2024年9月、ついにSynthMaster 3がリリースされました。
正式リリース直前に買いました。
私はまだ、「ちょっと音を出した」程度の知識状態にすぎないので、決してちゃんとしたレビュー記事は書けません。が、今は他の日本語解説記事もほぼありませんので、あくまで繋ぎとして、取り急ぎ書くことにしました。

SynthMaster 3とは?
KV331 Audioの最新作ソフトウェアシンセサイザーです。当初予定から5年くらい発売が延期されたことでも知られ、一部ではネタにされていた気もしますが、そのおかげで巨大なシンセサイザーとなっています。
3は、SynthMaster2(SM2)と、SynthMaster One(SM1)との上位互換性を持っています。これによって、SM2とSM1のプリセットをそのまま読み込むことも可能です。これだけでも凄い事です。つまり、3を買ってしまえば、正直SM2やSM1は要らなくなるかな、という感じです。まあ、SM1にはワンページGUIという強みはありますが。
SM2と比べて変わった主なことを以下に挙げていきます。
1. オシレーター、モジュレーター、フィルターが好きなだけ(最大16個)作成でき、好きにルーティングできる
(ただしモジュレータとオシレータの区別は残ってます。モジュレーターから音を出したりオシレーターでFM変調したりは出来ないので注意)

↑これ、操作性には若干改善の余地を感じます
2. ウェーブテーブルエディタと波形エディタが搭載
完全新機能です。SynthMasterの例に漏れず多機能なので、サンプルのリサンプリングなどいろいろできると思います。
あまり真剣に触ってはいないですが、ちゃんとした音を作りこむにはそれなりの努力が必要な体感あり。

3. マルチサンプルエディタが搭載(2024年9月時点ではまだ挙動が怪しい)
SFZと互換性があり、ラウンドロビンにも対応し、スライサーもあり、将来的にはピッチシフトエンジンも搭載予定という、超本格的なサンプラーです!
……のはずなんですが、残念ながら私の環境においてサンプルエディタは非常に不安定です。今のところ、サンプルのポン出しとループポイント指定くらいしかまともに動いていません。(それが出来るだけでもシンセとしては上出来なんですが) また、SFZ読み込みに対応してはいますが、未対応のSFZも多く、未対応SFZを読ませるとフリーズしてしまいます。
おま環でなければ、今後修正の流れになると思いますが、いつになるかは分かりません。とにかく、私基準では、ここの機能は未完成と思うべきです。

