先日npndさんに誘われて、コレをつくりました。
 企画・構成決め・動画作成はnpndさんにやっていただき、僕は音声部分作成と動画エンコードを担当しました。僕はDJMIXみたいな奴の制作は初めてで、手探り的な部分も多く、npndさんからの助言を大いに参考にさせていただきました。ありがとうございます。
 さて、試行錯誤を繰り返しながらも何とか完成まで漕ぎつけられたのですが、制作中に得た知見やスキルなどを腐らしておくのも勿体無いように感じてきまして、勝手ながら制作後記を書いてみることにしました。何せ独学の素人の解説(というか感想文)ですので、参考になる部分がどれほどあるか知れたものではありません。むしろ悪い見本かも。ですが、もしこの記事をきっかけにメドレー制作に手を出す方がいらっしゃるのであれば、これはまさしく本望でございます。どうかあまり信用なさらないで……


 DAWはTracktion 6を使用。この記事を書いている時点では無料公開中。会員登録すれば使える。フリーDAWの中では最も実用的な部類に入ると思う。もっとも最近はCakewalk by BandLab(かつてはSONARと称し、割と有名なDAWだった)辺りがメジャーだろうけど。日本語情報もそっちのほうが多そうだし。
 途中使ったエフェクトプラグインは、"Dead Duck Free Effects Bundle"および"W1 Limiter"および"Limiter6"。いずれも会員登録不要、無料で使える。使いやすい。品質は知らんが、多分まあまあいいんでしょ。

 曲の繋ぎは基本クロスフェード。低音部がぶつかるようならハイパスフィルタをかけた。EQは大して使っていないが、もう少し積極的に使ったほうが良いものができたようにも思う。
 音圧が不足している曲には、コンプレッサーやリミッターを使った。何となくコンプ1個だけじゃ足りない気もしたのでコンプとリミッターの二段構えだ。結局ゲインしたのは1.5dbくらい。

 エディットは3つに分割した。さもないと重いし、何か構成を変更するたびにあらゆるオブジェクトを移動しなきゃならなくなる。Tracktion 6はオートメーションカーブまわりが弱く、たとえクリップを移動したとしてもオートメーションは移動しないので書き直しだ。分割すれば大分手間は減るが、その代わり書き出す手間が増える。個人的には5曲1エディットくらいに分割するのがちょうどいい気もする。
 BPMは自動で揃える機能があるが、その処理には数十秒かかる。カットしたりオフセットをずらすたびにレンダリングし直すのでストレスが溜まる。大掛かりな加工を施すときは一度別のエディットを新規に作成し、そこで加工し、加工したものを書き出してからテンポ合わせ処理をするとよいと思った。
 音量調節と、低音域モコモコには気を遣った。気を遣った割には上手くできてない気もするが。フリーで公開されているラウドネスメーターとスペクトラムアナライザーをマスタートラックに差し、気になるところは(主に繋ぎ部分)すべてチェックした。製作の序盤・中盤では、全体の音量変化には鈍感になりがちであったので、一通り繋ぎ終わってからもう一度ラウドネスをチェックし、再び音量調節を行った。音を小さくするときはDAWボリュームフェーダーを下げ、大きくするときはW1 Limiterのthreshold(閾値)を下げた(ボリュームフェーダーを0db以上に上げるとしばしば音が割れるため。リミッターを使えば音が割れない。)。マスタートラックにLimiter6を差し、全体的に緩いコンプとリミッターをかけて音圧をさらに上げた。

曲ごとのコメント(てか感想)

Once in my life
さわやか開幕
BPM133をBPM130に引き延ばしているんで、聴き比べるとどうしてもPad系が……ね。仕方ないね

Right Back
繋ぎやすかった。が、Once in my lifeとのフェード中にこの曲もクロスフェードを入れて、最初はリズムパートのみだったのが徐々に伴奏が入っていく、という形にした。こんな手の込んだことはこれ以降やっていない。処理の都合か微妙にうねりが入ってしまったのが心残り。
原曲よりBPMが6上がってるので、モトを聴き慣れている方にはせわしなく聞こえるとおもう。展開も結構端折った。ここから4曲Eマイナーが続く。

Master of GENOSIDE
ちょっと裏声が混じってるのがすき。
中盤くらいから次のFREEが顔を出し始めるんだが、これはたまたま思いついたってだけ。そのままじゃ粗削りにも程があったので、npndさんと相談して調整した。結果的にまあまあよいマッシュアップになったと思う。

