前提
  • Novation社のMIDIキーボード Launchkey mini 37 MK4のレビュー記事です
  • 筆者はDAWでの作曲歴7年だが、現在は半分活動休止中…
  • 筆者はエレクトーンとmonologue(25鍵)を持っているが、専用のMIDIコントローラーを買うのは初
私はこの機材をシビアに使うつもりはないので、品質面の評価はあまりあてにしないでください。

購入の経緯
 個人的な話で恐縮ですが、私がMIDIキーボード購入を決めた根底の理由は「楽しく作曲を辞めるため」です。もう今まで通りに音楽活動はできない、と思えば寂しいものですが、手持ちのソフト音源を鍵盤で弾いて遊ぶ、と思えばまあ悪い生活ではないでしょう。

 さて私は長らくエレクトーンをMIDI鍵盤代用として使ってきましたが、これには次のような問題がありました。
  • エレクトーンは大きいので、PCの近くには置けない。
  • 手持ちのエレクトーンは年代物なので、強弱のニュアンスが出しにくい
  • モジュレーション・ピッチベンドなどのMIDI CCが入力できない
 また、Korgの卓上シンセmonologueも持っていましたが、これをMIDIコントローラー代わりに使うにも、次のような問題がありました。
  • 25鍵盤しかない(両手で引くにはまったく足りない)
  • 小さいとはいえPCの近くに置けるほどコンパクトではない
  • やっぱりシンセはシンセとして使いたい…
 ということなので、「37鍵盤以上」「PCの近くに置ける=ミニ鍵盤」「色々なMIDI CCが出力できる」コントローラーとして、このNovationのLaunchkey mini 37を購入しました。

製品の概要
Novation Launchkey mini 37 MK4は、2024年に発売されたミニ鍵盤MIDIコントローラーです。
この37鍵のミニ鍵盤キーボードというのが珍しく、ノブやパッドが付いているモデルに限ると、AKAIとNovationから一機種ずつ出ているだけだと思います。(記事の執筆時点での話)

多機能な機材ですが、個人的に面白いと感じたのはこのあたりです。
  • ドラムパッドがアフタータッチ対応
  • コードメモリー機能
  • カスタムモードを設定すれば、計64種のMIDI CC出力に対応するロータリーエンコーダ
製品特性の似たAKAIのMPK mini plusと比べると、ざっくりAKAIは演奏寄り、Novationは制作寄りのスペックを持っていると感じました。もちろん一言で言い切れるものではありませんが。

製品レビュー
鍵盤について
思いついたメロディーとコードを同時に弾く程度なら快適に演奏可能です。ただし、複雑な和音になるほどミスタッチしやすいです。

タッチは良くも悪くもありません。程よい反発があるので強弱は付けられますが、少しナイーブなところがあるので、ピアノ音源を弾くとデコボコした不自然な演奏になります。(ベロシティカーブを調整すればその限りではないのか?)

AKAIのミニ鍵盤の方がストロークが深い分若干良いと思いますが、しょせんミニ鍵盤である以上、演奏性には大差ないとは思います。ミニ鍵盤が『長所』と感じられるかどうかだと思います。

パッドについて
アフタータッチは意外と綺麗に効きます。物理モデル音源と組み合わせることで、鍵盤にはできない演奏表現が可能です。ただし、力加減が難しく、力を抜こうとして音を切ってしまう場面も多いです。


LED搭載でカラフルに光りますが、常時点けていると眩しいと感じます。普段はパッドを消灯するようカスタムモードを作って設定しました。

エンコーダーについて
全体的に、演奏表現には向かないと思います。回す速度によってMIDIの出力に加速度がつく上に、加速度の調整はできません。また、つまみ同士の間隔が狭すぎて、操作中に隣のつまみに触るミスが多発します。データ入力用と割り切るべきです。

機能面について
コードメモリー機能は結構楽しいです。トランスポーズも出来るので、転調も楽です。ただし、同時に16種類までしかコードを記憶できません。これは少しもったいないと感じます。

アルペジエーターとシーケンサーも付いています。個人的にあまり使わない機能ですが、ハードを主に扱う層からは重宝されそうです。

専用のユーティリティソフトから、パッドとエンコーダーの動作をカスタマイズできます。結構細かく設定可能で、NRPNの出力や、キーマクロ(Ctrl+Sなど)出力も可能です。カスタムした動作は本体に保存されます。

DAW連携機能ですが、なぜか使用しているDAW(Waveform)には対応しておらず、手動で割り当てをマッピングして使う羽目になっています。対応したDAWを使っていれば、DAW内の状況に応じてパッドが光ったりして色々楽しいみたいです。いずれにしても、私にはDAW連携機能の使用感について客観的にコメントすることはできません。

バンドルソフトについて
ソフトの質は良いです。良いですが、やや偏っています。何も音源やプラグインを持っていない人よりは、すでに1~2万円くらいプラグインに費やしている人のほうが喜ぶと思います。

これは私の趣味ですが、付属のシンセBass Stationはかなり好みです。音質はハードウェアさながらですし、良い意味で硬い低音が出ます。意外と守備範囲も広いですが、楽に使いこなせる程度の広さに抑えられています。私は結構ソフトシンセの好き嫌いがある方ですが、Bass StationはSurgeの次くらいに好きかもしれないです。

見解まとめ
こういう多機能なMIDIキーボードって必ずしも作曲に必要だとは思いません。無いなら無いなりの表現手法になるし、有るなら有るなりの表現手法になるだけだと思っています。

私自身、実際に買って自分の音源で動かして、初めて多機能MIDIキーボードの存在意義が分かった節もあります。2万円はミニキーボードにしては高いですが、もし予算が許すなら「アイデア代」だと思って買っても良いのではと思いました。

MIDIキーボードを導入して音楽ライフがどう変わったのか、長期的な考察などはまたの機会に書こうと思います。