4. オシレーターの種類追加
オシレーターの種類に、「VAnalog」と「Granular」が追加になりました。
VAnalogは、アナログシミュの音を期待するためのものではなく、波形を連続的に変形させることで揺らぎを作り出すためのオシレーターです。負荷の低さと、発振帯域の広さがメリットになります。音色面では、正直これまでのオシレーターと比べて大きく変わった感じはありません。
Granularは、その名の通りグラニュラーオシレーターです。結構本格的なつくりです。これ単体でも製品になるレベルだと思います。
5. フィルターの種類追加
フィルターの種類に、「Phaser」と「Formant」が追加になりました。また、SM2にあったフィルター内ウェーブシェーパーは「Waveshaper」モジュールとして独立し、フィルターとは無関係に配置できるようになりました(その分、手動で配置する手間が増えてしまいましたが)
さらに、リング変調を自由に可能にする「Operator」モジュールも追加されました。この辺は使い方次第かなと。
気に入ったところ
1. 必要なモジュールだけが表示されるようになった
SM2では、使っていないモジュールもすべて表示されるため、プリセットの改変を行う際、ルーティングを確認する手間がかかりました。
SM3になって、不要なモジュールは削除して非表示にできるようになったので、よりプリセットの見通しが良くなったと感じます。
2. SM1、SM2どちらのプリセットにも対応する
SM1とSM2は、用途が被っているのに、プリセットの互換性が無く不便でした。SM3は、1,2どちらのプリセットも読み込めるので、音色資産が活きます。同じ音色でも、SM1とSM3でわずかに音色に差異がある気がしますが、検証してはいないです。
なお、SM3を買うと、SM1,2のファクトリープリセットも同梱されているので、総音色数はバニラで4100を超えます。コスパも魅力的ですね。
3. サンプラー機能の拡充
少し動作に不安が残りますが、サンプラー的な使い方も可能になったので、用途の幅が広がったと感じます。
私は普段の制作で、ループ素材を適当に加工してMIDIで鳴らしたりするのですが、これができる手持ちのプラグインがTx16WXくらいしかなく、なかなか手間がかかっていました。SynthMasterで同じことができるようになれば、かなり操作性や音作りの自由度が改善されると思います。
また、SM3ではサンプル素材をドラッグドロップでインポート出来るようになりました。これは心理的には非常に大きいです。
4. 起動が早くなった
私の環境だけかもしれませんが、SM3の起動速度は、機能が少ないはずのSM1やSM2よりも早いです(ただし起動速度にはバラつきがあります)。
市場で最も多機能な部類のシンセがこの速度で立ち上がるのは、それだけでも十分なメリットです。
気になったところ
1. サンプラーのバグ直してくれ!
2. タブが多くなってくると操作が煩雑
3. プリセット音色のプレビュー機能は、俺は邪魔だと思う。右クリックで切れるので切った。
4. SM2もそうだったが、フィルターの種類によって音量が違うのをなんとかできない?
5. すごく細かい点。自前のサンプル素材を読み込ませたとき、SynthMaster3はサンプルが入っているフォルダの場所をファイルに保存しておき、次回以降の起動時に、フォルダからサンプル一覧を取得する挙動をする。だが、これによって起動が極端に遅くなったり、そもそも起動しなくなるといった現象が誘発されているとみられる。現状では、不具合発生時にC:\Users\パブリック\Documents\SynthMaster3にあるSynthMasterSamplesFolders.txtの3行目以降を消して対応しているが、開発者側から何らかの対応をしてほしい。
所感
全体的に、SM2から弱点や癖を消し、機能を増やしたといった印象です。SM2と、全体的な操作や音質は変わりないですが、絶妙に細部が使いやすく洗練されており、モダンシンセとしてかなり良い体感です。
今までのSynthMasterが好きな人なら、ほぼ間違いなく、SynthMaster 3は欲しくなるはずです。
注意: この記事は、早期に情報を共有するため、推敲せず公開しています。今後、記事の修正・改稿などが発生する可能性が高いですのでご承知おきください。
現在の最終更新日: 09/08
正式リリース直前に買いました。
私はまだ、「ちょっと音を出した」程度の知識状態にすぎないので、決してちゃんとしたレビュー記事は書けません。が、今は他の日本語解説記事もほぼありませんので、あくまで繋ぎとして、取り急ぎ書くことにしました。

SynthMaster 3とは?
KV331 Audioの最新作ソフトウェアシンセサイザーです。当初予定から5年くらい発売が延期されたことでも知られ、一部ではネタにされていた気もしますが、そのおかげで巨大なシンセサイザーとなっています。
3は、SynthMaster2(SM2)と、SynthMaster One(SM1)との上位互換性を持っています。これによって、SM2とSM1のプリセットをそのまま読み込むことも可能です。これだけでも凄い事です。つまり、3を買ってしまえば、正直SM2やSM1は要らなくなるかな、という感じです。まあ、SM1にはワンページGUIという強みはありますが。
SM2と比べて変わった主なことを以下に挙げていきます。
1. オシレーター、モジュレーター、フィルターが好きなだけ(最大16個)作成でき、好きにルーティングできる
(ただしモジュレータとオシレータの区別は残ってます。モジュレーターから音を出したりオシレーターでFM変調したりは出来ないので注意)

↑これ、操作性には若干改善の余地を感じます
2. ウェーブテーブルエディタと波形エディタが搭載
完全新機能です。SynthMasterの例に漏れず多機能なので、サンプルのリサンプリングなどいろいろできると思います。
あまり真剣に触ってはいないですが、ちゃんとした音を作りこむにはそれなりの努力が必要な体感あり。

3. マルチサンプルエディタが搭載(2024年9月時点ではまだ挙動が怪しい)
SFZと互換性があり、ラウンドロビンにも対応し、スライサーもあり、将来的にはピッチシフトエンジンも搭載予定という、超本格的なサンプラーです!
……のはずなんですが、残念ながら私の環境においてサンプルエディタは非常に不安定です。今のところ、サンプルのポン出しとループポイント指定くらいしかまともに動いていません。(それが出来るだけでもシンセとしては上出来なんですが) また、SFZ読み込みに対応してはいますが、未対応のSFZも多く、未対応SFZを読ませるとフリーズしてしまいます。
おま環でなければ、今後修正の流れになると思いますが、いつになるかは分かりません。とにかく、私基準では、ここの機能は未完成と思うべきです。

