長らく無料DAWとして名高かったCakewalkですが、近いうちに有料化が予定されているそうです。乗り換え先を探している方も多いのではないでしょうか。

Waveform Freeの出番です。
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Waveform FreeはTracktion社が開発する完全無料・機能制限無しのDAWです。
公式サイト


隣にWaveform Proってのが売っていますが、身も蓋もない事を言うと、これはWaveform Freeの機能追加版みたいなものです。DAWとしての機能はFree版で十分完結していると認識しています。

私はWaveform FreeをPro版にしないまま7年にわたってメインDAWとして使い続けるというカスみたいな実績があり、このソフトに限っては大抵の日本人より詳しい自信があります。


目次
1. Waveform FreeってどんなDAW?
2. インストール方法
3. Waveform Proってどうなの?
4. 注意:タダより高いものはない
5. まとめ


1. Waveform FreeってどんなDAW?
 このWaveform FreeというDAWの特徴はいろいろネット上で言われてると思うのですが、メインDAWとして7年使った私が一言でまとめるなら、

  軽快、柔軟、簡素


……もう少し詳しく見ていきましょう。


長所
  • 軽量。起動が早い。
  • トラック数、プラグイン数など、根幹の機能には制限ゼロ
  • 一画面で操作が完結するので、視線が迷わない
  • ほとんどの機能が1~2クリックで使えるので、ワークフローが素早い
  • 複雑なルーティングを視覚的に行えるRack機能
  • 実用できる品質の付属エフェクター
  • プラグインのクラッシュから、DAW本体を守るサンドボックス機能
短所
  • 付属の音源が超少ない(シンセ1個と簡易サンプラーのみ)。
  • 機能数は多いんだけど、そのほとんどが微妙にショボい
  • まともなミキサーが無い
  • 動作が不安定
  • デフォルトのキーボードショートカット配置がゴミそのもの
  • ドキュメントが完全に英語なので、英語が読めないと詰む
  • 「DAW何使ってるの?」と聞かれたときに困る

 微妙に融通が利かないところはありますが、他のDAWで出来ることの8割は、Waveform Freeでも可能だと思います。ただし、結構操作性のクセが強いので、最初はちょっと戸惑うと思います。慣れれば直感的なんですけどね。

 まとめると、
  • 自由な発想でDAWを使いたい
  • インスピレーションを逃がしたくない
  • DIY精神でなんでもやりたい
というニーズには、Waveform Freeをおすすめしたいです。

 一方で、
  • まったく未経験からDTMを始める
  • 体系だてて学びたい
  • 音絡みの作業で他人から依頼を受けたり、プロフェッショナルを目指したりしたい
という場合は、積極的にはおすすめしません。
時間は有限ですので、知名度のあるDAWを買うか、その無料版を使うかすべきだと思います(記事の末尾にも改めて書きます)。


2. インストール方法
1. Waveform Freeの公式Webページにアクセスします。
 https://www.tracktion.com/products/waveform-free

2. 右上にある"Free Download"をクリック
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3. メール認証画面に移るので、メールアドレスと名前を入力して、"Submit"をクリック

4. 入力したアドレスにこういったメールが届くので、"VERIFY EMAIL"をクリック
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5. 住んでいる町を入力したのち、パスワードを決めます。
 パスワードは直後で使うので、控えておきましょう。

6. 認証完了画面が出てきます。
 なお、この画面からであれば、Tracktion社のマルチ音源"Collective"が限定$30で手に入ります。
 無理して買わなくても、セールを待てば$30で手に入ります。
 ↓どんな音?↓

 
 ↓自前レビュー↓

 このCollective、実はWaveform Proを買うとタダで付いてきたりするので、本当に無理に買う必要はないと思います。
 ただ、悪い製品ではないです。

7. いいからDAWをダウンロードさせろ!と言いながらボタンを押します。

8. ログインを求められるので、メアドとパスワードを早速入力します。

9. ようやくダウンロード画面が出てきます。
 自分のOSに合わせてダウンロードしてください。
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 なお、万が一ダウンロードしたものがバグりまくって動かない場合、このページに戻って"Indivisual Installers"から過去バージョンをダウンロードすると、なんとかなる場合があります。

10. ダウンロードしたインストーラーを実行します。

11. インストールが完了すると、Waveform Freeが開きます。
 どこかの段階でオーディオ設定が求められるかもしれません。基本デフォルトで問題ないはずですが、オーディオインターフェースを使う場合は選ぶ必要があると思います。
 Audio buffer sizeは、480 samples辺りから始めて、再生時に音が途切れるようなら増やすと良いです。Audio device typeに"ASIO"などと表記されている場合は、もっと短くても問題なく動きます。

12. Waveform Free上で改めてメアドとパスワードを入力し、ロック解除します。
 これでもうDAWは使えるようになります。
 適宜、デモプロジェクト"Static Observer"をダウンロードして見ても良いと思いますが、このプロジェクトは古いバージョンの内蔵エフェクターを使っている点には留意してください。

13. お好みに応じて、設定を変更します。
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 日本語化、フォントの変更などができます。
 現在(ver12.5.5)、日本語化を適用すると一部のメニューが開かなくなるバグがあるので、修正されるまでは頑張って英語で使ってください。ただ、フォントだけは日本語対応のものに変えておくと良いと思います。

