作成方法
先日、色々あって個人的思い入れのある1台のピアノを触る機会を得ました。ので、手持ちのICレコーダーを床の上に置いて、響板の下から録音してみました。
作成手順を以下に示します。
ただしそれなりに根気の要る作業で、金銭的見返りも基本的に無いので、なるべくモチベが必要です。私の場合は、①サンプリング元のピアノが個人的に思い入れが深かった のに加え、②DAW無しで動作して曲のスケッチを考えるためのピアノ音源が欲しい の2点のモチベがありました。「なんとなく作ってみたい」程度のモチベでは多分完成しなかったでしょう。
また、どの程度のスペックの音源にするかは作り始める前に吟味しておく必要があります。この音源の場合、3ベロシティレイヤーで8ゾーンなのでWAV数は24です。この程度だと1~2時間程度の作業で、最低限音が出るものは作れます(調整と仕上げにかかる時間のほうが長い)。個人的にはもっと頑張れそうだったので、後日ウナコルダ・ペダルを踏んだバージョンも録音してWAV数14の追加音色を作りました。
2. 音声ファイルの扱いについて
スタジオで録音しない限り、ノイズ抑制処理は必須と思われます。私は馬鹿なので音をスライスしてからノイズ抑制処理を中途半端にやりましたが、ふつうはスライスする前に処理すべきです。
私みたいにSpectral Compressorの出力を位相反転するという無理しかない手法であっても、やらないよりはマシだと思います。iZotope RXなんかを使ったほうがもう少し精度高く処理できるかもしれません。フリーだと、今は入手困難かもしれないけど、BL-Denoizerが割と便利でした。
また、私はやりませんでしたが、スライス後の各WAVファイルはノーマライズしたほうが良いかもしれません。後でサンプラーに並べるときに、音量指定が若干楽になりそうなので。
難しいのが、録音結果を正確に自動スライスする方法がどうも思いつかない点ですね。Mid2BMSに限らず自動スライサーを使うと、どうしてもアタック感がバラける傾向にあり、結局手作業での補正が前提な感じになります。となると、大量のスライスを扱いやすくまとめられるスライサーかDAWが欲しいとなります。
具体的なDAW選びが出来る知識はありませんが、Reaperあたりはポスプロ用途も意識してバッチ処理に強いイメージがあるのでアリかと。ただ音源作りのためだけにDAWを買い足して学習するか?というとまた塩梅が難しいところ。
3. フォーマット選び、そしてdspresetパッチの作成について
アマチュアが手軽にパッチが作れるフォーマットは、Kontakt、EXS24、SFZ、Decent Samplerあたりでしょうか。中でも無償でプレイヤーが手に入るのはSFZとDecent Samplerです(EXS24もTX16Wxが部分対応していますが)。
SFZのほうが細かい機能が多く、音声のFLAC化などにも対応していますが仕様はやや難しめ。Decent SamplerはUIの自由度が高く、内蔵エフェクトが豊富ですが、SFZほど広い互換性は持ちません。UIやエフェクターも一体的に作成したいと考えるならDecent Samplerが良く、サンプル再生の自由度や本格性を求めるならSFZのほうが無難そう。対応ソフトはSFZのほうが圧倒的に多いのですが、sforzando以外のプレイヤーは機能面で不十分さが目立ち、sforzandoも大して使いやすいUIではないので、結果的にDecent Sampler形式のほうがUXに優れている印象になって(しまって)います。
SFZもDecent Sampler形式(dspreset)もテキストエディタで普通に作成可能ではありますが、チュートリアルを読まないと何が何だかなので、頑張って読みましょう。気になった音源の.sfz/.dspresetファイルをテキストエディタで開いて中身を確認するのも一つの手段です。
このパッチ作成が音源としての使い勝手を大きく左右するので、手は抜けません。Pianobookなんかでは、録音は良いのにパッチがイマイチ(操作子が少なすぎる、音量がバラバラなど)なことで使い勝手が低下してる音源をよく見かけます。
4. まとめ
今回は行き当たりばったりで作成してしまいましたが、一度作ると注意点とかも覚えられるので、次はもう少し実用性のある音源を作りたいものですね。なんとなく慣れ親しんだPianobookで公開しましたが、ちょっとビビるくらい大量にダウンロードされていて申し訳ない気持ちに。
とはいえ今回のピアノ並みにモチベを掻き立てられる楽器にいつ巡り合えるかは分かりません。Korgのmonologueなら持ってるけど、サンプラーに入れてまで使いたいとは思わないしなあ。
ピアノをサンプリングして音源を作ってみました。当該音源はPianobookのアカウントがあれば無料でダウンロード可能です。音源の使用にはDecent Samperが必要です。
ノイズが多く本番制作に使える音質ではありませんが、ベロシティ感度を意図的に鈍感にしているので、安いMIDIキーボードでコード進行を確認したり曲のアイデアを練るなど、作曲・学習用途には向いているはずです。基音成分が豊富な音色なので不協和音のチェックにも向いていますし、Lofiな音楽であれば場合によってはそのまま本番に使えるかもしれません。
1. 作成方法
先日、色々あって個人的思い入れのある1台のピアノを触る機会を得ました。ので、手持ちのICレコーダーを床の上に置いて、響板の下から録音してみました。
作成手順を以下に示します。
- ICレコーダーを、ピアノのペダルがあるあたりの床に立てて置く。
- 低音から高音、弱音から強音まで満遍なく音を出して録音する。(3段階のベロシティレイヤーをつけるつもりで)
- 録音結果をスライスする(Mid2BMSのgreen modeを使用したけど、この用途ではもっと良いスライサーがあったと思う)
- スライスして出来たWAVをリネームする(手作業)
- .dspresetファイルをテキストエディタで作成する。WAVの定義もここで行う
- 必要に応じて画像やUIなどを追加する
- 音域やベロシティごとに音量がバラバラなので、dspresetファイル内で調整する
- よく聞くと弱音WAVにノイズが超乗ってるので、一部のWAVをノイズ抑制プラグインで処理する
- ZIPに固めたら完成!
