お久しぶりです。もはやマイナーシンセを紹介するコーナーと化したフリーシンセレビュー第14弾です。
電車の音が出るシンセです。詳しく言えば、おおむね1990年以降、電車のモーターの出力制御に使われ続けているVVVFインバータという装置がありまして、それから出力される信号を再現するシンセです。
電子楽器として見ると、パルス波を面白く変形させられる1オシレーター0フィルターのシンセサイザーとみなせ、小回りは効きませんがChiptune系統のリード・ベース・SFX等を手早く作成することができると思います。
作者の方が配布サイトにて、丁寧な日本語説明を書かれているので、私からあまり語ることもない気がします。ただ、鉄道メカニック系の知識がないと、少し異質な内容に感じられるかもしれません。
このシンセにおいて重要なのは、
こういうコンセプトのシンセサイザーとしては、機能に不足はないんじゃないでしょうか。下手にポリフォニーとかフィルターとか増やして個性的なサウンドがボケるのも違う気がしますし。
詳しく検証はしていませんが、CPU負荷はそれほど重くありません。軽くもないですが。
とりあえず、電車の走行音をこれ一台で合成するのは無謀です。これが再現するのは制御信号によるノイズだけなので。まあ、鉄道好きな方にとっては、遊んでるだけでも楽しい音なことには変わりないと思います。
シンセサイザーとしてみると、奇数倍音が豊富で元気な音が簡単に出せる印象があり、エフェクター次第では結構良いフレーズが出てくる気がします。非常に独特な仕組みのシンセですが、余計な機能がない分、慣れると早く音が作れます。Async ModeとLine Voltageの入り切りで大分音の性格が変わるので、案外音のパターンも広いです。フィルターはありませんし、付ける必要があるとも思いません。
ジャンルにもよりますが、音楽で使えない音ってわけでは全然ないと思いますね。冒頭の動画のように、機械音とは異なる音も出せますから。いずれにせよ他のシンセでは聴けない音が聴けますし、オートメーションを前提に設計されているので表現力もあると思います。サウンド自体、高域までしっかり出てくれるため、ミックスでも浮かない程度によく立つと思います。あとはどこに使うか、なんですが……。
ちなみに、電車の音を出したい方のために、私なりのひな型を書いておきます。まず電車の音を出す際には、公式ページでも書かれている通り、Carrierセクションで波形を三角波に、OutputセクションでLine Voltageをオンにします。それからは場合によって設定は変わってくるわけですが、どこの電車でも聞けるようなIGBT素子インバータの非同期音を作るとしたら、以下のようになると思います。
「NoteセクションではLFO波形をランダムにして、Freq.を2時くらいにセット。Depthは0~9時くらいの間で好みに合わせて調整します。Async Modeをオンにした状態で、Signal Freq.セクションでは、Automationを選択。エンベロープではアタックを最大近くにして、アタック時に0から70くらいまでゆっくり上がっていくようにセットします。Signalセクションでは、こちらもアタックを最大近くにしたうえで、Gainは11時くらいを目安に調整します。あとは普通に高めのロングトーンを演奏しましょう」
他人に勧められる度: ★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
まあ……鉄道マニア専用シンセに近いところだとは思うんですが、敢えてそうでない人に勧めるならば、くっきりした変調サウンドが出せることとか、どのような設定でも音が破綻しないこととかが長所になると思います。あと、楽器として設計されたようなシンセには出せない音が出せること。この手の非楽器的なシンセの中では、かなり扱いやすいほうだと思います(Harsh Digital NoseとかLittle Spiral Generatorとかと比べて)。音楽性としてはChiptuneの延長になるのかなと感じます。効果音作成ツールとしても使えるかも。
作者の方は商用利用にあたっては一報ほしいとのことですので、該当する方はご留意ください。
何がいいって電車の音以外も出ること pic.twitter.com/PHB0NAfGNb
— RykSeb@硫化西部 (@RykSeb) May 10, 2022
電車の音も出ますが…… pic.twitter.com/egqF3lGZa0
— RykSeb@硫化西部 (@RykSeb) May 10, 2022
VVVFSynth(ゆっP)