 プラグインのスキャンは基本的に自動で行ってくれます。インストールしたはずのプラグインがなぜかロードされない、という場合のみ、手動で行うと良いでしょう。

14. (作曲で使う場合)あまりにも同梱音源が乏しいことに絶望します。
 もし作曲をしようとしているならば、Komplete Startや、SampleTank Custom Shopなどをダウンロードしてこないと、ほとんど何も出来ないと思います。作曲用途に使う場合は、適宜音源を入手しましょう。ここから先は長くなるので、時間をたっぷり取るべきです。

 作曲に使わない場合、内蔵エフェクターだけでも十分使えると思います。エフェクトの種類に物足りなくなってきたら、kiloHeartsの無料セット辺りを導入すると良いと思います。

15. キーボードショートカット配置の意味不明さに絶望します。
 一個一個でいいので、設定から変えていったほうが良いと思います。
 これに限らず、Waveformは自分好みにカスタマイズして使いやすくするDAWです。


3. Waveform Proってどうなの?
私は持ってません。確かに多機能になりますが、正直使わない機能も多いと思われますので、一度Free版を試して、Waveformと心中すると決心してから買った方が良いと思います。

価格: $149 (セールで4~5割引になることあり)

Waveform Freeをもとに、主に以下の機能を追加したものだと思ってください。
  • ドラムループをクォンタイズしたり、グルーブを抽出したりできる「Groove Doctor」
  • コード進行が簡単に作れる「Chord Companion」
  • エフェクターいくつか
  • マルチ音源"Collective"
  • 高機能なサンプラー ←これは便利
  • Auto-Tune Access
  • Melodyne Essential
  • 動画簡易編集
  • マルチモニターにまたがる画面レイアウトの保存
  • マクロ類の全体的な強化
  • 高度なグループ化編集

 また、Pro版を買うほどではない人に向けて、Free版強化パッチも販売されています。このシステムにも一癖ありますが、興味があれば、下の記事も参照してください。



5. 注意:タダより高いものはない
 前述したことですが、もしあなたにDTMの上達を目指す気持ちがあるのならば、有名な有料DAWを選ぶことを推奨します。

 無料DAWと定番有料DAWとでは、カタログスペック上では似ているように見えますが、目に見えないところに大きな格差があります。

 たとえば、ソフトウェアのバグの少なさ、日本人コミュニティの規模、あるいはプロフェッショナルユーザーからの「磨かれ」度合など、挙げればきりがありません。そして、このハンディキャップは、一人のユーザーがいくら工夫や努力をしたところで、埋めることは困難なのです。


 したがって、Waveform Freeを導入していい人は、大体次のパターンに限られるのでは、というのが7年使った私の持論です。
  1. もっぱら音楽以外の用途(動画・同人音声etc.)に使う
  2. お手軽にPC作曲を楽しめれば十分で、上達は急がない
  3. サブのDAWとして使う(スケッチ用、単純な編集用etc)
  4. マジで金がない

 もし音楽以外の用途で、無料のDAWを探しているのであれば、Ableton LiveやCubaseの機能制限版も併せて検討してください。トラック数に8という制限がありますが、音楽以外の用途なら十分ではないかと思います。ソフトウェアの品質と、日本語ドキュメントの量が段違いに良いです。

 もし今からDTMを始める人が無料DAWを探しているのなら、GarageBandやStudio One Prime辺りが無難だと思います。クラブ系の音であれば、FL体験版を少し触ってみるのも参考になると思います。ビートメイクに特化したMPC Beatsも、場合によっては選択肢に入るかも。もちろん、有料化される前にCakewalkを導入してしまうのも一つの選択です(どこかのタイミングで有料版にチェンジする前提で)。
 Waveform Freeは音源がほとんど同梱されず、操作性もほかのDAWとは大きく違うため、余分な苦労を強いられます。ちなみにReaperも同じ理由で入門者には勧められません。

 Cakewalkからの乗り換え先を探している場合は、逆にReaperが選択肢に上がってくる気がします。カスタマイズ性が高いので、違和感なく移行できるかもしれないからです。とはいえ私はCakewalkの事はよく知りません。

 それはそうと、私個人的には、Waveformと最も似ているDAWはReaperだと思っています。具体的には、
・付属音源がほぼない
・エフェクトプラグインと音源プラグインを区別せず扱う
・ルーティングが柔軟
・マクロ機能がある
・軽量さにこだわっている
点が共通しています。
Waveform Freeのほうが優れている点は、
・無料
・全体的に、操作するときのクリック数が少ない
・リフの自動生成機能がある
・プラグインを大量に入れていても起動が早い
という辺り。なお、Reaperのほうが優れている点は、それ以外のすべてです。


5. まとめ
  • Waveform Freeはいいぞ!
  • おすすめはしません!
 短所の方が多いDAWだと思ってはいるのですが、私はなんとなく使っているうちに、もう他のDAWに移行できないくらい愛着を持ってしまいました。
 ということで、Cakewalk辺りから日本語ユーザーが流入してこないか、虎視眈々と狙ってる昨今です。

 実際に動いている様子は下の動画をご覧ください。