DTM始めて以来数年間(3年くらいだと思う)2500円くらいのヘッドホン(JVC HA-S500だと思う・以下S500)を使っていたのだが、DTM音源や技術や経験がレベルアップする中そろそろ機材も……ということでヘッドホンを新調した。
合計2時間近い店頭迷惑視聴の末選んだのはJVCのHA-RZ910(以下RZ910)というモデル。価格もちょうどよく音も自分好みだったためこれを購入した。が、家に帰ってじっくり聴いてみると、今まで使っていたS500と音の性格がそっくり(特に中高音あたり)。やっぱりJVC機材の音が好きなのだろう。あるいは長年にわたってJVCに耳が調教されていたかな。
案外と慣れ親しんだキャラクターであったため、倍の価格のヘッドホンを導入した割に感動は薄かった……が、数日間新ヘッドホンを使っていれば「ああ、違うな」と実感するところがままある。そのため、ここではRZ910というヘッドホンをS500と比較する形を軸に論じようと思う。(自分勝手なレビューとなることが予想されたので、Amazonとかにレビューを投稿するのはやめて、このブログに書いたのである)
前置きは長いが本編は短い。
旧機:S500のレビュー
これはインターネットでも評判がよい機種みたい。僕が買ったときの実勢価格は2500円前後。最近はもっと安い。同価格帯の中でオーディオテクニカ、パイオニア、ソニーなどと聴き比べてこれに決めた。艶消しブラウンみたいな音だ。類似商品のJVC HA-S400より一回り高価だが、ドライバー口径が大きいので強いらしい。
RZ910で慣れてから改めてS500で聴くと、S500の重低音の強さがよくわかる。これはまさしく「低音」ではなく「重低音」で、200Hzくらいではなく80Hz以下くらいのことである。これは明らかに強調した感じだ。
(これは最近知ったことだが、自前でMIXした音源を再生すれば、どの楽器がどのように聞こえるかでどの辺りの周波数帯域が強いか弱いかとかがなんかわかる。)
「重低音の強調とはいささか品位に欠けるぞ」と憂慮なさる方もいるかもしれないが、実際クラブ系のスピーカー環境だと大出力サブウーファーを設置して100Hz以下はかなり強くなるので、そういうのだと思えば気にならない。僕の知る大抵の曲では100Hz以下の帯域はキックドラムかサブベースしか鳴っておらず、多少持ち上げてもバランスは崩れにくい。
けれども個体差なのか、強い低音を出すと右のハウジングが共鳴するのには困った。
ともあれ、全体的に音の味付けは上手くできていると思う。歯切れとかクリアさとか歪まなさとかはともかくとして、音味だけは10000円以上クラスと大して区別がつかない。本機種人気のゆえんだろう。
文句をつけるとしたら中音域でやや籠ることか。速いパッセージでは耳介の辺りに少々ワワワワと混沌が現れる。
耐久性は十分あるだろう。長年酷使したのでイヤーパッドは滅亡したが、可動部(結構多い)が劣化で折れたりする兆候は、現状ない。コードも断線しにくそうな太いタイプで安心できる。
新機:RZ910のレビュー
なんだかオーディオというよりマルチメディアみたいな(けなしている)無粋なパッケージに入って、5000円くらいで売られていた。50mmのドライバーとむさ苦しいデザインが持ち味だ(?)。
まあ、デザインは良からずといえども悪からず。まったく垢抜けない見た目だが、それはそれでそれなりのそれがある。付け心地もよいし、耐久性の心配も要らなそうだし。媚びない感じが逆に好印象かもしれない。
買ってすぐ聴いたところS500と大して差がないようにも感じたが(音の分離感は明らかに優れていた)、数日使って慣らしていくうちにこの機種の良さが出てきたように思う。オーディオ機器のエイジングに関してはいろいろ論争があるので触れないけど……。
低音はそんなに強くない。が、出そうと思えばいくらでも出る。ここまでデカいと低音出ないほうがおかしいみたいな感覚になるので、そういった視覚的面も関係してなくもないかもしれないが、実際低音はよく出る。能ある鷹が爪を隠しているだけだ。DTMする上では却って好都合なので良し。
音はよく分離しているが、決してバラバラにはなっていない。ハイハットの輪郭はしっかりとらえているが、内部まで詳細に描写しようとはしていない。メーカーによっては高音域がクリア過ぎてくどかったりするので、これは僕好みといえる。
インターネットレビューの中で3000Hz付近の音が小さい的なものがあったので、僕も調べてみたが、サイン波の周波数を変えてゆくと、どうやら2700Hzくらいに谷があるようだ。(こうした谷はS500にも無くはなかったが、RZ910程ではない)これくらいの帯域はラウド感を引き起こすので、高音域のくどさを緩和するためにあえて谷を作ったのかもしれない。
ところで、同シリーズのより廉価な機種としてRZ710というのがある。これはインターネットレビューでは「RZ910より安く、音質は大差ない」みたいに書かれがちな気がするが、少なくとも店頭で視聴した際には音の広がり面で大きく異なった印象を受けた。RZ710のほうはなんていうか、聴いていてつまらない。
とはいえ、ひょっとしたらRZ710の店頭展示機のコンディションが悪かった可能性も否めない。あるいはRZ710は安価なイヤーパッドを使い、RZ910は高級機のような低反発素材イヤーパッドを使っていたことも関係したかもしれない。もしかしたら、RZ910にだけ搭載されている「アコースティックレンズ」なるギミックの効果が絶大だったのかもしれないし、RZ910特有の低音を少し外に逃がす設計が良かったのかもしれないが、おそらく僕の耳がおかしいのだ。
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