電車の音が出るシンセです。詳しく言えば、おおむね1990年以降、電車のモーターの出力制御に使われ続けているVVVFインバータという装置がありまして、それから出力される信号を再現するシンセです。
電子楽器として見ると、パルス波を面白く変形させられる1オシレーター0フィルターのシンセサイザーとみなせ、小回りは効きませんがChiptune系統のリード・ベース・SFX等を手早く作成することができると思います。
概要
- 電車の音が出る
- なんか得体の知れない電子機械の音も出る
- ベースやリードに刺激的な音を加えるのにいいかもしれない
- モノフォニック。まあそうですよね
各機能
作者の方が配布サイトにて、丁寧な日本語説明を書かれているので、私からあまり語ることもない気がします。ただ、鉄道メカニック系の知識がないと、少し異質な内容に感じられるかもしれません。
このシンセにおいて重要なのは、
- 2つの波の周波数と音量を設定し、両者の大小を比較してパルス波にする仕組み
- Async Modeを切ると信号フローが変わる
こういうコンセプトのシンセサイザーとしては、機能に不足はないんじゃないでしょうか。下手にポリフォニーとかフィルターとか増やして個性的なサウンドがボケるのも違う気がしますし。
詳しく検証はしていませんが、CPU負荷はそれほど重くありません。軽くもないですが。
音
とりあえず、電車の走行音をこれ一台で合成するのは無謀です。これが再現するのは制御信号によるノイズだけなので。まあ、鉄道好きな方にとっては、遊んでるだけでも楽しい音なことには変わりないと思います。
シンセサイザーとしてみると、奇数倍音が豊富で元気な音が簡単に出せる印象があり、エフェクター次第では結構良いフレーズが出てくる気がします。非常に独特な仕組みのシンセですが、余計な機能がない分、慣れると早く音が作れます。Async ModeとLine Voltageの入り切りで大分音の性格が変わるので、案外音のパターンも広いです。フィルターはありませんし、付ける必要があるとも思いません。
ジャンルにもよりますが、音楽で使えない音ってわけでは全然ないと思いますね。冒頭の動画のように、機械音とは異なる音も出せますから。いずれにせよ他のシンセでは聴けない音が聴けますし、オートメーションを前提に設計されているので表現力もあると思います。サウンド自体、高域までしっかり出てくれるため、ミックスでも浮かない程度によく立つと思います。あとはどこに使うか、なんですが……。
ちなみに、電車の音を出したい方のために、私なりのひな型を書いておきます。まず電車の音を出す際には、公式ページでも書かれている通り、Carrierセクションで波形を三角波に、OutputセクションでLine Voltageをオンにします。それからは場合によって設定は変わってくるわけですが、どこの電車でも聞けるようなIGBT素子インバータの非同期音を作るとしたら、以下のようになると思います。
「NoteセクションではLFO波形をランダムにして、Freq.を2時くらいにセット。Depthは0~9時くらいの間で好みに合わせて調整します。Async Modeをオンにした状態で、Signal Freq.セクションでは、Automationを選択。エンベロープではアタックを最大近くにして、アタック時に0から70くらいまでゆっくり上がっていくようにセットします。Signalセクションでは、こちらもアタックを最大近くにしたうえで、Gainは11時くらいを目安に調整します。あとは普通に高めのロングトーンを演奏しましょう」
わたし的な評価
他人に勧められる度: ★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
まあ……鉄道マニア専用シンセに近いところだとは思うんですが、敢えてそうでない人に勧めるならば、くっきりした変調サウンドが出せることとか、どのような設定でも音が破綻しないこととかが長所になると思います。あと、楽器として設計されたようなシンセには出せない音が出せること。この手の非楽器的なシンセの中では、かなり扱いやすいほうだと思います(Harsh Digital NoseとかLittle Spiral Generatorとかと比べて)。音楽性としてはChiptuneの延長になるのかなと感じます。効果音作成ツールとしても使えるかも。
作者の方は商用利用にあたっては一報ほしいとのことですので、該当する方はご留意ください。
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