なんかAIR Music Technologyによる3製品(Hybrid 3 / Vacuum Pro / Xpand!2)がbeatにより無償提供されているらしく(2018年9月5日現在)、まあ3製品とも1ドルセール経験者なので腰抜かすほどのことではないが、どちらにせよ雁首並べて1ドルが0ドルになるのは大きい。実際うれしかった。ダウンロードの為にメアドを送ると宣伝メールが届くようになるらしいので目障りなら解除するか(無料で配信停止可能って書いてあった)サブアドレスを使うのがベターかもしれない。
私の環境ではSampleTankくんがいるのでXpand!2はそれほど魅力的には見えないが、デモを聴く限りは「地味だけど使える音」が沢山入っててよさそうだった。フリー音源とかだと録音が良くても使い勝手が悪いことが往々にしてあるので、その辺りは商用音源の強みかも。
SampleTankは重く若干不安定なので、「軽い」と評されるXpand!2はスケッチ用とかに役立ってくれるかもしれない……が、1.1GBもインストールするのはSSD環境ではやや厳しいので導入は保留。
で、Hybrid 3。フリーでここまでのものってまず無いと思うが、検索するとセールの話題ばかり出てくる。かわいそう。
機能面ではフリープラグインをほとんど凌駕しているといえそう。3OSC、フィルターはなんか2つある。LFOは3つあり、さらにPumperというサイドチェインみたいなやつも搭載している(サイドチェインコンプを用意しなくてよいので大変楽だ。)。エンベロープはフィルタ用、音量用のほかに自由に使えるやつが2つ。ビルドインエフェクトも豊富(ただし2つまでしかインサートできない)。
ついでに、上記を2系統同時に扱えるのだが、これに関してはプラグインを2つ立ち上げる手間が減ったって程度かな。
プリセットは割と使えそう。出音に関してだが、迫力はあんまりない。その代わり、煌びやかで、よく通る澄んだ音がする。擬人化したらかわいいね。
音細い系シンセといえばSynth1なのでSynth1と比較するが、Hybrid 3はSynth1よりかなり艶のある音がする。ゆえによく目立つが、反面その艶のあるキャラクターが邪魔になることもあるので、そこはSynth1の出番かもしれない。Synth1のFMつまみは本当に心地良い効き方をして、それはHybrid 3にはないSynth1の大きな強みだ。
総合すると、機能面では非常に強い一方で出音はやや場所を選ぶ感じ。シンセ選びの際には心強い選択肢になってくれることは間違いない。
次、Vacuum Pro。これはPro Toolsに付属するシンセVacuumのPro版だ。すなわちプロのプロなのだが、そんなプロプロいって何が楽しいのだろうか。
これは真空管モデリングアナログなんちゃらシンセらしい。Driveとかなんとか書いてある項目を上げるといい感じにサチュレーションがかかる。わざわざ音を揺らがせたりノイズを乗せたりして「ボロそう」に見せる機能までついているが、機能的にはごく普通のアナログシンセ。FM合成とかは無い。と思う。
このシンセの特徴として、SMARTというスマートなモードの存在が挙げられる。これは「複雑さ」とか「太さ」とか「輪郭」などといったスマートなつまみを回して音をスマートに調整できるモードだ。「なんとなく良いけど、なんとなく違う」みたいな音のブラッシュアップとかに活躍しそうである。これは便利に違いない。と思う。
出音は、まあ、GUIの通りだ。アナログっぽいかどうかは自分にはよくわからないが、かなり太く暖かい音が出ることは確かだ。こういう質感の音ってなかなかフリーシンセには出せないので重宝する。と思う。(2019/02/02追記:純粋なノコギリ波を出してスペアナで確認したところ、オシレーター部分はHybrid 3に似たデジタルサウンドのように見受けられた。やはり真空管サチュレーションが肝なのだろう。U-heのアナログモデリングシンセはオシレーターからいろいろ凝ってたりするので、Vacuumくんもまだまだである。フリーだったんだから文句言わない)
アナログ風サウンドのフリーシンセとして有名なTyrell N6はかなり重かったが(ある程度のスペックが無ければ和音を鳴らすことすら覚束ない)、これはそこまででもない。CPU使用量は普通である。
SMARTモードのお陰で音作りも楽そうだし、普通のシンセでは味気なさそうだなって思ったらVacuum Proを即投入しそうだ。