4. オシレーターの種類追加
オシレーターの種類に、「VAnalog」と「Granular」が追加になりました。
VAnalogは、アナログシミュの音を期待するためのものではなく、波形を連続的に変形させることで揺らぎを作り出すためのオシレーターです。負荷の低さと、発振帯域の広さがメリットになります。音色面では、正直これまでのオシレーターと比べて大きく変わった感じはありません。
Granularは、その名の通りグラニュラーオシレーターです。結構本格的なつくりです。これ単体でも製品になるレベルだと思います。
5. フィルターの種類追加
フィルターの種類に、「Phaser」と「Formant」が追加になりました。また、SM2にあったフィルター内ウェーブシェーパーは「Waveshaper」モジュールとして独立し、フィルターとは無関係に配置できるようになりました(その分、手動で配置する手間が増えてしまいましたが)
さらに、リング変調を自由に可能にする「Operator」モジュールも追加されました。この辺は使い方次第かなと。
気に入ったところ
1. 必要なモジュールだけが表示されるようになった
SM2では、使っていないモジュールもすべて表示されるため、プリセットの改変を行う際、ルーティングを確認する手間がかかりました。
SM3になって、不要なモジュールは削除して非表示にできるようになったので、よりプリセットの見通しが良くなったと感じます。
2. SM1、SM2どちらのプリセットにも対応する
SM1とSM2は、用途が被っているのに、プリセットの互換性が無く不便でした。SM3は、1,2どちらのプリセットも読み込めるので、音色資産が活きます。同じ音色でも、SM1とSM3でわずかに音色に差異がある気がしますが、検証してはいないです。
なお、SM3を買うと、SM1,2のファクトリープリセットも同梱されているので、総音色数はバニラで4100を超えます。コスパも魅力的ですね。
3. サンプラー機能の拡充
少し動作に不安が残りますが、サンプラー的な使い方も可能になったので、用途の幅が広がったと感じます。
私は普段の制作で、ループ素材を適当に加工してMIDIで鳴らしたりするのですが、これができる手持ちのプラグインがTx16WXくらいしかなく、なかなか手間がかかっていました。SynthMasterで同じことができるようになれば、かなり操作性や音作りの自由度が改善されると思います。
また、SM3ではサンプル素材をドラッグドロップでインポート出来るようになりました。これは心理的には非常に大きいです。
4. 起動が早くなった
私の環境だけかもしれませんが、SM3の起動速度は、機能が少ないはずのSM1やSM2よりも早いです(ただし起動速度にはバラつきがあります)。
市場で最も多機能な部類のシンセがこの速度で立ち上がるのは、それだけでも十分なメリットです。
気になったところ
1. サンプラーのバグ直してくれ!
2. タブが多くなってくると操作が煩雑
3. プリセット音色のプレビュー機能は、俺は邪魔だと思う。右クリックで切れるので切った。
4. SM2もそうだったが、フィルターの種類によって音量が違うのをなんとかできない?
5. すごく細かい点。自前のサンプル素材を読み込ませたとき、SynthMaster3はサンプルが入っているフォルダの場所をファイルに保存しておき、次回以降の起動時に、フォルダからサンプル一覧を取得する挙動をする。だが、これによって起動が極端に遅くなったり、そもそも起動しなくなるといった現象が誘発されているとみられる。現状では、不具合発生時にC:\Users\パブリック\Documents\SynthMaster3にあるSynthMasterSamplesFolders.txtの3行目以降を消して対応しているが、開発者側から何らかの対応をしてほしい。
所感
全体的に、SM2から弱点や癖を消し、機能を増やしたといった印象です。SM2と、全体的な操作や音質は変わりないですが、絶妙に細部が使いやすく洗練されており、モダンシンセとしてかなり良い体感です。
今までのSynthMasterが好きな人なら、ほぼ間違いなく、SynthMaster 3は欲しくなるはずです。
注意: この記事は、早期に情報を共有するため、推敲せず公開しています。今後、記事の修正・改稿などが発生する可能性が高いですのでご承知おきください。
現在の最終更新日: 09/08
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