Air Music TechからLoom Classicというシンセが出ている。加算合成式の変わり種シンセだ。いつぞやのブッラクフッライデで600円くらいで買った。安い。
 いや、安いといっても同じメーカーから出ているHybrid 3やVacuum Proは無料配布経験者で面構えが違うので、Loomはちょっとお高く留まっているというわけだ。
 実際はPlugin Boutiqueで買い物をするともらえるNeutron Elementsなるソフトが欲しかったので買ったわけで、氾濫する1$プラグイン群やGlitchmachinesのSubvertとも比較検討した結果がLoom。まあ、あると楽しいでしょということで。

 前述のように、Loomは加算合成式の変わり種シンセだ。変わった音が出る。どんな音が出るかというのはAir Music Tech公式サイトのデモを聴くのが一番早いと思う。細い透き通るような音だ。
 その操作性だが、モジュールを自由に並べるモジュラーシンセっぽい雰囲気で、まあ端的に言って使いにくい。Sawリードとかそういうのは普通に作れるのだが、そういう"普通な"音だったらもっと得意なシンセがあるのだ。Loomらしい変な音を作るにはなかなか試行錯誤を要する。そのプロセスはまさにサウンドデザインと呼べるような代物だ。
 
 だが、どうやらAirはそれを見越していたようだ。Loomには面倒な音作りを一気に省力化する画期的な機能が搭載されている。そう……


 ランダム機能だ。

 
 ……こんな強調して書くことじゃなかったかもしれない。
 とにかくLoomはランダム機能がよくハマる。このランダムが強烈で、何から何まですべてめちゃくちゃにしてしまう。特定のパラメータをロックするなんて甘えた機能は持ち合わせていない。素晴らしい精神だ。
 だから僕の現在のLoomの使い方は、
 1. 適当なループフレーズをLoomに再生させておく
 2. 気に入る音が出てくるまでランダムボタンを連打
 3. いい音が出てきたらADSRとか最低限の調整をして保存
 である。これじゃあAutogunと大差ない。というかAutogunも加算合成式シンセだ。
 
 AutogunにないLoomの強みとして、Morph機能というものがある。これは二次元パッドを使って音を時間変化させる機能だ。MIDI信号をトリガーとして使えるのでエンベロープとしても使える。どこで使えばよいかはよくわからないが、とりあえず機能はあるに越したことはない。
 ボコーダー機能もある。ちょっと波形取り込むのが手間だけど。使ったことない。
 あとは……あれだ、ヘルプ機能がついてて結構ありがたい、とか……。

 とにかく、FM音源とは一味違うクリアな金物が作れます。こういう音って使わない人は全然使わないとは思うんだけど、使う人は使うと思うので。定価で買わなくていいけど、1000円切ってたら買ってもいいんじゃないかな。