- Pianobookの規約をよく読んだうえでアップロードして公開(Boothや個人サイトで公開してもいいけど、結構日本ガラパゴスな形態なので欧米圏の人の目には留まらないと思う)
ただしそれなりに根気の要る作業で、金銭的見返りも基本的に無いので、なるべくモチベが必要です。私の場合は、①サンプリング元のピアノが個人的に思い入れが深かった のに加え、②DAW無しで動作して曲のスケッチを考えるためのピアノ音源が欲しい の2点のモチベがありました。「なんとなく作ってみたい」程度のモチベでは多分完成しなかったでしょう。
また、どの程度のスペックの音源にするかは作り始める前に吟味しておく必要があります。この音源の場合、3ベロシティレイヤーで8ゾーンなのでWAV数は24です。この程度だと1~2時間程度の作業で、最低限音が出るものは作れます(調整と仕上げにかかる時間のほうが長い)。個人的にはもっと頑張れそうだったので、後日ウナコルダ・ペダルを踏んだバージョンも録音してWAV数14の追加音色を作りました。
2. 音声ファイルの扱いについて
スタジオで録音しない限り、ノイズ抑制処理は必須と思われます。私は馬鹿なので音をスライスしてからノイズ抑制処理を中途半端にやりましたが、ふつうはスライスする前に処理すべきです。
私みたいにSpectral Compressorの出力を位相反転するという無理しかない手法であっても、やらないよりはマシだと思います。iZotope RXなんかを使ったほうがもう少し精度高く処理できるかもしれません。フリーだと、今は入手困難かもしれないけど、BL-Denoizerが割と便利でした。
また、私はやりませんでしたが、スライス後の各WAVファイルはノーマライズしたほうが良いかもしれません。後でサンプラーに並べるときに、音量指定が若干楽になりそうなので。
難しいのが、録音結果を正確に自動スライスする方法がどうも思いつかない点ですね。Mid2BMSに限らず自動スライサーを使うと、どうしてもアタック感がバラける傾向にあり、結局手作業での補正が前提な感じになります。となると、大量のスライスを扱いやすくまとめられるスライサーかDAWが欲しいとなります。
具体的なDAW選びが出来る知識はありませんが、Reaperあたりはポスプロ用途も意識してバッチ処理に強いイメージがあるのでアリかと。ただ音源作りのためだけにDAWを買い足して学習するか?というとまた塩梅が難しいところ。
3. フォーマット選び、そしてdspresetパッチの作成について
アマチュアが手軽にパッチが作れるフォーマットは、Kontakt、EXS24、SFZ、Decent Samplerあたりでしょうか。中でも無償でプレイヤーが手に入るのはSFZとDecent Samplerです(EXS24もTX16Wxが部分対応していますが)。
SFZのほうが細かい機能が多く、音声のFLAC化などにも対応していますが仕様はやや難しめ。Decent SamplerはUIの自由度が高く、内蔵エフェクトが豊富ですが、SFZほど広い互換性は持ちません。UIやエフェクターも一体的に作成したいと考えるならDecent Samplerが良く、サンプル再生の自由度や本格性を求めるならSFZのほうが無難そう。対応ソフトはSFZのほうが圧倒的に多いのですが、sforzando以外のプレイヤーは機能面で不十分さが目立ち、sforzandoも大して使いやすいUIではないので、結果的にDecent Sampler形式のほうがUXに優れている印象になって(しまって)います。
SFZもDecent Sampler形式(dspreset)もテキストエディタで普通に作成可能ではありますが、チュートリアルを読まないと何が何だかなので、頑張って読みましょう。気になった音源の.sfz/.dspresetファイルをテキストエディタで開いて中身を確認するのも一つの手段です。
このパッチ作成が音源としての使い勝手を大きく左右するので、手は抜けません。Pianobookなんかでは、録音は良いのにパッチがイマイチ(操作子が少なすぎる、音量がバラバラなど)なことで使い勝手が低下してる音源をよく見かけます。
4. まとめ
今回は行き当たりばったりで作成してしまいましたが、一度作ると注意点とかも覚えられるので、次はもう少し実用性のある音源を作りたいものですね。なんとなく慣れ親しんだPianobookで公開しましたが、ちょっとビビるくらい大量にダウンロードされていて申し訳ない気持ちに。
とはいえ今回のピアノ並みにモチベを掻き立てられる楽器にいつ巡り合えるかは分かりません。Korgのmonologueなら持ってるけど、サンプラーに入れてまで使いたいとは思わないしなあ。
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