FREE(REMIX)
ちょうど前の曲とつながる地帯の音量がデカく、素直にフェードすると音が割れた。原曲もすきだしリミックスもかっこいい。

Colorful
調性も同じだったので綺麗につながった。寒くて凍えないで。
これはBMSから直接取ってきたがいかんせん音量が小さく、コンプなどをかけてちょっとだけ音圧を上げている。

Crossover(Chain mix)
どう頑張っても前の曲と繋がらなかったのであきらめた。というか現状が最善だと思う。中盤だけ音量がでかいが、変にいじるのもアレなのでバレない程度にいじった。多分プロじゃなきゃ見逃しちゃうね。

New Windy Paradise
序盤のコード進行がCrossoverと同じなのでマッシュアップしたかったような気もしたが、npndさんにしつこいと意見されたので今くらいの長さのフェードにとどめた。結構大胆に展開を削ってしまったけど、もうちょっとまったり流してもよかったかもしれぬ。曲の終わりの「ジャジャジャーン」をさりげなく繋ぎに取り入れられた……と思う(そこにはハイパスフィルタをかけている)。

LIGHTS(Original Mix)
地味に厄介だったのがこの曲。繋ぎにはハイパスフィルタをこねくり回してモコモコしないように注意した。

oceanbird
この曲の入りはハイパスフィルタがいい仕事をしてくれた。シームレスにつながってくれたように思う。入りも出もハイパスフィルタを使っている。
BPM136を130まで落としているので、モトと比べると……ね

lightsphere
後半部分の音量が地味にデカい。npndさんに渡されて初めて知った曲。

Serika
前の曲とコード進行が大体同じなのでよく合う。でも尺が短いのでマッシュアップすると単体で聴ける地帯が無くなっちゃう。これもnpndさんに渡されて初めて知った。

Afterimage
ここの繋ぎ、思ったより綺麗に仕上がって満足。
道中は怒涛のクロスフェードやカットで展開そのまま尺を半分にした。原曲を聴き慣れていると違和感あるかもしれない。

Black Rainbow
Afterimageの半音上の調性だが何ら問題なく繋がった。うれしい。

Altostratus
実は今でも本人から再配布されている。このメドレーを作り始めてから知った。
npndさんのアドバイスを受けてこの曲の入りでBlack Rainbowをバッサリ切ってみたところ、メリハリついていい具合になってくれた。ありがとうございます。

Late Summer
何者かの圧力により尺を長めにとったので、他のロング尺の曲よりは無理なカットを控えている。
この曲に限らず、BMS以外から取った音源はしっかりマスタリングされて音圧が上げてあるが、制作にあたってそれをBMS音源並みの音圧に落とし、その後再びコンプレッサーとリミッターで音圧を上げなおすという二度手間を踏んでいる。

点、線、面、立体
制作の過程でプロジェクトを分割した際、継ぎ目はlightsphereとSerikaの間、そしてこの曲の途中に設けた。途中で微妙に音量が変わるのだが、そこが継ぎ目である。特記事項はそれだけである。たぶんバレないよね。

Pusha Plucka!!
よみかたがわからない…… ムービーのお兄さんダンス上手くて憧れる
入りが無調っぽいなのでどんな曲ともつなげる万能野郎だ。

Fall in Lovescream
おそらく最も展開に困った曲。ぎこちなくなるか冗長になるかの二択を迫られたぼくは、ぎこちなさと冗長さが交互にやってくるという謎の折衷案をとった。ムービーが百合。

On The Floor -Baltimore Club mix-
キラッ☆
ここのスクラッチ地帯がこのメドレーで最も音圧のある部分である。ミックスの際はここのラウドネスが-8LUFSを超えないように留意した。Youtubeでは最大のShort term(3秒間)ラウドネスが-8LUFSを超えると動画全体の音量を下げる処理がされてしまうと聞いたからだ。本当かどうかは知らない。
絶対繋ぎにくいと思っていた割には……意外となんとかなってる?

Adansonia(8th MIX)
この曲の7鍵差分を作ったのでそのうち配布したい。これも音圧が小さく、コンプレッサーだのリミッターだのを使ってどうにかした。ぼくの耳で聴く限り歪みとかは出てないと思う。

RENDEZVOUS
\ディスコ/\ディスコ/\ディスコ/\ディスコ/
Adansoniaとちょっとマッシュアップした。たのしかった。
若干尺が長いが、何者かの圧力によりノーカットで流したためである。ぼくが初めて作ったBMS差分はこの曲だった。